10年後の日本のスキー界を背負う子供たちに「世界を見せたい」

世界を知るには、世界大会に参加させるのが一番。百聞は一見にしかず、というわけだ。
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=ナスターレース協会HPより

「もっと早いやつがこんなにいるんだ」

そう感じる子供たち。世界大会にわずか5日間派遣されるだけで、帰国した時、子供達の顔つきが変わっている。

「10年後の世界大会で勝ってくれればいいので、今いい成績を持ち帰ってくれとは思わない」とナスターレース協会の副理事長の帰山聡夫さん(53)は話す。

毎年4月に開催される世界最高峰の子供向けのアルペンスキーの大会ウィスラーカップへ、10人(16歳以下6人、14歳以下4人)の日本代表選手を派遣している。この活動を続けて17年目だ。国内主要3大会で優秀な成績をおさめた計10人を派遣する。その一部の資金をクラウドファンディングで集めようと支援を募っている。

スキー強豪国の多くは、国と国が陸続きで、幼少の頃から様々な国際レースに、地元レースに出る感覚で出場しています。それに対し、日本の子供たちが国際レースに参加するのは容易ではありません。この格差を少しで も軽減することで、子供たちが世界に目を向け、世界レベルで活躍する選手が増えると信じています。将来、世界の舞台で戦うことになるダイヤの原石達を、ぜひ応援して下さい。

世界を知るには、世界大会に参加させるのが一番。百聞は一見にしかず、というわけだ。

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帰山聡夫さん=東京都渋谷区、朝日新聞社撮影

■50年以上低迷しているアルペンスキーを盛り上げたい

「スキーは人生」という帰山さんは、33歳までプロスキーヤーとして活躍した。その後、最盛期だった90年代半ばの3分の1にまでスキー人口が減ったことを憂い、「マイナースポーツ・スキーを盛り上げたい」と活動してきた。

帰山さんは、引退直後の18年前、日本の子供達の成績を一律の基準にまとめ、一目でわかるような工夫を始めた。

基準となるナショナルペースセッターと大会参加者のタイム差をナスターレースポイント(NST-P)という数値であらわすことにした。大会のコースや日程が違っても、ポイントで一律に実力を比較することができるようになった。

帰山さんは「今間違いなくU14の子供たちは世界のトップにいます。世界のコーチ達も日本の若手選手は原石が多いと言ってくれています。彼らを伸ばしていくことは日本のスキー界としての責任だと思っています」と話している。

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帰山聡夫さん=東京都渋谷区、朝日新聞社撮影