ソウルからアンニョンハセヨ!――ハフポスト・コリアを紹介します

ソウルからアンニョンハセヨ。私はハフポスト・コリアのローンチを発表するために、ソウルに来ています。ハフポストから発信した報道を皆さんに伝えながら、ブログのプラットフォームで若い人から大人までの意見を集めて対話の扉を開くという、ジャーナリズムにさまざまなアプローチの組み合わせを行う試みは、数えて11カ国目になります。
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ソウル -- ソウルからアンニョンハセヨ。私はハフポスト・コリアのローンチを発表するために、ソウルに来ています。ハフポストから発信した報道を皆さんに伝えながら、ブログのプラットフォームで若い人から大人までの意見を集めて対話の扉を開くという、ジャーナリズムにさまざまなアプローチの組み合わせを行う試みは、数えて11カ国目になります。また、大メディア会社のハンギョレ・メディアグループと提携し、こういった活動ができることを大変うれしく思っています。韓国に日刊紙「ハンギョレ新聞」が登場したのは、国内がまだ混沌としていた時代でした。1987年6月、民主化を要求する抗議デモが最高潮に達し、その後、民主主義へと移っていきました。真実を語ったということで解雇されたジャーナリストたちが集まり、基金を立ち上げ (早くから民間の資金が集まり、最終的に2,000万米ドルに達しました!)、1988年にハンギョレ新聞を創刊しました。創刊以来、ハンギョレは民主主義をかたくなに守り続け、一般市民の信頼を得てきました。

26年もの間、ハンギョレは、政治家やビジネス・リーダーに説明責任を求めるという創業以来の使命に誠実であり続け、倫理規定を定め、60,000人の市民株主を集めることで基盤を築いてきました。また、調査報道を主軸に置き、違法な軍事的監視から政治権力が絡んだ企業の談合まで、複数の汚職事件や不正行為を暴いてきました。ハンギョレ・メディアグループでは、日刊紙やオンライン版以外に、週刊誌『ハンギョレ21』や映画誌『Cine21』、経済誌『エコノミック・インサイト』、その他、研究雑誌、政策研究誌なども発行しています。

また、ハンギョレ・メディアグループが、何世紀も前に盛んであった仏教の伝統など、先人の知恵と、現代の韓国を統合していくことが重要だと理解している点で、先進的であると思っています。ハンギョレは、フェセンターという研究センターを設立し、そこで瞑想と国仙堂 (クッソンド) を融合させました。国仙堂は、呼吸、瞑想、武術を合わせた訓練法で、ストレスや不安を減らし、生産性を上げることができると言われてきました。私は、水、木曜日に、瞑想や国仙堂の訓練、お寺の食事の美しい儀式に参加し、麻谷寺 (マゴクサ) の荘厳な境内を歩き、薬効がある上においしい韓国茶(菊茶とすみれ茶をニューヨークに持ち帰りましたが、もうティーバッグでは物足りなくなりました)の手ほどきを受け、リラックスしてきました。

そのとき、私は韓国人女性のグループと一緒にいて、元気をもらいました。その中の一人、ジョン・スアンさんは、長きにわたって裁判官を務め、最高裁判事にもなりましたが、最近、山のハイキングやプロボノ活動にもっと時間を使いたいと考えて引退したそうです。また、ユン・ジョンスクさんは「フェミニズム第3の波」(ハフポストでは「サード・メトリック=第3の価値観」と呼んでいます) のリーダーで、女性が参加する文化や職場を変え、女性の人生の価値を高める活動をしているそうです。あと、その中には、ハフポスト・コリアのCEOであり、ハンギョレの執行編集者、創業メンバーでもあるクォン・テソン氏、ハフポスト・コリアエディター・アット・ラージ(編集主幹)のソン・ミナ氏もいました。中でも、瞑想を主導していたのは、ハフポスト・コリアの共同編集長である権福基 (クォン・ボッキ) 氏で、20年間、国仙堂の瞑想を続けてきた専門家です。

本日、ハフポスト・コリアとハンギョレは、数ヶ月間の準備期間を経て、一緒に瞑想しながら提携することができたことを喜ばしく思います (この方法は、トラブルなく合意に至ることができ、おすすめです)。私は、CEOに就任する鄭 容武 (チョン・ヨンム) 氏、CEOを退任するヤン・サンウ氏に大変感謝しております。また、テソン氏とボッキ氏は、左派や右派といった時代遅れのイデオロギーを超え、様々な問題の核心を見抜くプラットフォームを当初から共有してくれました。そして、自由になるツールをすべて駆使し、韓国で何が一番大事かについて話してくれました。そしてもっと重要なことは、他の韓国の人にも言葉や絵、ビデオを使って、「自分のこと」を話すよう促してくれたことです。この2人にも大変感謝しております。

ベルギーの哲学者パスカル・チャボットは、燃え尽き症候群(バーンアウト)のことを「文明病」と呼びました

韓国は、世界でも有数の燃え尽き症候群が多いところです。OECDによると、韓国人の年間労働時間は平均2,200時間で、世界中のどこよりも長時間働きます。ハフポスト・コリアの共同編集長であるキム・ドフン氏は、「悲しいことですが、韓国人は仕事の後にリラックスしたり、生活を楽しんだりする方法をあまり知らないのです」と言いました。「政府やメディア、大企業が残業を強要しています。週末に、給料もろくにもらわず仕事をするのも当たり前です。以前、ファッション雑誌の会社に勤務していた時に、その会社の女性CEOが出産後たったの7日で仕事場に復帰したことを誇らしげに何度も話をしていました」

韓国は、世界でもインターネットが普及した国です。約98%の家庭がインターネットに接続されていて、世界で最も高速のインターネット環境が整っている国です。また、政府によると、200万人がスマートフォン依存症に陥っています。繋がっていたいという衝動にかられているのです。これは単にスマートフォンからの呼び出し音をいつも気にするという問題ではなく、アイデンティティに関わる問題です。AP通信のレポーター、リ・ユーキョン氏は、「そこにあるのは、経済の停滞からアジアの裕福な先進国の仲間入りをするために、国が転換を主導してきた中で生まれた、典型的な韓国人のプライドである」と言います

自殺も深刻な問題です。1992年から2011年にかけて、自殺者数が3倍以上になりました。OECDによると、韓国では1日に39人が自殺しているそうです。この国家的悲劇は、韓国人にとって、ただの漠然とした数字ではありません。この国の言葉に「グヮロサ(過労死)」という言葉があり、特に過労のよる自殺のことを指します。また、ハフポスト・コリアのチーム内で話をしていたところ、ほとんどの人に、ストレスや失敗の重圧に押しつぶされて自ら命を絶った友達がいることが分かりました。これは、複雑で根深い問題です。「この精神的な問題をオープンに語られることがまだタブー視されている」という現実が問題をさらに複雑にしていると、心理学者であり教授のキム・ヒョンス先生は言います。ハフポスト・コリアは、ストレスやプレッシャー、失敗を恐れる気持ちが蔓延する韓国の社会に対話を促し、意見交換をするだけでなく答えも見つけることができる公共の場を作ることを支援していきたいと思っています。

ハフポスト・コリアは、韓国が直面している課題のみに注目するのではなく、韓国人がストレスを減らし人生をもっと楽しもうとしている問題についても取り上げていきます。その一方で、他の国が学ぶべきことも、韓国にはたくさんあります。韓国の多くのリーダーたちが、ストレス解消や生活の充実のために、昔ながらの修練法を行っています。週の初め、外務大臣の隣に座る機会がありました。彼は20分の深呼吸を毎日2セット行うとおっしゃっていました。この方法は国際会議に導入しても良いのではないかと思いました。また、中央メディアネットワークの会長兼CEOのホン・ソクヒョン先生にも会い、仏教を実践していることを聞きました。先生は、伝統を生活に取り入れていることについて、ありとあらゆることを語ってくれました。私たちがハフポスト・コリアでやりたいのは、こうした会話をオープンな場で行い、人を元気にしたり支援したりすることなのです。私はフォーラムで話したテーマは、「成長するために創造性を養い、より幸福に」でした。韓国では、減速する経済成長と過去の急成長による予想外のつけに直面している現在こそ、創造性と革新力を活用して前進する道を見つけねばならないという認識が高まっています。一方、多くの犠牲者を出してきた仕事場のストレスによる損害も減らそうという機運が高まっています。すでに、韓国ではこのような問題に着手しつつあります。例えば、デジタル依存症を対処するため、政府はオンラインゲーム依存症の人に対してカウンセリングを行っています。また、このような問題に直面し、子どもたちに健康なデジタル習慣を身につけるよう教える学校もますます増えています。

韓国市民の教育への投資は他には例を見ないでしょう。韓国は、第二次大戦後高校を卒業する人がわずか5%だった時代から、現在は75%の人が大学に通っています。これは「韓国教育の奇跡」といわれてきました。大学進学適性試験の日には、パトカーや緊急車両が行き交います。生徒たちの求めに応じて試験会場まで乗せていきます。

もちろん、ハフポスト・コリアは主要輸出産業のK-ポップ (江南スタイル!) や活気ある映画産業から、キムチなどの韓国食品・料理まで、韓国の独自の文化の長所を語り伝える場です。私は火曜日、Samsungの創立者の孫娘で、現在はCJグループのトップであるミッキー・リー氏に会いました。彼女はいろんな意味で、韓国芸能界の母と言われています。[リー一族]は芸能界で何の実績もないところから始めて、大成功に至ったのは素晴らしいことだとデビッド・ゲフィン氏は言っています

ここで、私たちハフポスト・コリアのチームについて、もう少し述べたいと思います。韓国のフェミニズム 第3の波(Third Metric) といえば、ハフポスト・コリア全体の編集を担当するソン・ミナ氏を差し置いて語ることはできません。高校最後の年、彼女はお父さんから休みをとってゆっくりしたらいいと言われ、1ヵ月間、田舎へ行き、山で運動をしたり、勉強したりしました。そして、すっかりリフレッシュして戻ってきました。現在彼女は、韓国で著名な作家として活躍し、放送ジャーナリストとしても、「韓国のBBC」といわれるKBSでゴールデンタイムのニュース番組の司会を10年間務めています。KBSで、初めて1年間の休暇を取ったのが彼女でした。その休暇でバルセロナを見て回りました。現在、「安息休暇」と呼ばれる長期休暇を取る人も増えました。ミナ氏は、ハフポスト・ジャパンとの協力体制を主導し、両国の若い世代の人たちを集め、未来について語り合うイベントを計画しています。ハフポスト・コリアにおいても、若年層の失業や動物に対する道徳的な扱いなどに注目し、率先して取り組んでいます。

ハフィントンポスト・コリアのCEOであるクウォン・テソンは、20年間でパリ記者や海外ニュースエディター、教育エディター、マネージングエディター、エグゼクティブエディターなど複数の幅広い役職を務め、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアやヘレン・ケラーの伝記も執筆しました。

私たちの共同編集長は、クウォン・ボッケとキム・ドフンです。クウォン・ボッケは、1993年に政治・経済・文化の担当記者として入社し、デジタルメディアのマネージングエディターも務めました。彼は瞑想に関する記事も書き、フェミニストの父親の子育てに関する本の著書でもあります。キム・ドフンは、『Cine21』でリポーターやエディータを務め、フリーランス記者としては『ヴォーグ』や『エスクァイア』『ハーパーズ・バザー』に寄稿し、メンズスタイルやカルチャーを扱う雑誌『GEEK』を創刊しました。

オープン日のブログには、以下の記事が掲載されます。「成功とは何か、自分の定義を見つける方法」キム・ムンス(韓国最大州の知事)、「韓国の労働組合問題」シム・サンジョン(改革主義的政治家)、「韓国映画を成功に導いた労働者に対して、韓国映画産業がもっと感謝の意を示すべき理由」キム・ウィソン(俳優)、「超競争教育システム国の生徒にもっと我慢強く接する必要性」ジャン・クワンピル(一流オルターナティブ・スクールの校長)、「のんびりした農場生活を送るためにメディアを早期退職した方法」キョン・キム(ハーパーズ・バザー・コリア元編集ディレクター)。オープン日のイラストは、韓国で最も有名な漫画家であるカンフルが提供したもので、野良猫や犬の優しく扱う願いがこめらています。

アメリカ版と国際版では、キャロリン・グレゴアールの「韓国から世界が学ぶべき事 - 良い生活を送るために」とジョー・サタランの「オリンピックはどのようにしてキムチ(と韓国の文化)を変えたのか?」がオープン日を飾ります。

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