Google Glassの使いやすさを大きく向上させるかもしれない特許について

Google Glassのようなヘッドマウント型ウェアラブルデバイスを真の意味でユーザー・フレンドリーにするにはどうしたらよいのでしょうか?Googleが最近取得した米国特許がひとつのヒントになるかもしれません。

Google Glassのようなヘッドマウント型ウェアラブルデバイスを真の意味でユーザー・フレンドリーにするにはどうしたらよいのでしょうか?Googleが最近取得した米国特許8750541”Parametric array for a head-mountable device”がひとつのヒントになるかもしれません。

この特許のポイントはメガネ型デバイスのツル部分に超音波の発生装置を設け、耳の穴に向けて投射することにあります。超音波を可聴域の音声で振幅変調すれば音を聞くことができます。そして、超音波は直進性が強いので他人に音が聞こえることはありません。いわば、絶対に音漏れしないオープンエア型ヘッドホンのようなものです。

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US8750541

たとえば、ウォーキングナビのユースケースを考えてみると現行Google Glassのちっこいディスプレイでやるよりも、声で案内(たとえば「xx銀行の手前を右に曲がってください」等々)してもらった方が全然わかりやすい気がします。従来型ヘッドホンを使っても、スマホを耳に当てても同じようなことはできますが、ユーザー体験としては全然違うと思います。特に既にメガネをかけている人向けにツルの部分に取り付けられるデバイスにすれば、付ける人および周囲の人の抵抗感も小さくてすむでしょう。

とは言え、超音波をずっと耳に投射し続けていて健康問題はないのか、どっちにしろ高い音が聞こえなくなっている年長者は別にしても若者にとって超音波は不快ではないか、電池は大丈夫なのか(あらゆるウェアラブル機器に共通の課題です)、犬猫などの動物を驚かせることにならないのか等々、実際の製品化を行なうには課題山積みではあるでしょう。

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(2014年11月29日「栗原潔のIT弁理士日記」より転載)