BUMP OF CHIKEN結成20年 「4人でここまでやってきた事実は誇るべき」(インタビュー)

結成日を2月11日と定義したのは、僕らが4人で最初にステージに立った日の記録が升くんの手帳に残っていたからなんです。
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CHIBA, JAPAN - JUNE 23: Bump Of Chicken walks on the red carpet of the MTV Video Music Awards Japan 2012 at Makuhari Messe on June 23, 2012 in Chiba, Japan. (Photo by Jun Sato/WireImage)
Jun Sato via Getty Images

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20周年のBUMP OF CHICKEN、結成記念日ライブ開催の理由明かす「ありがとうという思い」

昨年末の『第66回NHK紅白歌合戦』で『紅白』初出場を果たしたBUMP OF CHICKEN。バンド結成20周年を迎え、キー局の音楽番組で見かける機会が増えるなど、精力的な活動が続いている。注目が高まる中、2月10日にニューアルバム『Butterflies』を発売。次々と新しい扉を開けることに対して、恐怖心もあると話すが、音楽制作やライブの楽しさは増しているという。

■音楽を作ることの楽しさやライブの楽しさは年々増してる

――昨年末の『NHK紅白歌合戦』に初出演したことは象徴的ですが、近年、BUMP OF CHICKENの活動は、どんどんオープンになっている印象を受けます。それと同時に、ライブのステージでも音楽を鳴らすことの幸福感を噛みしめている様子をはっきりと見て取れますね。

【藤原基央】音楽を作ることやライブをすることは基本的にすごく楽しいことで。その楽しさは年々増してる気がします。楽しさや幸福感、そういうものの意味や重みや大きさがだんだん自分たちのなかで深まっている感覚があるんです。それと同時に、表裏一体と言いますか、新しい扉を開けることに伴う恐怖心も大きくなっている気もします。でも、その新しい扉というのは、なんの脈絡もなしに開こうと思ったのではなく、僕らの歩みのなかで自然と出てきた選択肢なんですよね。

――ニューアルバム『Butterflies』は今のBUMP OF CHICKENを全11曲で表現するような作品だと思います。

【直井由文】今までで一番4人が顔を付き合わせて作ったアルバムだと思います。まず、藤原くんが曲を書くペースがかつてないほど早かった。そこに驚きとうれしさがあって。象徴的なのが「GO」(1曲目に収録)の制作で。最初に藤原くんとプロデューサーが送ってくれたのが、「GO」のデモだったんですね。デモを聴いた瞬間に、“これはアルバムのなかでも重要な曲になる!”と確信しました。それからすぐに僕と升くんと増川くんの3人でスタジオに集まって、それぞれの楽器のイメージをPro Toolsに流し込んで、デモのアレンジと照らし合わせていって。おおまかなイメージができた時点で、別のスタジオにいる藤原くんに電話して、深夜に僕らのいるスタジオに来てもらったんです。そこでまたフレーズやアレンジの意見を話し合って曲の方向性を固めていって。今までだったら藤原くんがデモを丁寧に温めたうえで僕らにプレゼンテーションしていたんですけど、今回は早い段階で曲を共有するというスタイルだったんです。その変化は大きかった。

【升秀夫】今作は一番古い曲の「You were here」でも2014年8月にリリースしているので、アルバム曲との時差を感じないんですよね。今作では「ray」で使った打ち込みの手法を半分以上の曲で取り入れているんですけど、曲によって細かくアプローチを変えていて。「GO」も生音と打ち込みの中間くらいのサウンドの質感があって。そういう意味でも、いちドラマーとしてのチャレンジも多かったですね。

【増川弘明】スケジュールを振り返ったときに、ずっとスタジオにいたなと思いますね。本当に濃厚な制作でした。さっきチャマ(直井)からもありましたけど、どんな些細なことでも曲に関することは「ここはどうだろうね? どう思う?」という話し合いをして。そういう時間がとても長かったのが印象的です。

――アルバムリード曲であり、『Butterflies』というアルバムタイトルを引き寄せた「Butterfly」は、いわゆるEDMを彷彿させるアレンジですね。でも、トレンドを意識してこういったサウンドデザインを施したわけではないと思うんですけど。

【藤原】弾き語りで歌っているデモの段階では、ギターは8分(音符)で弾いていて、最初は16ビートのノリはなかったんです。アレンジを進めていくうちに、キックが4つ打ちになり、それに合うハットとして16のハットを採用したんですね。そうしたらギターも16のストロークになり、どんどんパーカッシブになっていって。この曲に合うフレーズをピアノで考えたら、いろんな音色が混ざったものになり、そこに表情がどんどん変わるエレキギターも加えていって、結果的にこういうアレンジになったんです。

■バンドの歴史が高校生よりも年上なんだって考えると不思議

――結成20周年という響きにはどんな思いがありますか?

【藤原】単純にすげえなって思いますね。バンドの歴史が高校生よりも年上なんだって考えると、不思議な感覚があります。

【升】バンドが成人を迎えて、曲に対しては生まれてくれてありがとうと思いますし、お客さんには聴いてくれてありがとうという思いですね。メンバーとは幼稚園のころから一緒にいますけど、バンドを組む前よりもバンドメンバーとして過ごしている時間のほうが長いので。2月11日の結成記念日に幕張メッセでライブをします。今まではバンドの記念日とかに無頓着だったんですけど、今回は自分たちからスタッフに結成記念日に何やりたいと提案したんです。

【直井】結成日を2月11日と定義したのは、僕らが4人で最初にステージに立った日の記録が升くんの手帳に残っていたからなんです。それはいわゆるバンドコンテストみたいな大会だったんですけど、そのときの賞状も残っていて。

【藤原】奨励賞的な。

【直井】そう。升くんがその日の日付を手帳に書いてなかったら、そして賞状が残っていなかったら、絶対覚えてなかった。で、賞状の写真をTwitterに載せたら、お客さんから「結成20周年ですね!」という声をもらえて。さすがに4人とも「どうする? 何かやりたいね!」ってなったんですよね。

――メモリアルな日といえば、4人はメンバーの誕生日をとても大切にしてますよね。

【藤原】そうですね。バンドの結成日を意識したことはなかったけど、メンバーの誕生日は大切にしてきました。実年齢でも、30歳になったときは否が応でも感じるものがあったんですよね。今回、バンドが結成から20年経ったと知ったときに、バンドという得体のしれない生命体が20年生きてきたということを不思議な客観性をもって捉えることができたんですよね。

【増川】だからこそ、20周年の記念日を大事にしないとバチが当たるんじゃないかと思ったんですよね。4人でここまでやってきた事実は誇るべきなんじゃないかと。

(文/三宅正一)

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