「残業代ゼロ法案」を解説した『ブラック法案によろしく』が話題【画像】

「ホワイトカラーエグゼンプション」(残業代ゼロ法案)について、労働問題に取り組む弁護士グループが問題点を漫画で解説した『ブラック法案によろしく』をネット上に公開した。
Open Image Modal
ブラックジャックによろしく 佐藤秀峰 漫画 on web / ブラック企業被害対策弁護団

安倍政権が2015年の通常国会で労働基準法を改正して導入を目指す、労働時間ではなく成果で賃金を決める労働制度「ホワイトカラー・エグゼンプション」(残業代ゼロ法案)について、労働問題に取り組む弁護士グループが2月11日、問題点を漫画で解説した資料をネット上に公開した。

佐藤秀峰氏の漫画『ブラックジャックによろしく』を二次利用した『ブラック法案によろしく』。佐藤氏の許諾を得た上で、同作の画像を使って法案の問題点を指摘している。

公開した「ブラック企業被害対策弁護団」は、漫画で「ブラック企業は元々残業代を支払いません。残業代が無くなれば、今の違法状態が適法になるだけ」などと説明した。

また、改正法案の対象者が年収1075万以上の人に限定されるとの説明を「絶対に後で広げられます」と批判しているほか、省令改正で対象者が拡大される可能性も指摘し「国会を通さないで対象を拡大」と表現している。

ブラック法案によろしく
残業代が無くなれば,無駄な残業が減る?(01 of04)
Open Image Modal
ブラック企業被害対策弁護団の公式サイトより\nhttp://black-taisaku-bengodan.jp/burahou/\n\n「残業代が無くなれば,無駄な残業が無くなるだろう」。残業代ゼロ法案の支持者はまことしやかにこう言います。\n しかし,働いている皆さんが一番分かっていると思いますが,ブラック企業は元々残業代を支払いません。たくさんの方々がサービス残業をさせられています。その結果,長時間労働がこの国に蔓延しているのです。\n 残業代が無くなれば,今の違法状態が適法になるだけです。\n ブラック企業は大喜びでしょう。正に,「ブラック企業に栄養を与える法案」です。
対象は一部の高給取りだけ?(02 of04)
Open Image Modal
ブラック企業被害対策弁護団の公式サイトより\nhttp://black-taisaku-bengodan.jp/burahou/\n\n「残業代ゼロ法案」の対象者は,今のところ年収1075万円以上の方になる想定のようです。しかし,これは絶対に後で広げられます。\n 現に,派遣法について,最初は対象者を限定していたのに,徐々に対象を広げ,ついには原則と例外が逆転してしまった,という前科がこの国にはあります。残業代ゼロ法案についても同じ手法が取られる可能性は濃厚です。\n 「小さく産んで,大きく育てる」。国民の抵抗を受けやすい法律を作る際に使われる常套手段です。これは消費税もそうですね。最初は3%だったのに,今や10%にされようとしています。
国会通さず対象拡大?(03 of04)
Open Image Modal
ブラック企業被害対策弁護団の公式サイトより\nhttp://black-taisaku-bengodan.jp/burahou/\n\n残業代ゼロ法案では,適用対象者の拡大を,主任大臣の定める省令によって行うことが想定されているようです。省令は法律ではありませんので,国会を通す必要がありません。したがって,対象を拡大するのは,法律を改正するよりも容易です。\n 省令によってじわじわと対象が拡大されていくことは確実でしょう。
本音はどこ?(04 of04)
Open Image Modal
ブラック企業被害対策弁護団の公式サイトより\nhttp://black-taisaku-bengodan.jp/burahou/\n\nかつて日本経団連は,年収400万円以上のホワイトカラー労働者の残業代を無くすよう提言しました。\n http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/042/teigen.pdf\n\n ↓上記提言の概要が1枚にまとめられているのがこちら。\n https://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/042/gaiyo.pdf\n\n ↓さらに,上記概要の気になる部分を抜粋したのがこちら。経団連が発表しているものではありますが,政府の本音を示唆する重要な資料です。

【関連記事】

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています