高齢ドライバー事故、防ぐには 急発進抑える装置に補助金。予防機能つき車選びも

2019年上半期に75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故は149件だった
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高齢者ドライバーによる死亡事故件数(警察庁資料より)
HuffPost Japan

高齢ドライバーによる交通事故のニュースが相次いでいる。事故防止のための制度にはどのようなものがあるのか。

 

■車の事故防止性能、評価一覧
車を新たに買う人にとって参考になるのが、加速抑制や被害軽減ブレーキなど事故防止機能を公的機関がまとめたものだ。国土交通省と自動車事故対策機構が、毎年発表している車の事故防止性能の評価だ。


同機構が、日本国内で販売•流通量が多く、車輌本体価格が500万円以下のものを対象に調べている。最新の調査結果(2019年前期分)は、11月4日まで開かれていた東京モーターショーで発表された。

夜間に多い歩行者事故対策など予防安全性については、トヨタ「レクサスUX」、「レクサスNX」のスコアが満点だった。衝突した時の歩行者や乗っている人の安全性確保については、ホンダ「インサイト」が最高得点だった。

2018年度に調査した車種の中で一番評価が高かったのは、トヨタ「アルファード」だった。「ペダル踏み間違い時の加速抑制」や「歩行者に衝突しないようにするための被害軽減ブレーキ」などを搭載している点が評価された。

過去に同機構が調べた車種は「試験結果一覧表」から閲覧できる。

同機構自動車アセスメント部によると、2019年の後期分を合わせた通年分の発表は、2020年5月に予定されている。

■自治体の補助金
急発進などを防ぐ補助装置の購入をすすめるために、自治体の中には独自に補助金を設けるところもある。

東京都は、ペダルの踏み間違いによる急発進などを防ぐ、後付けの装置を買ったドライバーに対して、補助金を出す制度を始めた。2020年3月 31日時点で 70 歳以上の人(2019年度中に70歳以上)が対象だ。都が費用の9割を補助(上限10万円)する。

兵庫県は、2020年3月31日時点で75歳以上(2019年度中に75歳以上)に対して
最大2万2000円の補助金を出す。

■車の自動ブレーキ義務化へ
また、車そのものに対する対策も動き出している。2021年11月から車の自動ブレーキが義務化される政府方針が、朝日新聞などで報じられている。

■高齢者ドライバーによる事故(抜粋)
2019年12月1日 群馬県渋川市の関越自動車道で軽乗用車が逆走。運転していた80歳男性が死亡
2019年11月30日 栃木県佐野市で87歳の女性が運転する車が店に突っ込む。店内にいた5歳の女の子がけが
2019年9月5日 東京都中央区の東京メトロ半蔵門線水天宮前駅に86歳の男性が運転する車が突っ込む。男性や歩行者にけがなし
2019年4月19日 豊島区東池袋の都道で87歳

 

男性がブレーキと間違ってアクセルを踏み続けて暴走。31歳と3歳の母子が死亡。

警察庁によると、2019年上半期に75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故は149件で、7件は踏み間違いが原因だという。

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高齢運転者による死亡事故件数(警察庁資料)
警察庁資料