イプシロンの軍事転用を警戒 韓国報道

8月27日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発射を予定していた、国産新型ロケット「イプシロン」。打ち上げカウントダウン中に姿勢異常を検知し、発射は延期された。早ければ30日にも再度、打ち上げが試みられる。このイプシロンの打ち上げをめぐって、日本と韓国のメディアで「摩擦」が起きている。
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時事通信社

8月27日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発射を予定していた、国産新型ロケット「イプシロン」。打ち上げカウントダウン中に姿勢異常を検知し、発射は9月以降に延期された。このイプシロンの打ち上げをめぐって、日本と韓国のメディアで「摩擦」が起きている。

韓国の朝鮮日報は28日、イプシロンが軍事転用可能であることを指摘。

イプシロンは日本の技術力を総結集して作られた最新型ロケット。大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同じ固体燃料ロケットということで兵器転用も可能だ。

(朝鮮日報「「ロケット打ち上げの革命」イプシロン、ピクリともせず」より 2013/08/28)

さらに22日の記事では、集団的自衛権を行使可能にするため、憲法改正を目指す安倍首相を牽制。8月に進水式が行われた新型護衛艦「いずも」や、オスプレイの導入にも触れ、日本の軍備に警戒を強めている。

集団的自衛権とは、同盟国が攻撃を受けた際、自国が攻撃を受けたと見なし、相手方を攻撃する権利を指す。日本政府はこれまで集団的自衛権の行使は違憲だと解釈してきたが、安倍首相はそれを変えようとしている。憲法解釈が変更されれば、例えば韓半島(朝鮮半島)で戦争が起きた際、日本と同盟関係にある米国の在韓米軍が攻撃されたと見なし、日本が戦争に直接介入することも可能になる。

(朝鮮日報「再武装を加速化させる安倍日本」より 2013/08/22)

これに対し日本の産経新聞は、「新型ロケットの開発目的まで歪曲(わいきょく)して伝える反日姿勢は突出」と報道姿勢を非難している。

韓国メディアはここのところ日本の「軍国主義化」を強調、安倍晋三政権たたきを繰り返しているが、新型ロケットの開発目的まで歪曲(わいきょく)して伝える反日姿勢は突出しており、韓国内でも疑問の声が上がっている。

(MSN産経ニュース「イプシロンはICBM? 韓国紙 突出した反日報道 国内からも疑問の声」より 2013/08/28)

※イプシロンをきっかけに加熱している韓国の報道を、みなさんはどう思いますか?

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宇宙航空研究開発機構の新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機の打ち上げについて、記者会見で説明する開発責任者の森田泰弘教授=21日午後、東京都千代田区 \n\n撮影日: 2013/05/21 (credit:時事通信社)
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8月22日にイプシロンロケット1号機で打ち上げられる予定の惑星分光観測衛星「スプリントA」=8日午後、相模原市の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 \n\n撮影日: 2013/06/08 (credit:時事通信社)
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報道陣に公開された、新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機=20日午後、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 \n\n撮影日: 2013/08/20 (credit:時事通信社)
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公開された新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機の機体=20日午後、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 (credit:時事通信社)
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報道陣に公開された、新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機=20日、鹿児島県肝付町 (credit:時事通信社)
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記者会見で、新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機の模型とともに撮影に応じる森田泰弘・宇宙航空研究開発機構教授=20日午後、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 (credit:時事通信社)
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新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機=20日午前、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 (credit:時事通信社)
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報道陣に公開された、新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機=20日、鹿児島県肝付町 \n\n撮影日: 2013/08/20 (credit:時事通信社)
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新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機の取材で集まった報道陣=20日午前、鹿児島県肝付町 \n\n撮影日: 2013/08/20\n (credit:時事通信社)
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新型ロケット「イプシロン」1号機の打ち上げが中止され、報道陣への対応に追われる宇宙航空研究開発機構の担当者(左手前)=27日午後、鹿児島県肝付町 \n\n撮影日: 2013/08/27 (credit:時事通信社)
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イプシロン1号機の打ち上げが中止となり、記者会見する開発責任者の森田泰弘教授(右端)=27日午後、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 \n\n撮影日: 2013/08/27 (credit:時事通信社)
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新型固体燃料ロケット・イプシロン1号機の打ち上げ中止を受けて記者会見する、山本一太宇宙政策担当相(右)。左は、宇宙航空研究開発機構の奥村直樹理事長=27日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所 \n\n撮影日: 2013/08/27 (credit:時事通信社)
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