池袋暴走事故の遺族「だれにも被害者や加害者になってほしくない」。献花台は花束で埋まった

松永拓也さんは、犠牲になった妻と娘に対して「生きていくと決めたから、心配しないで」と伝えたという。
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花を手向ける松永拓也さん
Rio Hamada / Huffpost Japan

東京・池袋で赤信号を無視した暴走車にはねられ2人が死亡し、9人が重軽傷を負った事故から、2年が経った。

妻と娘を失った松永拓也さんと家族・親族らが4月19日、現場近くに設置された慰霊碑に花をたむけ、犠牲者になった2人を追悼した。

喪服姿の松永さんは、慰霊碑に花束を優しく手向けた。両手を合わせて、数十秒間、目をつぶって祈りをささげた。

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花をたむけ、手を合わせる松永拓也さん
Rio Hamada / Huffpost Japan

その後松永さんは報道陣の取材に応じ、「悲しみと苦しみの中で、必死に自分はどうやって生きていけばいいのか、何をするべきなのか、苦しみながら葛藤しながら生きてきた2年間だった」と振り返った。

手を合わせる最中、2人への感謝や「愛しているから、2人の命を無駄にしない」という思いを改めて伝えたという。

「生きていくと決めたから、心配しないでくれ。2人に胸張っていつか会えるように生きていくから心配しないで、誰かの命が守られるようにこの先も生きていくからという風に伝えました」と声を振るわせた。

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慰霊碑の前で取材に応じる松永さん
Rio Hamada / Huffpost Japan

車を運転する人たちに伝えたいことを尋ねられると、「誰しもに被害者にも加害者にもなって欲しくない」と願った。

「そうならないために、安全に運転しよう、運転者でなければ歩行しようと意識してほしい。他者に対する愛を持って運転しようと心掛けてほしいです」

献花台はすでに、たくさんの花で埋まっていた。松永さんが取材に応じている最中も、手を合わせ、花をたむける人たちの姿もあった。

そうした人たちに向けて「言葉にできない感謝の念が絶えない」と語った。

事故から2年が経ってもなお、松永さんが慰霊碑を訪れるたびに、花がたむけられているという。

「足を止めてお祈りしてくれる人も見てきました。そういう人たちの当たり前の日常や命、幸せが奪われないような社会にしたい。声援や支援してもらった分、(再発防止)活動を通して社会に返していきたい」

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慰霊碑に添えられた献花
Rio Hamada / Huffpost Japan