国会議員が裸で新エネルギー法案に抗議:メキシコ

法案の通過に抗議するためにフィリバスター(米国連邦議会上院で、演説を長時間続けて議事を妨害する手法)やプラカードといった手段はもう古い。新しいやり方は、古き良きストリップショーを行うことだ。

法案の通過に抗議するためにフィリバスター(米国連邦議会上院で、演説を長時間続けて議事を妨害する手法)やプラカードといった手段はもう古い。新しいやり方は、古き良きストリップショーを行うことだ。

メキシコ議会で12月11日(現地時間)、民主革命党に所属するアントニオ・ガルシア・コネホ議員が、議会での演説中に服を脱いで下着一枚になった。新しいエネルギー法案が、いかに石油の豊富なメキシコの土地を裸にする可能性があるかをアピールするためだ。

「こんなふうに、あなたがたは我が国を裸にしているのだ。そのメリットはどこにあるのか」と、コネホ議員は議会に訴えた

この歴史的な新エネルギー法案は、メキシコが1938年に石油事業を国営化して以来初めて、外国の民間エネルギー企業に対して石油とガスの採掘を認めるものだ。CBS Newsによれば、1938年以降は、国営企業のペメックスが、同国の石油生産を独占してきた。

同法案に反対していた議員たちは、メキシコの石油産業が1938年以前のように米国に支配されることを恐れていた。他の議員らも、下院にあたる代議院の本会議場への入り口を椅子や机で封鎖して議事を中断させようとした、とCBS Newsは報じている。BBCによると前日には、上院にあたる元老院でこの法案は可決されていた

法案の採決が始まっても、反対議員らは、「故国は売り物ではない! 故国は売り物ではない!」と叫んで、採決を妨害し続けた。だが法案は、決選投票で賛成354反対134の圧倒的多数を獲得して、代議院を通過した。

ほとんどの石油業界アナリスト、そしてニエト大統領が所属する制度的革命党と、右派の国民行動党は、この法律をメキシコの石油産業を好転させる機会だと考えている。

同国の石油生産量は、投資の拡大にもかかわらず、2004年と比べて25%減少している、とBBCは指摘している

ただし、この法律を施行するには、最終的に、メキシコの31ある州のうち17州から承認を受ける必要がある。

画像ギャラリーでは、環境団体等が行い、話題になった抗議行動を紹介している。

Evolution of Green Activism
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レッドウッドツリーの大木を伐採する企業に反対して、1997年12月から738日間樹上生活を続けたジュリア・バタフライ・ヒルさん。 (credit:Gerard Burkhart / Getty Images)
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オランダで、地下鉄駅建設のために切り倒されることになった木に登って抗議する人たち。1974年12月。 (credit:Keystone / Getty Images)
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コロラド州デンバー、ロッキーフラッツ(核兵器製造工場)での核汚染に抗議し、米国原子力委員会(AEC)を批判する人々。1970年12月\nCredit: Denver Post (credit:Denver Post / Getty Images)
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フランスからドイツに返還された使用済み核燃料の搬入に抗議し、橋にからだをくくりつけて搬入を阻止しようとするグリンピースのメンバー。数百人が逮捕された。2001年3月。\n (credit:Sean Gallup / Newsmakers / Getty Images)
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フィリピン、マニラの米国大使館前に有害廃液を搬入してきて警察に逮捕されたグリンピースのメンバー。2000年3月 (credit:Luis Liwanag / Getty Images)
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英国ブライトンビーチで、下水廃水がそのまま海岸に流されていることに抗議する「Surfers Against Sewage」(下水に反対するサーファーたち)のメンバー。2001年8月。 (credit:Sion Touhig / Getty Images)
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ニュージーランドのオークランドで、ワイカト川の水が上水として供給されることに反対する人々。2002年6月。 (credit:Den Purcell / Getty Images)
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オークランド空港で、有害なダイオキシンの排出に反対して、鎖で自らをくくりつけたグリーンピースのメンバー。2003年4月。 (credit:Phil Walter / FotoPress / Getty Images)
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ニュージーランドの製紙工場タスマン・ミルに対して、同工場が放出する有害廃液をヘリコプターで撒くグリーンピースのメンバー。1993年5月。 (credit:Bill Gibson / Getty Images)
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メキシコ湾の原油流出事故で、BP社の最高責任者に対する裁判で批判の声をあげて退席させられる抗議者。2010年6月。 (credit:Alex Wong / Getty Images)
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シェールガスを採掘する水圧破砕法(フラッキング)への抗議行動で、フェイスペインティングした抗議者。2012年7月。 (credit:Justin Sullivan / Getty Images)
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自転車乗りや生身の人間や自然の傷つきやすさを訴えるために世界で展開された「裸で自転車に乗る日」。2013年3月、オーストラリアのメルボルンで。\n (credit:Scott Barbour / Getty Images)
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テキサス州でパイプライン「Keystone XL」の建設に反対する人。2013年1月。\n (credit:Tar Sands Blockade)

[Emily Thomas(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

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