台風19号、三連休に東京直撃の恐れも。災害に備えて知っておきたい10のこと

予報円の中心を結ぶ線は、東京湾の近くを横断していますが、必ずしもこの線に沿って台風が進むわけではありません。

大型で猛烈な勢力の台風19号が、10月12日からの3連休に東京など関東地方を直撃するおそれがある。

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台風19号の進路予想図
気象庁

■予報円の中心を結ぶ線が東京湾を横断

気象庁の発表によると、10月8日午前9時時点ではマリアナ諸島付近を通過しており、中心の気圧は915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速55メートルとなっている。

8日時点の気象庁の台風19号の進路予想図によると、12日午前9時には非常に強い勢力を保ったまま本州に接近する。このときの予報円の中心は紀伊半島の沖合いだが、24時間後の13日午前9時には、福島県など東北地方の沖合いになっている。 

予報円の中心を結ぶ線は東京湾の近くを横断しているが、気象庁の説明によると、必ずしもこの線に沿って台風が進むわけではないという。台風の中心が予報円に入る確率は70%に過ぎないとしている。

■関東や東海、北陸、近畿では暴風が吹き荒れ、大荒れとなる恐れ

日本気象協会では、吉田友海・気象予報士が「台風が予報円の中心を進む場合、11日(金)の午後から関東や東海、近畿を中心に風や雨が強まりはじめ、12日(土)から13日(日)の午前中は関東や東海、北陸、近畿では暴風が吹き荒れ、大荒れとなる恐れがあります」と警戒をうながしている。

また、気象庁によると、13日午前9時の中心付近の最大瞬間風速は60メートルと予想されている。これは9月に関東地方に上陸し、千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号に匹敵する。

危険から身を守るために、どんな準備をしておけばよいのだろうか。

気象庁のパンフレット日本気象協会が公開する情報などを元に、事前にやっておくべきこと、いざ台風が接近した時に気をつけるべきことなど10のポイントをまとめた。

台風接近に備えて…

 

1.家の外の被害に備えよう

・窓や雨戸はカギをかけ、必要に応じて補強する。

・側溝や排水口を掃除、水はけを良くしておく。

・風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する(例:植木鉢、洗濯バサミ、ハンガーなど)。

・屋根、塀、壁などの点検、補強をする。

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

2.家の中の被害に備えよう

・飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼る。

・物が飛んでくる場合に備え、カーテンをしめ、ブラインドをおろしておく。

・断水に備え、水道水を入れたポリタンクを用意、風呂の水を張っておく。

・床上の浸水対策をする

(例:家財や家電などは浸水被害に備えて高所や2階に移動させる。 漏電を防ぐためコンセントは抜き、低い位置にあるものは高所へ移動させる)

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

3.飲料水や非常食などを備蓄しておこう

食料、飲料、生活必需品などの備蓄例

飲料水3日分(1日あたり1人3リットルが目安)

非常食3日分の食料(アルファ米、ビスケット、板チョコ、乾パンなど)

トイレットペーパー、ティッシュペーパー、マッチやライター、倒れにくいローソク、ロープ、布製の粘着テープ、紙袋、カセットコンロ、固形燃料、トイレを流したりするための生活用水(水道水を入れたポリタンク、風呂の水を張っておくなど)

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

 4.停電に備える。冷蔵庫やエアコンが機能しない場合も。

携帯電話は定期的に充電しておき、予備のバッテリーも準備しておくとよい。

台風による停電でエアコンや冷蔵庫が機能しなくなる恐れがある。冷凍庫で保冷剤を用意しておけば、食料品の保全対策になり、窓を開けられない状況でも涼しく過ごす助けになる。

涼む時は、首や脇を冷やすと効果的だとされる。保冷剤がない場合は、ペットボトルで水を凍らせると良い。水が溶けたら、飲料水や生活用水としても使える。また「うちわ」などもあると良い。風があるだけでも過ごしやすくなる。 

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

 5.非常用持ち出しバッグを準備しておこう

非常時に持ち出すべきものをリュックサックに詰め、枕元に置くなどしていつでもすぐに持ち出せるようにしておこう。両手がつかえるのでバッグはリュックサックが好ましい。地震など他の災害時の備えにもなる。

非常用持ち出しバッグの内容例

飲料水、携帯食料品、貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)、携帯電話、救急用品、お薬手帳、ヘルメット・防災ずきん、マスク、軍手、筆記用具、マッチ・ライター、懐中電灯、電池、ビニール袋、衣類、雨具、下着、タオル、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器、携帯電話の充電用バッテリー、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、洗面用具、携帯トイレ、メガネ・コンタクト、乳児のいる家庭はミルク・紙おむつ・ほ乳びんなど。

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

6.自宅や勤務先からの避難場所や避難経路を確認しておこう

付近に洪水のおそれのある河川があったり、低地、急傾斜地で水害や土砂災害のおそれがある場合は、事前に防災マップやハザードマップ(災害予測図)を入手し、避難場所、避難経路を事前に確認しておこう。自治体によってはネット上で提供しているところもある。

なお避難場所は、豪雨、地震、津波、火山噴火など災害の種類によって安全な避難場所が異なる。国土交通省が提供する全国自治体ハザードマップなどを確認しよう。

 

7.安否確認の方法を家族で共有しておこう

災害の発生時、もしかしたら家族は別々の場所にいるかもしれない。そんな時でも互いの安否を確認できるよう、日頃から安否確認の方法や集合場所などを事前に話し合って決めておこう。災害時には携帯電話の回線がつながりにくくなり、連絡がとれない場合もある。その際には以下のサービスを利用しよう。

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「大雨や台風に備えて」のパンフレットより
気象庁提供

・災害用伝言ダイヤル

「171」に電話をかけると伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族などが、伝言を再生できる。1メッセージ、30秒まで録音可能。登録できる電話は一般加入電話のみ。確認は公衆電話・携帯電話からもOK。覚え方は「忘れていない(171)?災害用伝言ダイヤル」。

・災害用伝言板

携帯キャリア事業者が提供。携帯電話やPHSから登録できるネット伝言板。自分の電話番号を知っている家族などが、情報を閲覧できる。NTTドコモ災害用伝言板SoftBank災害用伝言板 、KDDI災害用伝言板がある。

災害の影響を受けた地域にいる場合に、Facebookを通じて自分の状況報告や友達の安否を確認することができる。

災害発生後にGoogleが適宜開設する。氏名などを登録することで、互いに安否確認ができる。

 

台風が接近したら...

 

8.外出は控えよう

台風が接近している間は、大雨や暴風の恐れがある。なるべく外へ出ないようにしよう。

・用水路、海岸の見回りは絶対にしないこと。増水した用水路は道路との境目が分からず、足を取られて流される危険がある。海岸では高潮に飲み込まれる恐れがある。

・屋外での作業は控えよう。暴風や突風にあおられて転倒する危険がある。家屋の補修は接近前に終わらせよう。

 

9.命を守るため、早めの避難を

市町村から避難勧告や避難指示があったら、すぐに動けるように準備して、すばやく避難しよう。また、避難勧告が出されていなくても、危険を感じたら、自主的に避難しよう。

・扇状地、海岸・河川敷、樹木の少ない山間部、危険な土地にいる場合は早めに避難しよう。

・車での避難には注意。雨でワイパーが効かず、ブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こる危険がある。

・地下空間(地下道、地下室)は、地上が冠水すると水が流れ込み、避難が困難になる危険があるので注意しよう。

・都心では、遠くの避難場所へ避難するより、隣近所の2階以上の頑丈な建物に避難するほうが安全な場合もある。避難する場合は、周囲の状況なども総合的に判断し、行動するようにしましょう。

・避難前には火の元、ガスの元栓、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認しよう。

 

10.災害時、ネットで情報収集をするには

以下に、災害時に役立つ政府や公共機関が運用する公式Twitterアカウントやサイトを紹介する。

地震、台風、大雨や重大事件など、災害・危機管理関連の政府の活動情報を確認できる。

災害情報や防災・減災に関する情報を確認できる。

大規模災害が発生した際、消防関連情報を確認できる。

災害時、自衛隊の派遣状況などの関連情報を確認できる。

最新の台風情報を確認できる。

「台風特設チーム」による解説を確認できる。

自治体から提供を受けた避難所データなどをもとにした全国の避難所情報を確認できる。

各地の生活、ライフライン情報を確認できる

過去24時間の道路通行実績を集計し、被災地における自動車での避難や救援を支援する。

災害時に透析が必要な人向け。透析可能な病院を確認できる。

・Twitterで救助を要請する場合は?

災害発生後は安否確認の通話が殺到して電話がつながりにくくなる場合が多い。そのような場合は、Twitterでの救助要請を考えてほしい。以下のフォーマットに沿って救助要請をしよう。