ジカ熱拡大、WHOが緊急事態を宣言 日本の対応は?

胎児への影響も指摘され、ブラジルなど中南米を中心に流行している感染症「ジカ熱」について、世界保健機関(WHO)は1日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
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World Health Organization (WHO) chief Margaret Chan attends a press conference on February 1, 2016 in Geneva after an emergency committee to debate whether a Zika virus outbreak suspected of causing a surge in serious birth defects in South America should be considered a global health emergency. / AFP / FABRICE COFFRINI (Photo credit should read FABRICE COFFRINI/AFP/Getty Images)
FABRICE COFFRINI via Getty Images

胎児への影響も指摘され、ブラジルなど中南米を中心に流行している感染症「ジカ熱」について、世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は2月1日、感染がほかの地域にも広がる恐れがあるとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。時事ドットコムなどが報じた。

緊急事態宣言は西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱への対応で2014年8月に出されて以来。これにより、国際社会は感染の封じ込めに向け、一致したさらなる行動を求められる。

WHOは1日に開いた専門家による緊急委員会の勧告を基に宣言した。チャン事務局長はジュネーブでの記者会見で、判断の主な理由として、妊婦の感染により、先天的に頭の小さい「小頭症」の新生児が生まれることが「強く疑われる」点を挙げた。

時事ドットコム:ジカ熱「緊急事態」宣言=小頭症と関連「強い疑い」-WHOより 2016/02/02 05:58)

WHOは、感染地域への渡航制限などは不要としたが、妊婦には渡航を極力控えるようにと注意を呼びかけた。一方、渡航する場合には、長袖の服を着用するなどして、蚊から身を守る対策をとるよう促した。

WHOはエボラ熱では対応の遅れを批判されており、その教訓から速やかな初動対応を図った

ジカ熱は、2015年5月にブラジルで感染が確認されてから、これまでに中南米を中心に25の国と地域に広がり、感染者は今後400万人に上る恐れがあるとみられている。ブラジルでは2015年10月以降、小頭症の新生児が4千人以上確認され、ジカ熱との関連が疑われている。

ジカ熱について、日本の厚生労働省は、診断した医師に対して保健所への届け出を義務付ける感染症法の「4類感染症」に指定する方針を固めた。また、空港の検疫所で発熱などの症状を訴える人がいないか確認するなど水際での対策を強化することにしている。

また、今回の緊急事態の宣言を受けて、ブラジルのバグネル官房長官は1日に記者会見を開き、「特に、妊娠している女性へのリスクは深刻だ」と語り、妊婦は8月にリオデジャネイロで開かれるオリンピックの観戦を控えるよう求めた。

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