「年金の損失も隠す。隠す、隠す、隠すの安倍内閣ではないか」 野党が追及

公的年金積立金の運用実績が、巨額の赤字を計上する見通しだが…

株安が続き、政府が株式市場などで運用している公的年金積立金の運用実績も、巨額の赤字を計上する見通しだ。しかし実績の公開日が、例年より約半月遅い7月29日となったことに、野党は「参議院選挙前の損失隠しだ」と政府を追及している。

■例年はいつ公開しているの?

公的年金積立金は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用している。前身の年金資金運用基金が運用していた2001~2006年度と、GPIFが発足1年目の2006年度を除くと、通常は6月末から7月上旬に公表されている。

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この夏に改選される参院議員の任期満了日は7月25日。そのため、GPIFが7月29日と決めた公開日は参院選後になるとみられる。

民進党の玉木雄一郎議員は4月7日の衆院特別委員会で「参議院選挙の前になぜ出さないんですか? 多分5兆円ぐらいの運用のマイナスが生じていることを、意図的に発表を先送って隠そうとしているんじゃないですか。巨額の損失隠しではないでしょうか」などと述べた。

これに対して、塩崎恭久厚生労働相は2001年度分と2006年度分の公開日が7月31日だったことをあげ、「政治的な判断で遅らせるということはない」と反論。安倍晋三首相も、「私たちが意図的に隠しているかのごとくおっしゃっていますが、全くそんなことはありません」などと答弁。安倍政権になってからの運用実績が37.8兆円になっていることをあげ、「民主党政権時代の3年間よりも、はるかに、はるかに、はるかに運用益が上がっていますから、そもそも隠す必要はないんです」と強調した。

玉木氏は、「TPP(環太平洋経済連携協定)の情報も隠す、年金の損失も隠す。隠す、隠す、隠すの安倍内閣ではないですか」などと批判した。

■運用で5兆円の赤字?

GPIFは厚生年金、国民年金の保険料積立金130兆円超を運用。かつての資産構成は、比較的安全といわれている国債が60%、国内外の株式が24%を占めていたが、株式市場が上昇傾向にあった2014年10月に国債を35%に、国内外の株式を50%に変更した

結果、株価動向に左右され、GPIFの運用損益は2015年7~9月期に四半期として過去最大の7兆8899億円の赤字を計上した。2016年1月以降も株安が続いており、玉木氏は通期で「5兆円もの損失が生じているのではないか」などと指摘。「GPIFのお金は安倍首相のお金ではなく、国民のお金。適時適切な情報開示をすることが大切」などと述べた。

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