【梅雨から夏に注意】肌トラブル「隠れ乾燥」とは?

梅雨明け後には、暑さの厳しい夏が予想されています。正しいケアで、肌も健康も守っていきましょう。
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ウェザーニュース

梅雨から夏にかけては、ベタついたりかゆみを感じるなど、肌が荒れがちです。皮膚科専門医の野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生に、注意点とケアの方法を教えていただきます。

ベタついていても肌の内側は乾燥?

「梅雨から夏にかけて、肌のコンディションが乱れる人は少なくない」と、野村先生は話します。

「高い湿度の影響で、肌がベタついたり、ムレたりして調子が悪くなるのが、梅雨から夏にかけての肌の特徴です。今年の梅雨は、雨かと思えば晴れ間がのぞくような天候が繰り返し続いています。気圧の変動が激しいことが自律神経の乱れにつながり、体の調子を崩して肌のターンオーバーもうまくいかなくなることが多いのです」(野村先生)

また、意外に思うかもしれませんが、これからの時期は乾燥肌を招く原因がたくさん潜んでいると言います。

「夏場は汗をかく機会が増えますが、汗が蒸発するときに肌の潤いも一緒に蒸発して、より乾燥しやすくなってしまうのです。加えて、冷房を使っている部屋は乾燥しているので、汗をかいたまま放置しておくと、一見潤っているように見えても、一気に肌の乾燥は進んでしまいます」(野村先生)

マスク生活の悪影響もあります。

「マスクを長時間着けていると、ムレからかゆみを起こしたり、角質がふやけて毛穴がつまりやすくなります。マスクを外したとたんに水分が蒸発して、肌が乾燥してバリア機能が低下してしまうのです」(野村先生)

ムレや皮脂によるベタつきに誤魔化され、肌の内側の“隠れ乾燥”に気づいていない人も多いかもしれません。

「曇り空やマスク着用で油断して、UVケアを怠ってしまうのもよくありません。また、晴れたときに急に紫外線を浴びることで、肌がダメージを受けることもあります。赤みやブツブツ、ひりひり感など、日光皮膚炎を起こしている人も増えています。日光皮膚炎は、顔だけでなく腕や首にもみられます」(野村先生)

保湿と十分な睡眠が大切

肌を回復させるためには、ダメージを減らし、ターンオーバーを整えていくことです。

「まずは、保湿ケアが基本です。ベタベタしたり湿度でムレているのは、潤いとは異なります。しかし、ベタついている肌に重めの乳液やクリームを使ってしまっては、ムレやニキビの原因となるおそれがあります。使い心地がさっぱりタイプの化粧水をたっぷり使い、乾燥が気になる部位に乳液やクリームを使いましょう。

マスク着用前にも、保湿ケアで肌を整えることで、マスク荒れをしにくくします。またUVケアは、日焼けによるムラをなくすためにも、マスクの下も忘れないように塗りましょう」(野村先生)

もう一つ、体の中から整えることも忘れてはなりません。

「睡眠が重要です。生活のリズムが崩れると、自律神経など体のリズムも乱れます。肌のターンオーバーがうまくいかなくなったり、皮脂の分泌バランスが崩れたりします。

湿度の高さなどから寝付きにくいという悩みも耳にしますが、12時前に眠るよう心がけましょう。夜10時以降はスマホやパソコンなどは極力使わないようにして、終わらなかったことは朝早く起きてやりましょう。『眠れない』という人も、早起きしていれば夜は眠くなるものです。

スマートフォンなどの電子機器は、夜更かしの原因にもなるので、つい触りがちな枕元に置かないように。緊急の連絡があるときを除いては、離れたところに置いておきましょう」(野村先生)

特別なことをするわけではないのですが、野村先生は「きちんとやれば、肌は変わる」と強調します。

「皮膚は体調のバロメーターです。朝起きたら、鏡で自分の顔を見てみてください。肌の変化は、体の不調や生活リズムの乱れのシグナルでもあります。肌がきれいになるということは、健康を守ることにもつながります」(野村先生)

梅雨明け後には、暑さの厳しい夏が予想されています。正しいケアで、肌も健康も守っていきましょう。


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