リニア新幹線は「奈良ルート」で JR東海社長が表明

リニア中央新幹線の名古屋-大阪間のルートについて、JR東海の柘植康英(つげ・こうえい)社長は7月20日、「奈良市付近」を通るルートで作業を進める考えを明らかにした。
|

リニア中央新幹線の名古屋-大阪間のルートについて、JR東海の柘植康英(つげ・こうえい)社長は7月20日、「奈良市付近」を通るルートで作業を進める考えを明らかにした。産経WESTなどが報じた。

Open Image Modal

中央リニア新幹線で使われる予定の超伝導リニアモーターカー「L0系」

名古屋市内の本社で開かれた記者会見で「国の整備計画が基本にあり、これに基づいて作業を進めていくことになる」と述べ、奈良ルートを前提とする考えを明確に示したという。

■京都の政財界は「京都ルート」を求めていた

名古屋以西のルートは、国が1973年に策定した基本計画で「奈良市付近」を通ると示され、2011年の整備計画でも同様の内容が盛り込まれた。これに対し、ルートから外れる京都の政財界からは「日本文化の発信拠点として世界中の人が訪れる地を通らないのは大きな損失」などと主張し、変更を求めていた

しかし、JR東海はルート変更に慎重だった。同社幹部は、朝日新聞の取材に対し「ルートは我々が決めること。奈良市付近を中間駅とする今の計画で建設を進めていく」と話していた。京都経由にすればカーブが増えて、品川〜新大阪間を67分で結ぶ計画が達成できなくなるほか、災害時の東海道新幹線のバイパスとしての機能が失われることも理由に挙げたという。

リニア中央新幹線は2027年に品川〜名古屋間を先行開業。大阪への延伸は、2057年になる予定だった。しかし、全線開業を前倒しするため、政府が建設資金を支援する方針を固めたため、JR東海では最速で2037年に名古屋〜大阪間の開業を目指すことになった

【関連記事】

Open Image Modal

Open Image Modal

Open Image Modal

関連記事

リニアモーターカー・リニア新幹線 画像集・動画集
走行試験を再開したL0系 (01 of09)
Open Image Modal
延伸工事を終えた実験線で新型車両「L0(エルゼロ)系」を使ってJR東海が再開したリニア新幹線の試験走行=29日午前、山梨県都留市 \n\n撮影日: 2013/08/29 (credit:時事通信社)
走行試験を再開したL0系 (02 of09)
Open Image Modal
延伸工事を終えた山梨県のリニア実験線で走行試験を再開した新型車両「L0(エルゼロ)系」。山梨県立リニア見学センター前を高速で走り抜けた=8月29日、山梨県都留市 (credit:時事通信社)
走行するリニアL0系の車内 (03 of09)
Open Image Modal
時速504キロで走行中のリニア新型車両「L0(エルゼロ)系」車内。先頭車に備え付けられたカメラの映像と速度がモニターに表示された=8月29日午後、山梨県内 (credit:時事通信社)
新型車両L0系の内部(04 of09)
Open Image Modal
延伸工事を終えた山梨県のリニア実験線で走行試験が再開された。報道陣に公開された新型車両「L0(エルゼロ)系」の内部=8月29日、山梨県内 (credit:時事通信社)
ML100(05 of09)
Open Image Modal
鉄道総合技術研究所 (credit:ウィキメディア・コモンズ)
国鉄リニアが有人走行で世界最高時速達成(06 of09)
Open Image Modal
有人走行テストで世界最高時速400.8キロを達成した国鉄のリニアモーターカー(宮崎・日向市)\n撮影日 1987年02月04日 (credit:時事通信社)
超電導リニア MLX01-2(07 of09)
Open Image Modal
超電導リニア MLX01-2。世界最高速度581km/h、山梨実験線にて。 (credit:ウィキメディア・コモンズ)
超電導リニア MLX01-901(改造前)(08 of09)
Open Image Modal
(credit:ウィキメディア・コモンズ)
超電導リニア MLX01-1(09 of09)
Open Image Modal
(credit:ウィキメディア・コモンズ)