ダーイシュ(イスラム国)が古代アッシリアのニムルド遺跡を爆破【動画】

過激派組織「ダーイシュ」(イスラム国)は4月11日、イラク北部にある古代アッシリアのニムルド遺跡を爆破する映像を公開した。遺跡は完全に破壊されたとみられる。
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YouTube/qadi_100_moun

過激派組織「ダーイシュ」(イスラム国、IS)は4月11日、イラク北部にある古代アッシリアのニムルド遺跡を爆破する映像を公開した。遺跡は完全に破壊されたとみられる。時事ドットコムなどが報じた。

ニムルド遺跡は、ダーイシュが支配するモスルの南東約30kmのティグリス川沿いにある。イラク政府が3月に「ダーイシュによって破壊された」と発表していたが、どの程度破壊されたのは不明だった

ダーイシュは、同じくイラク北部にある世界遺産のハトラ遺跡を破壊する映像もインターネット上に公開していて、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が「戦争犯罪だ」として強く非難していた。

今回発表された映像では、壁にアッシリアの神々が彫られた室内で、戦闘員らが粉末を満たした大きな樽を設置した。続いて大きな爆発が起き、煙が立ち上る様子が映し出されている。動画の終盤には、ダーイシュの戦闘員が「偶像崇拝を一掃して一神教を伝えられる場所があれば、われわれはいつでも実行する」と述べていた

コトバンクによると、ニムルド遺跡はアッシュールナシルパル2世が紀元前879年から建設したアッシリアの首都の王城跡。イギリスのA.H.レヤードらが19世紀半ばに王城の宮殿跡を発掘し、宮殿装飾に用いられた浮彫や人面有翼獅子像などを大英博物館で展示して、ヨーロッパに大センセーションを巻き起こしたという。

ダーイシュが公開したニムルド遺跡を爆破する映像

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ニムルド遺跡の画像集
ニムルド遺跡の王城跡にある人面有翼獅子像(01 of07)
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Nimrud Lamassu\'s at the North West Palace of Ashurnasirpal (credit:Wikimedia)
ニムルド遺跡のナブ寺院の跡地(02 of07)
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Remains of the Nabu temple in 2008 (credit:Wikimedia)
ニムルドの想像図(03 of07)
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\"The Palaces at Nimrud Restored\", 1853, imagined by the city\'s first excavator, Austen Henry Layard and architectural historian James Fergusson (credit:Wikimedia)
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ニムルドから出土した門番となる人頭有翼獣ラマッスの像、メトロポリタン美術館蔵 (credit:Wikimedia)
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アッシュールナツィルパル2世の宮殿から出土した浮彫、大英博物館蔵 (credit:Wikimedia)
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アッシュールナツィルパル2世の宮殿から出土した浮彫、大英博物館蔵 (credit:Wikimedia)
かつては金箔に覆われていた象牙の銘板(07 of07)
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ivory plaque, with original gold leaf and paint (British Museum) (credit:Wikimedia)