親愛なるサンタクロース様

友達からあなた宛てに手紙を書くように言われました...。実を言うと、何を書けばいいかずっと悩んでいました。なぜって、私たちがあなたとともにいた時間はもう終わってしまい、多くの大人たちと同じように、私もあなたに何かを頼むなんて馬鹿げている気がするからです。今や、私たちは自分でプレゼントを手に入れ、自分の運命をコントロールし、自らの行動に責任を持ち、自分たちで創り上げた世界に住んでいます...。だから、私たちは振り向いて助けを嘆願したりしません。環境、難民危機、国民保健サービス、教育、フードバンク、人権、原理主義、そして戦争に関する助けを。ただ神は、私たちがこれら全て、そしてさらなる人類が招いた問題に対して、得られる全ての助けを必要としていることをお分かりですが。

あなたが慈悲深くも喜びに満ちてもいない、という訳ではありません。あなたは偉大です。企業のためにいろいろな色に変えられたり、物質主義の狂気を表すために貶められたりしているにも関わらず - 自然発火型のホバーボートへのリクエストから百万マイルはかけ離れた、非キリスト教であるドルイド教の季節的な儀式に、おそらく起源を有するにも関わらずです…。子供っぽい大人は、あなたが皆の貴重な時間を浪費していると信じ込んで、このことを皮肉っぽく指摘します。あなたはそういう大人たちのための存在ではありません。あなたは子供たちのために存在しているのです。無垢と責任との境界線、無邪気な想像力と冷淡な大人という障害物との境界線が縮小し続けている世界に、なんらかの魔法を必要としている子供たちのために。

これが、あなたに助けてもらいたいことです。子供たちが子供たちでいられるための時間を、もう少しください。魔法と遊び心に満ちた時間を、引き延ばしてやってください。子供たちがむせび泣くのではなく思いきり笑えるように、狂気に満ちた世界の現実から子供たちを遠ざけてください。家族の世話をする子供や、病気や飢え、貧困に苦しむ子供たちを。爆弾の雨が降る中で建物の影に隠れている子供や、自然災害や戦争から逃れるため恐怖と寒さで震えながらボートに手渡される子供たちを。どうか、そんな子供たちの世界を、ひと時の喜びと希望で照らしてやってください。

こう考えてみると、あなたは今年大変ですね...。真剣に考えてみると、あなたにライトセーバーをお願いして手に入れること（今までそうしたことはありませんけど）と、時空をコントロールして子供でいられる素敵な時間を少しだけ長引かせることとを並べて考えていいのか、私には自信がありません。

でも、あなたは子供たちに驚きと畏敬の念を呼び起こします。あなたに手紙を書いて、自分の持ち物に新しいものが加わるかもしれないと期待しながら眠りにつく子供たちに。あなたは良い行いをする気を起こさせ、少なくとも私の記憶では、悪い行いが見過ごされてしまわないよう埋め合わせをするという絶望的な試みをやる気にさせます。手紙を書きたくても書けない、読み書き能力を持たない数百万の子供のことも考えてあげてください。彼らの言葉を聞き、彼らに読み書きを学ぶ時間と機会をあげられるよう手助けしてください。そうすれば子供たちは生活を改善できるし、貧しい生い立ちから抜け出すことができます。

私は少し申し訳なく思っています。私は「しない」と言ったことをしてしまった気がします...。大人の問題に関する助けを求め、子供たちに関するいくつかの大きな心配事を解決するようお願いしたのですから。あなたにポートワインとミンスパイを残しておくことを約束します！

たくさんの愛を込めて

ベネディクト

P.S. いま、私もライトセーバーをもらっちゃダメですか？

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

【訂正】2015/12/12 18:46

当初の記事で、文末の書名を「ベネディクト10世」としておりましたが、正しくは「ベネディクト」でした。

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