「アップル、巨額の税金逃れ」米議会で報告書

「アップルが多額の税金を逃れている」とする報告書を20日、米上院の小委員会が公表した。それによると、アップルは海外子会社を使って、数十億ドル(数千億円)もの法人税支払いを回避しているという。上院では、21日にティム・クックCEOを呼んで実態を調べる公聴会を開く方針だ。
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dollars and apple on the antique scales, Piles of coins at front of scales.
Getty Images

「アップルが多額の税金を逃れている」とする報告書を20日、米上院の小委員会が公表した。それによると、アップルは海外子会社を使って、数十億ドル(数千億円)もの法人税支払いを回避しているという。上院では、21日にティム・クックCEOを呼んで実態を調べる公聴会を開く方針だ。ブルームバーグでは以下のように報じている。

小委員会のレビン委員長は20日の記者会見で、「アップルは税率の低い海外のタックスヘイブン(租税回避地)に利益を移転することに満足せず、税金逃れの聖杯を求めた。オフショア法人を設立して多額の資金を保有しながら、どこの国にも税法上の居住者であることを申告していない」と述べた。

同報告書によると、アップルはオフショア勘定に1020億ドル(約10兆4300億円)を保有し、米国外での多額の利益をアイルランドにある関連会社に移転して同国で税率を2%未満となるよう交渉。オフショア法人は近年、全くもしくはほとんど税金を支払っていなかった。

(Bloomberg 2013/05/21 09:50)

クックCEOは公聴会で証言する内容をホームページで事前に公表しており、「アイルランドの持ち株会社はグループ内での配当を実施したことにより、合法的に課税対象外となった」と反論しているという。

【注1】オフショア法人=資産運用の目的で税制面のメリットがある海外の地域に法人を設立すること。参考リンク:会社設立方法まるわかり百科

【注2】オフショア勘定=オフショア地域や機関の特別勘定のこと。参考リンク:オフショア保険.com