虐待事件を担当した警察官、被害者の男の子の里親になる「誰もが見習うべきお手本だ」

アメリカ・オクラホマ州の警察官が、担当した虐待事件の被害者の男の子と養子縁組し、家族として迎えた。
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ポウトウ警察署のFacebookページより

市民の安全を担う警察官が、仕事ではなく私生活でも市民を守る決断をした。アメリカ・オクラホマ州の警察官が、担当した虐待事件の被害者の男の子と養子縁組し、家族として迎えた。CBSニュースなどが報じた。

この警察官は、ジョディ・トンプソンさん。2015年、オクラホマ州のポウトウ警察署の駐車場に、妻を下ろすために立ち寄った際、子供の虐待事件の報告を耳にした。トンプソンさんはこの日は非番だったが、出動要請に応え、事件を担当することを申し出た。

トンプソンさんは16年前に警察署で勤務を始める以前、地方検察で調査官を務めており、数多くの虐待事件を取り扱った経験があった。

トンプソンさんは「過去に子供の虐待事件を調査経験があったので、私が対応した方が良いと考えました」と、CBSニュースの取材に答えた。

イギリスのタブロイド紙ミラーによると、現場に駆けつけたトンプソンさんは、驚愕の光景を目の当たりにした。男の子が冷たい水が入ったゴミ箱の中に沈められており、手首をベルトで縛られ頭には大きなコブができていた。

この男の子は当時8歳のジョン君で、衰弱してやせ細り、体重はわずか61ポンド(約27キロ)しかなかった。

トンプソンさんは「ジョンの体にはあざや擦り傷はなかったが、私が見た中で最悪の出来事だった」と、CBSニュースの取材に対して振り返った。

彼はジョン君を児童養護センターへと連れて行き、緊急治療室に入った。一晩中ジョン君の隣に座って寄り添い、今後も守っていきたいと考えた。

そして翌日、オクラホマ州の社会福祉局にジョン君の里親申請をした。

■刑務所で生まれた、ジョン君の妹も養女に迎える

トンプソンさんは「15歳と8歳の息子がいました。ジョンを家に連れて帰った時、事前に妻や息子に説明をしませんでしたが、みんな私が正しいことをしていると信用し、理解してくれました」と語った。

驚くべきことに、ジョン君を家族に迎えたわずか2日後、妻が男の子を妊娠していることが分かった。

この話には続きがある。約7カ月後の2015年11月、トンプソンさんは社会福祉局から、虐待をしたジョン君の実の母親が刑務所内で女児を出産したことを伝えられた。社会福祉局から養子縁組を持ちかけられ、ジョン君の妹ペイズリーちゃんも家族の一員として迎えた。

トンプソンさんの行為に対して、ポウトウ警察署が表彰状を送った。ステファン署長は、「トンプソン氏と家族の行為は、誰にでもできることではありません。彼がジョン君とペイズリーちゃんに与えた愛と思いやりは、誰もが見習うべきお手本だ」と讃えた。

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