稲田朋美防衛相の、過去の問題言動をまとめてみた 辞任の声強まる

東京都議選の応援演説での発言をめぐり、与野党から辞任を求める声が出ている稲田朋美防衛相。過去にも問題になった言動の数々をまとめてみた。
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Japan's Defense Minister Tomomi Inada speaks to the media after North Korea's missile launch at the Defense Ministry in Tokyo, Japan, February 12, 2017. REUTERS/Toru Hanai TPX IMAGES OF THE DAY
Toru Hanai / Reuters

東京都議選の応援演説で法律違反の疑いがある発言をした稲田朋美防衛相に対し、与野党から辞任を求める声が強まっている。

稲田防衛相は辞任を否定し、安倍晋三首相も続投させる方針だが、稲田氏をめぐっては過去に何度も言動が問題になってきた。大臣としての資質が問われる今、それらを振り返る。

■「防衛大臣、自衛隊としてお願いしたい」

東京・練馬駐屯地近くで6月27日に開かれた自民党の都議選立候補者の集会で、「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」と応援演説した。

自衛隊法で制限されている、選挙権の行使以外の政治行為を自衛隊員に呼びかけたと受け取られるほか、公務員が地位を利用して特定の候補者を応援する行為を禁ずる公職選挙法にも違反する疑いが指摘された。27日夜、発言を撤回して謝罪した。

■「グッドルッキング」発言

アジア・太平洋各国の防衛担当閣僚らが集まるシンガポールで6月3日に開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」で、オーストラリアとフランスの国防大臣と一緒に壇上に上がった際、「私たち3人には共通点がある。同世代。そして全員がグッドルッキング(美しい)」と発言した。

公の場で容姿の良し悪しに言及したことで物議を醸した。

■森友学園問題

国有地の売却をめぐって問題になった森友学園(大阪市)との関係を3月13日、国会で問われ、当時学園理事長だった籠池泰典氏夫妻から「法律相談を受けたことはない」「裁判を行なったこともない」などと答弁した。

14日になって、民事訴訟で学園の代理人弁護士として出廷していたことが判明し、それまでの発言を撤回、謝罪した。

■南スーダンPKO日報問題

南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に参加した陸上自衛隊が、派遣先の様子について「戦闘」という言葉を使って日報に記載していた問題で、2月21日の国会で「(『戦闘』という)憲法9条上の問題になる言葉を使うべきでないから、『武力衝突』という言葉を使っている」と答弁した。

自衛隊の派遣を憲法違反にしないために言い換えていると問題視された。

■靖国参拝

2016年12月29日、靖国神社を参拝。安倍晋三首相がアメリカのオバマ大統領(当時)と真珠湾を訪ね、両国の「和解」と不戦の誓いを示した翌日のことで、野党側から外交への影響を懸念する声が上がった。

■白紙領収書問題

他の国会議員の政治資金パーティーに出席した際、白紙の領収書を受け取り、金額をあとから自らの事務所で記入していたことが2016年10月6日、明らかになった。政治資金規制法は金額や日付、目的が記載された領収書を受け取るよう定めている。

■「核保有」検討発言

2011年の雑誌「正論」の対談で、「長期的には日本独自の核保有を単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべき」と発言。2016年8月3日の防衛相就任会見で、「現時点で核保有を検討すべきではない」と述べたが、将来の核保有を否定しなかった。