BMW、「ディーゼルよりクリーン」なSUVを日本導入 どこが新しい?

この9月には、日本で奇しくも(?)同じ日に、ドイツの2つのメーカーから新型プラグインハイブリッド車が発表された。
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この9月には、日本で奇しくも(?)同じ日に、ドイツの2つのメーカーから新型プラグインハイブリッド車が発表された。ディーゼル・エンジンの排ガス不正問題が世間を騒がしている今の状況を予見していたのではないかとさえ思われる、これら2台の"クリーンな"モデルについて、改めてご紹介してみよう。

BMWジャパンが受注を開始した「X5 xDrive40e」は、高級SUV「X5」をベースに、2.0リッター直列4気筒ターボ・エンジンと、8速オートマチック・トランスミッションに一体化された電気モーターを搭載する。

エンジンは基本的に「528i」などと共通で、最高出力245ps/5,000~6,500rpmと最大トルク35.7kgm/1,250~4,800rpmを発生。これに加え、電気モーターが最高出力113psと、停止状態から瞬時に最大トルク25.5kgmを発揮し、エンジンをアシストするだけでなく、120km/hの速度域まで最長31kmの距離を電気の力のみで走行が可能だ。あるいはエンジンとモーター合計で最高出力313psと最大トルク45.9kgを解き放てば、車両重量2,370kg(ガソリンV6エンジンを積む「X5 xDrive35i」より22kgほど重い)の車体を、0-100km/hまで6.8秒で加速させる。荷室の床下に搭載された容量9.0kWhのリチウムイオン・バッテリーは、各地に設置されている充電ステーションまたは家庭用の充電器「BMW i ウォールボックス・ピュア」にプラグをつなげば、3.5~4時間で満充電が完了する。

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電気モーターは駆動系の中で8速オートマチック・トランスミッションの前方に(トルクコンバーターの代わりに)組み込まれているので、電気モーターのみで走行しているときにも路面や走行状況に応じて前後輪に駆動力が配分される。トランスミッションもギアシフトを行うそうだ。納車が2015年12月からとなるため、JC08モード燃費は未だ発表されていないが、欧州のテスト・サイクルでは3.3L/100km(約30.3km/L)を記録したという。これにはX5本来の空力特性(Cd値はクラス最良の0.31)も貢献しているとのこと。

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このプラグインハイブリッド・システムは、シフトレバーの横にある「eDrive」ボタンを押すことによって、3つの特性から切り替えられる。デフォルトの「AUTO eDrive」モードでは電気モーターとエンジンが最適なバランスで高効率に連携し、走り始めから70km/hまでモーターのみで走行、それ以上の速度に上がったり、追い越し加速などでモーターの性能を超えるトルクが必要になると、エンジンが始動する。「MAX eDrive」モードを選ぶと、120km/hまで電気モーターのみで走る設定となる。ただしドライバーによるキックダウン操作が行われたり、もう1つのモード切り替えボタンで「スポーツ」モードが選ばれたときはエンジンが始動する。バッテリー残量が低下した場合は「SAVE Battery」モードに切り替えればエンジンのみの駆動力で走行するようになると同時に、エンジン・ブレーキ回生システムによる発電量が最大50%にまで向上する。

バッテリーを搭載したことでラゲッジルームの床は2~3cmほど上がっており、荷室容量は500~1,720リッターと、エンジンのみを搭載するX5の650~1,870リッターに比べれば減少している。ちなみにバッテリー・セルの形状は、プラグインハイブリッド・スポーツカー「i8」のものとまったく同じだが、エネルギー密度はより高くなっているという。

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X5 xDrive40eには、ダイナミック・ダンピング・コントロール(電子制御式ダンパー)とセルフ・レベリング・コントロール(リア)、そしてアダプティブLEDヘッドライトが標準装備され、価格はスタンダード仕様が927万円。さらに「レーンチェンジ・ウォーニング」および「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」が標準で付き、ホイールが19インチになる「X5 xDrive40 xLine」と、加えて内外装や足回りに「M」のスポーティな装備が付く「X5 xDrive40 M Sport」が、それぞれ993万円。装備の差を考えると、3.0リッター直列6気筒ディーゼル・エンジンを搭載する「X5 xDrive35d」とそれほど変わらないレベルに抑えたと、BMWジャパンは言う。納車は2015年12月に開始となる予定だ。

これでX5は日本で販売されているSUVとして、初めてガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドと3種類のパワーユニットから選べるモデルとなった。BMWでは今後さらに主力モデルの「3シリーズ」や「2シリーズ アクティブツアラー」、新型「7シリーズ」にもプラグインハイブリッドを用意するという。

しかし、どれだけ環境に優しくても(燃料費が安く済むとしても)、1,000万円に届こうかという価格は購入できる人を選ぶ。もう少し手が届きやすい価格のドイツ車でプラグインハイブリッドが欲しい、という方にお薦めできそうなのが、次回の記事でご紹介するフォルクスワーゲンの「ゴルフ GTE」だ。

BMW 公式サイト

(2015年9月27日「Autoblog日本版」より転載)