中国のコンプレックスと対日観

中国の場合「マスコミ」は中国共産党の広報機関にしか過ぎないので、日本に対する報道は中国の必要に応じてコントロールされている現実があります。結果、日中関係が揉めれば揉めるほど、原因は日本にあるという話にしかならず、日本に対するネガティブな報道が増えることになるわけですが、そうした影響もかなり大きいのは間違いないかと考えます。
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『新華経済』が配信していた「中国人の日本観調査、6割以上が日本車の破壊行為は『愛国無罪』―香港メディア」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

これは、香港フェニックステレビのニュースサイト・鳳凰網が「9月18日の『柳条湖事件』82周年に際し、『中国人の日本観』と題し」て行ったアンケート調査に関する記事で、結果内容について、以下の様に伝えております。

「日本に対する態度」の項目で「深い恨み」や「嫌い」と答えた人の数は27万人を超えた。反対に「好き」や「熱愛」は1万5000人程度にとどまった。

日本を嫌いな理由については、「中国侵略戦争を発動したから」「戦争の罪を認めないから」が合わせて80.21%に上った。

日本を好きな理由は、「日本製品は性能がよく、工業が発達している」がトップで50.03%。「日本社会は秩序正しく、国民も勤勉」がこれに続いた。「中日友好」により好感が生まれた割合は5%に満たなかった。

中国と日本はどのように付き合っていくべきかという問いには、45.22%が「中国が日本に戦勝しなければ、日本は中国を友人とみなさない」と回答。

「歴史問題を薄れさせ、長期的な視野で、理性的にやり取りする」はわずか13.26%だった。

反日デモの際に日本車を破壊した行為についてどう思うか?では、約20万人が「愛国」と回答。38.34%が「違法な犯罪行為と愛国は無関係」との見方を示した。

2 中国のコンプレックス

中国では、日本は戦後GDPで世界第二位の「経済大国」となり、中国をバカにしていたのに、中国に抜かれ、これがコンプレックスとなり、「反中」や「右傾化」を強めているという根強い認識があります(不景気に苦しみ政治に失望している日本はファシズムが台頭している?)。

ただ、個人的に、これは中国人の日本人に対するコンプレックスの裏返しではないかと思っています。つまり自分たちがそういう発想をするので、日本人も同じだろうと考えているという話です(日本のコンプレックスを主張するのは中国のコンプレックスでは)。

というのは、中国政府は日本が「侵略」した「抗日戦争」に勝利した「戦勝国」と説明していますが、その「侵略」の経緯(南京政府の正当性)の問題等が存在します(よくわからない「日本語」で質問して日本を批判する中国国営放送)。

その上、敗戦国でなおかつ中国を「侵略」した日本が戦後、経済発展を謳歌している姿を見ればやはりいろいろ思うところはあったかと思います。

こうした思いを今回典型的に表しているのが、今回の「中国が日本に戦勝しなければ、日本は中国を友人とみなさない」という答えではないでしょうか。

3 中国の経済発展

むろん、これは「偉大なる毛沢東」の文化大革命や大躍進などがもたらした結果で、日本をどうこう思うのは筋違いなわけですが、人はなかなかそうは思えないものです。

確かに若い人の中には、小さい時から経済発展を謳歌している人もいるので、そういう人であれば、こうしたコンプレックスは殆どないのかもしれません。

しかし、貧富の格差が激しい国で(中国で忘れ去られた人々(写真)中国のいかにも成金といった人たちの写真)、何だかんだ言って、豊かな人はやはり少数派である以上、こう考える人がどれだけいるかという話です。また、親がコンプレックスを持っていれば、子は少なからずその考え方の影響を受けるとも考えます。

4 最後に

それともう1つ思ったのが、あくまで「日本」として出てくるイメージが「日本製品」ということです。つまり、日本人にあったことが無い方が多いという話で、結果、マスコミなど報道によるイメージでしか「日本」を知らない人が多いということを意味するかと考えます。

ところが中国の場合「マスコミ」は中国共産党の広報機関にしか過ぎないので、日本に対する報道は中国の必要に応じてコントロールされている現実があります。

結果、日中関係が揉めれば揉めるほど、原因は日本にあるという話にしかならず、日本に対するネガティブな報道が増えることになるわけですが、そうした影響もかなり大きいのは間違いないかと考えます。

(※この記事は、2013年9月19日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)