チャーシューで虹を作る。『レインボーラーメン』現実の姿と味はこんな感じだった

理想と現実の違いは、こんな感じだった。

『ラーメン界の常識を覆す強烈なインパクト』と銘打たれた、虹の七色に染められたラーメンが12月8日に発売された。

SNS映えが狙えるとされたこのラーメン、実際の見た目と味はどうなのか。記者が店舗を訪れ、食べてみた。

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こちらはプレスリリースの写真。実際の写真は下部に
合同会社SNAPLACE 提供

8日から発売されたのは、「ハッピーレインボーラーメン」。外食チェーンを手がける「アスラポート」とSNS分析の「スナップレイス」が共同で開発したもので、アスラポート傘下の一部店舗で順次、メニューに掲載される。

既存メニューの味噌カレーラーメンをベースに、七色のチーズフォンデュソースで染めたチャーシューがトッピングされている。価格は1280円。

宣伝用のリリースでは色鮮やかなソースがかかった写真が紹介され、『ラーメン界の常識を覆す強烈なインパクト』『思わず写真を撮りたくなる』などとしている。

■封鎖できませんね(笑)

実際に大手町の店舗を訪れ、ラーメンを食べてみた。

食券を渡すと、店員さんから「お時間を頂きますがよろしいでしょうか?」と念を押される。これほど凝った見た目だから、時間がかかるのも当然だろう。

カウンターで待つと、厨房から「もうレインボー封鎖だよ」と、映画「踊る大捜査線」にかけた嘆きが聞こえる。記者の後に入店した男性二人組も同じものを頼むと、店員さんは「レインボー封鎖できませんね(笑)」と厨房に向け苦笑い。映画もラーメンも、共に封鎖はできなかった。

だが、その嘆きも納得だ。厨房に目をやると、ボトルシップでも作っているのかというくらいの集中ぶりでチャーシューをトッピングする姿が見える。色のついたチャーシューを、混ざらないように慎重に配置する作業が続く。

「色がごちゃ混ぜにならずグラデーションがきれいに配置」と発表にあるが、現場の努力も相当なものだ。これは確かに時間もかかるし大変だ...。

10分ほど待つと、ついに運ばれてきた。

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実際の「レインボーラーメン」
HuffPost Japan

おお、確かにカラフルだ。編集部に写真を送ると「顔に見える」「セサミストリートのエルモ」などの反応が寄せられた。

食べてみる。チャーシューで上部が覆われていて、野菜炒めと麺になかなか箸が届かない。ようやくつかみ、持ち上げる。発表のように麺までもが七色に、とはならなかった。映えるつかみ方とか、あるのだろうか。

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理想(左)と現実(右)麺は麺のままだった。
合同会社SNAPLACE 提供(左)

肝心の味だが、普通に味噌カレーラーメンとして美味しい。チャーシューは柔らかく、表面のチーズフォンデュソースもまろやかだが、そこまで味の主張は強くない。食べ進むとカラフルなソースがスープに溶け出すが、味噌の風味が損なわれることもなかった。

だが、ここで大事なことを思い出した。虹を形作っているのは、上部を覆い尽くさんばかりのチャーシュー7枚である。さらに野菜炒め(ここにも豚肉が入っている)、麺と続くので、ボリュームは相当なもの。少食な筆者にとっては、食べても食べても次が来る感覚。15分ほどかけてなんとか完食した。

食べ終えてみて、改めて開発の理由を見直す。「コロナ禍において苦境に立たされている飲食業界に明るい話題をもたらす『ハッピー』なラーメンとして開発されました」...。

一人で頼むのは少し勇気が必要だったが、確かに写真は撮りたくなるし、誰かにシェアしたくなる気持ちも湧く。思わず「封鎖」したくなる現場の大変さもあるが、話題が連鎖することでコロナ禍に苦しむ飲食業界にとって明るい話題になってくれればと思う。