知の大航海時代!ビル・ゲイツからの挑戦とは!?

この話だけを聞けば、「一体、ビル・ゲイツに何があったのか?!」とびっくりされるかもしれない。しかし、マイクロソフト社の経営から身を引いた後、慈善家に転身したビル・ゲイツの軌跡を振り返ると、あなたも納得できるかもしれない。
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冗談のような話だが、ビル・ゲイツはこう言っている。

「コンドームの歴史は400年と長いが、過去50年間、ほとんどイノベーションが起こっていない。劇的に気持ちがよくて、誰もが使いたくなるコンドームはないのか?!開発費用として、一つのアイデアにつき、10万ドル出そう!」

この話だけを聞けば、「一体、ビル・ゲイツに何があったのか?!」とびっくりされるかもしれない。しかし、マイクロソフト社の経営から身を引いた後、慈善家に転身したビル・ゲイツの軌跡を振り返ると、納得がいくかもしれない。

改めて説明するまでもないが、ビル・ゲイツは、マイクロソフト社の創業者であり、世界有数の富豪である。その資産総額は、670億ドル(2013年現在)ともいわれ、途方もない資産家である。

「莫大な資産をどうするつもりなのか?」という、周囲からの期待とプレッシャーはすごかったのだろう。いつからか、昔の大富豪たちの生きざまを研究するようになったビル・ゲイツは、彼らの生きざまに倣うことにした。すなわち、石油王ロックフェラーや鉄鋼王カーネギーのように、保有資産のほとんどを、慈善活動に捧げることに決めた。1994年、ビル・ゲイツ39歳の時であった。

ちなみに、1994年といえば、ビル・ゲイツが現在の妻メリンダと結婚した年であり、家族を持ったことで心境の変化があったのかもしれない。いずれにせよ、ゲイツ夫妻は670億ドルという資産の95%を、慈善活動にあてると決めたのだった。

・・・と、ここまでの話は、ご存知の方が多いかもしれない。マイクロソフトという会社を興し、成功し、慈善家になったビル・ゲイツ。

だが、その後彼が何を考え、世界にどのようなインパクトを与えているのか、日本ではほとんど知られていないように思う。冒頭述べたように、「最高に気持ちのいいコンドーム開発に、10万ドル出そう!」といったニュースが、時折飛び込んでくる程度である。

一言でいうと、ビル・ゲイツは、「パブリックヘルス(公衆衛生)」と呼ばれる分野で大活躍している。いくつもの革新的な取組をしているのだが、私が特に面白いと思うのは、「グランド・チャレンジ」と呼ばれる試みである。

2003年、ビル・ゲイツは、

「大胆なアイデア。求めるのはそれだけである。」

と高らかに宣言し、「もし解くことができれば、世界の健康問題を劇的に解決する可能性がある」、問題(グランド・チャレンジ)を発表した。いうまでもなく、「気持ちのいいコンドームの開発」はそのうちの一つであり、エイズをはじめとする性感染症の問題解決を目指している。

このグランド・チャレンジにより、知の大航海時代がはじまった、と言っても過言ではないだろう。これまでになんと世界180カ国から、4万近い提案がなされた。採用された800の提案は、ぞれぞれ10万ドルの研究資金が与えられ、特に有望だと評価された47の提案については、100万ドルの追加資金が提供された。

グランド・チャレンジの特徴は、たった2ページの提案書を書きさえすれば、人種や経歴などに関係なく、誰もが応募できる点である。ぜひ、「我こそは!」という方がいれば、応募してみてはいかがだろうか。提案が認められれば、知の大航海時代の覇者として、歴史に名を刻むことになるかもしれない。

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