PRESENTED BY AQUA SOCIAL FES!!

さかなクンの師匠・生貝正徳さん 学費を稼ぐために漁師へ。そして教え人へ。波乱な人生と房総の海

晩秋の夜、淡いブルーの光を放ち神秘的に輝かせるウミホタル。千葉県の館山湾を見守り、生息するウミホタルの生態を子どもたちに教える活動をしているのが生貝さんだ。
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「ウミホタルを知っている?」と言われると、東京湾アクアラインのパーキングエリアを思い浮かぶ人がほとんどだろう。晩秋の夜、館山湾を淡いブルーの光を放ち神秘的に輝かせるウミホタル。この現象を見たことはあるだろうか?

生貝正徳さんは館山湾を40年以上見守り続ける、いわば館山の海を知り尽くす"館山湾マスター"だ。今は館山市が管理運営する施設「"渚の駅"たてやま」内の海辺の広場で飼育員を務める。

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「"渚の駅"たてやま」海辺の広場の飼育員、生貝正徳さん(71)。

学費を稼ぐために漁へ。身体で覚えた「房総人」としての気概

生貝さんは波乱万丈の人生を送ってきた。外房の漁師町で生まれ、小学生のころから家業を手伝い、中学生のころには親とともに漁に出て家計を支えた。あまり裕福ではない状況で、親に負担をかけずに進学を志した。「自分の基盤を作る事が大事」と中学生で悟り、進学・就職とも地域で一番の安房水産高校(現在は館山総合高校と合併)入学を目指した。入学後は学費と交通費を稼ぐためにアルバイトを掛け持つこともしばしば。家庭教師を行う傍ら、冬は銚子港から出港する"サバ釣り漁船"に乗り込み、みぞれの降る中サバの1本釣り漁を行った。このアルバイトはとても危険を伴っているが、半年間の学費を一冬で稼ぐことができるほどだった。

卒業後、水産会社に入社。その後、サモアやアフリカなどで勤務した後、転職。母校の安房水産高校の技師として帰郷、学生を指導する立場となった。ハワイなどに向かう、学生の海洋航海実習に従事し、地上勤務となる50才の頃には、100回以上の外洋航海を経験した。

地上勤務は千葉県内の3水産高校の実習・研究施設に勤務。生態観察室で魚の生態を調査、当時は困難とされたウニの飼育やわかめの養殖などの研究を行った。後にこの施設跡地に現在の"渚の駅"たてやまが建てられる事になる。

さかなクンの師匠に

"渚の駅"たてやまの非常勤職員(海辺の広場飼育員)として第2の人生を開始した生貝さんは、今までの経験を生かし、遊びに来る子供たちに貝細工や魚やウミホタルの生態を教えている。そんな子供たちの中に、海や川などの魚が大好きだった少年がいた。熱心に通う少年に人生の大半を費やした"房州人"の知識を、惜しみなく伝授。大きくなった少年は今や知らない人がいないほどの"人気者"に成長した。トラフグの帽子を被り「ギョギョギョ!」とおどけて見せるその人は"さかなクン"だ。

「さかなクンは海辺の広場ができる前から毎日のように遊びに来ていました。海の生き物の話になると目をキラキラさせて熱心に聞いていました。時には漁から戻ったばかりの地元の漁師の元へ行き、獲れた魚を観察していたそうです。今では大学の准教授になるほど、知識は私を大きく凌駕しています(苦笑)」と、愛弟子の活躍に目を細める。

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貝細工を教える生貝さん。

海辺の広場には学校が終わった放課後や週末に、生貝さんを慕って子供たちが訪れる。子供たちは生貝さんが拾ってきた珍しい貝や漂流物、それらを使った作品を楽しそうに観察する。リクエストに応え、貝細工の作り方を教えることも多いそうだ。

"渚の駅"たてやまでは月1回貝細工や干物作りなどのイベントを行っており、県内外から多くの参加者が訪れている。取材時に行っていた「ビー玉ストラップ作り」では、都内から参加している家族連れもおり、「2年前のAQUA SOCIAL FES!!に参加して以来、"渚の駅"たてやまのイベントに5回以上参加しています。きれいな貝を使った貝細工や干物作りなど、ここでしかできないことがたくさんある。最近では友達を誘って参加しています」と話した。

2012年のAQUA SOCIAL FES!!の様子

AQUA SOCIAL FES!!は、トヨタのハイブリッドカーAQUAが全国の地方紙や地域の環境団体と共に開催するエコイベントだ。このイベントをきっかけに、地域の活動のリピーターも増えていると生貝さんは言う。「AQUA SOCIAL FES!!をきっかけに、近隣の方だけでなく今や日本中からイベントに参加してもらえるようになりました。オリンピックもあるので、海外から多くの方もこの地にやってくるでしょう。アクアソーシャルフェスで世界に働きかけ、"渚の駅"たてやまの取り組みをワールドワイドに発展していければ最高だね」と語る。

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「"渚の駅"たてやま」海辺の広場の飼育員の生貝さんも参加する、AQUA SOCIAL FES!! in 千葉は8月22日(土)に開催します。詳細は公式ホームページをご覧ください。

( 取材・執筆:千葉日報社 菊池幸陽)