火星大気は太陽風が吹き飛ばした NASAチームが解明

火星にはかつて大気があったが、それを吹き飛ばしてしまったのは太陽風。
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火星にはかつて大気があったが、それを吹き飛ばしてしまったのは太陽風。米航空宇宙局(NASA)の研究チームが、火星にまつわる興味深い観測結果を明らかにした。

研究チームは、火星上空を周回する探査機メイブンで観測したデータを分析した。その結果、太陽風と呼ばれる太陽から飛来する粒子の流れが、火星を厚く包んでいた大気を吹き飛ばしてしまったことが分かった、という。

火星は、かつて地球と同じように厚い大気で覆われ、水が循環して海や川の形で水も豊富に存在したが、現在は地下に氷の状態で残っているだけ。また、薄い二酸化炭素(CO2)の大気が地表を覆い、気圧も地球の100分の1以下しかないことなどが、これまでのNASA探査機などによる観測、研究で明らかになっている。

今回の分析で火星大気は、太陽風が吹き付けたほぼ反対方向に毎秒100グラムのペースで飛ばされていたことが判明。NASA研究者は「お店のレジから小銭が毎日数個ずつ盗み出されたようなものだ」と説明し、大気は一瞬ではなく一定期間にわたって吹き飛ばされたとの見方を示したが、どのくらい前にその現象が起きたかは明らかにしていない。

地球の中心部には鉄による核があるために磁場が発生している。太陽風は地球にも吹くが、NASA研究者は、地球の磁場が大気を守った、と考えている。

探査機メイブンは、昨年12月末に、火星北半球の上空でオーロラを観測しているが、太陽活動が活発になって飛来した粒子が、火星の薄い大気と反応して起きた、という。

画像.太陽風が火星大気を吹き飛ばすイメージ画像(画像提供NASA/GSFC)

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