2021年、国連、宇宙へ。発展途上国が宇宙開発に加わるミッションが始まる

国連が、発展途上国の宇宙開発を後押しする。
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シエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)が設計した計画中の小型スペースシャトル・ドリームチェイサーの模型

国連が、発展途上国の宇宙開発を後押しする。

国連宇宙部(UNOOSA)は9月27日、初の宇宙開発ミッションを2021年に立ち上げると発表した。目的は、自国の開発計画に投資する余裕がない発展途上国が開発した実験装置を宇宙船に積み込むことだ。

実験のアイデアは、地球規模の重大な問題の解決に役立つよう、世界中から知恵を借りる予定だ。

UNOOSAのシモネッタ・ディ・ピッポ局長はテクノロジー系ブログ「マザーボード」で次のように語った。「たとえば、UNOOSAは気候変動や食の安全保障の研究から、宇宙で腐食を進行させない物質の発明まで、あらゆることに関わる提案を募集しています」

「私たちは人類に宇宙の恩恵をもたらすという理想を持っています。つまり発展途上国が宇宙のテクノロジーやその恩恵を手にするのを支援するのです」と、ディ・ピッポ局長は述べている。

国連は、民間宇宙開発企業シエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)の宇宙船「ドリームチェイサー」を使用する。地球の上空約90(約144キロ)〜600マイル(約965キロ)の低軌道に打ち上げ、14日間飛行する予定。国連によると、この宇宙船は再利用でき、惑星周回軌道に入ることができ、一般の空港に着陸できるという。

SNC宇宙部門の責任者マーク・シランジェロ氏は公営ラジオ局NPRの「ザ・トゥー・ウェイ」で、ドリームチェイサーが「リージョナルジェット(小型ジェット旅客機)とほぼ同じ大きさ」だから空港への着陸が可能だと説明した。シランジェロ氏はまた、およそ20〜25の実験ステーションに適合していると話した。

「単一のミッションを実行するのではなく、多くの国とともに宇宙船上で連携できるようになります」と、シランジェロ氏は述べた。

UNOOSAは今後1年間で参加希望国の提案を検討し、2018年に参加国を選出する予定だ。このプログラムは国連の全加盟国が対象となるが、自国だけでは宇宙開発ができない、経済的資源が不足している国に優先権がある。

シランジェロ氏はNPRに対し、ドリームチェイサー上で行われる実験や研究が、国同士の結びつきを深めるのにも役立つことを望んでいると話した。

「宇宙が興味深いのは、地球上ではさまざまな混乱が見られ、地政学的な問題があらゆる国の間で進行していても、宇宙では国際宇宙ステーション(ISS)では、人々が連携し協力していることです」とシランジェロ氏は話した。また、国際宇宙ステーションは、建設を支援した国しか利用できないことを指摘している。

「私たちはこのプロジェクトで、国際宇宙ステーションを利用できる国が広がると考えています」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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