がん対策を加速 厚労省がプランまとめる

厚生労働省は25日までに、長く日本人の死因の第1位になっているがんによる死亡数を減らすための「がん対策加速化プラン」をまとめた。
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厚生労働省は25日までに、長く日本人の死因の第1位になっているがんによる死亡数を減らすための「がん対策加速化プラン」をまとめた。市町村で実施されるがん検診受診率の公表や、精密検査受診率の目標値設定のほか、受動喫煙防止対策強化などを盛り込んだ。

「がん対策加速化プラン」は冒頭、「2007年4月に施行された『がん対策基本法』に基づく『がん対策推進基本計画』により対策を進めてきた。対策の進捗(しんちょく)はみられるものの、2017年度までの目標とした『75歳未満のがん死亡率を20%減少させる』ことはこのままでは難しい」とし、その原因としてがん検診の受診率向上やたばこ対策が遅れている実態を挙げた。

その上で、「避けられるがんを防ぐ」(予防)「がん死亡率の減少」(治療、研究)「がんと共に生きることを可能にする社会の構築」(がんとの共生)の三つを柱としてがん対策を加速する、とした。

具体的な項目として、「市町村で実施されるがん検診の受診率だけでなく精密検査受診率にも目標値を設定する」「市町村ごとのがん検診受診率や受診率向上に向けた取り組みなどを公表する」「職場ごとにがん検診のガイドラインを早急に策定する」「がん治療研究のためのゲノム(全遺伝情報)医療の国内外実態調査を実施する」「患者が医療機関情報を検索し比較できるシステムを構築する」「がん罹患により患者が辞職したり解雇されないよう企業向けのガイドラインをつくる」ことなどを盛り込んだ。

このほか、がん予防を進める上で喫煙対策は不可避との考え方から、「2019年のラグビー・ワールドカップや20年の東京五輪・パラリンピック開催までに受動喫煙の防止対策を強化する」「(厚労省として)たばこ税の税率引き上げを継続して要望する」ことも目標に加えた。たばこ税については「がん対策推進協議会」による原案提言で「たばこ税の税率を引き上げる」と明示されていたが、最終的に「継続して要望する」という表現に修正された。

日本のがん対策は、1984年以降10年ごとに対策戦略を改訂。「がん対策基本法」施行後は「がん対策推進基本計画」を定めて多様な対策を実施してきた。しかし、がんの死亡率が計画通り下がらない現状を受け、ことし6月に厚労省が「がんサミット」を開催。対策を加速するプラン作成を決め「がん対策推進協議会」などで内容を検討してきた。

関連リンク

・厚生労働省資料「がん対策加速化プラン

サイエンスポータルの過去の関連記事

・2014年7月11日ニュース「今年のがん死亡は37万人と初の予測

・2014年9月19日ニュース「がん統計決定版の生存曲線を増強し公開

長生きするために食べておきたい17の食材
ベリー(01 of17)
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甘いイチゴやブルーベリーは、豊富な抗酸化物質が含まれており、老化防止に役立つ。とりわけベリーは、脳機能と筋肉維持をサポートする抗酸化物質アントシアニンを含む (credit:JULIA KHUSAINOVA VIA GETTY IMAGES)
ナッツ類(02 of17)
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最新の研究では、毎日ひと握りのナッツ類を食べることには寿命を延ばす効果があるという。とくに、ナッツ類を食べる人は、糖尿病やがんのような、命に関わる病気で死亡するリスクが低くなることがわかった。 (credit:ZOONAR/PHOTOGRAPHER: MARKUS GANN VIA GETTY IMAGES)
ダークチョコレート(03 of17)
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素晴らしいニュースから始めよう。ダークチョコレートには、フラボノイドと抗酸化物質が含まれていて、どちらも炎症を抑え、血栓防止する効果がある。\n\n研究によると、炎症は、加齢や加齢性疾患と関わりがあり、抗炎症作用のある食品は、長寿の鍵となる。 (credit:MIRIAM2009 VIA GETTY IMAGES)
ブロッコリー(04 of17)
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ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜は、スルフォラファンなどの、がんを予防する化学物質を含んでいる。ある研究では、ブロッコリーを食べる人は、食事に(ブロッコリーを)含まない人よりも長生きすることが発見された。\n (credit:DANIEL GRIZELJ VIA GETTY IMAGES)
ビート(05 of17)
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根菜のビートは、ビタミンと呼ばれる化合物を豊富に含んでおり、それらは抗炎症作用がある。 (credit:PILIPPHOTO VIA GETTY IMAGES)
トマト(06 of17)
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このジューシーな野菜は、人の健康に大きく関わってきた。アメリカ人はたくさんのトマトや、トマト製品を食べるが、それは良いことだ。トマトは、一部のがんや心血管性疾患、骨粗鬆症などにかかるリスクを低減することがわかっている。トマトはビタミンCが多く含まれ、リコピンと呼ばれる抗酸化物質を豊富に含んでいる (credit:BIG CHEESE PHOTO VIA GETTY IMAGES)
オリーブオイル(07 of17)
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地中海の食材は、主役のオリーブオイルが、世界で最も健康的な食事法の一つとして脚光を浴びてきた。オリーブオイルの脂質は、加齢による認知機能の低下を防ぐ効果があるという。 (credit:BRIAN HAGIWARA VIA GETTY IMAGES)
サーモン(08 of17)
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サーモンはどう食べても、寿司でもベーグルの具にはさんでも、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいる。これらは、認知機能の低下の予防し、炎症を抑える効果がある (credit:TRINETTE REED VIA GETTY IMAGES)
クランベリー(09 of17)
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タルトを食べるときは、クランベリーが乗っているものを選ぼう。ベリーは健康長寿を支える抗酸化物質を含む。そしてさらには、ある研究では、オレガノとクランベリーを混ぜたものがショウジョウバエの寿命を延ばすことが発見された。\n\n研究グループは、その植物の混合物が人間に対しても同様の効果を持ち、加齢性疾患を避けるのに役立つと述べた。 (credit:MAXIMILIAN STOCK LTD. VIA GETTY IMAGES)
辛い食べもの(10 of17)
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もしあなたが辛いものが好きなら、かなり長い間、スパイスの効いた人生を楽しめるかもしれない。最近発表された中国の研究では、コショウなど辛い食材を食べる人たちは、早死にする可能性が低かったという。同研究グループは、辛いものを食べる人は、がんや心疾患で死亡するリスクが低いことも発見した。\n (credit:IAIN SARJEANT VIA GETTY IMAGES)
緑茶(11 of17)
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コーヒーをお茶に替える必要はないが、日々の飲みものに、緑茶を加えるといいだろう。カテキンを含む緑茶や紅茶は、あなたの心臓を守る作用がある。\n\nある日本の研究では、緑茶を大量に飲む人、または1日に最低500ミリリット程度を飲む人は、心臓疾患や心臓発作のリスクが低く、より長生きする傾向があるという。\n (credit:ANDREW UNANGST VIA GETTY IMAGES)
ニンニク(12 of17)
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ニンニクは、風味のあるどんな食事もより良いものにするものだが、それをそこに添えてもなお良い。それを食べることには寿命を延ばす潜在力がある。ニンニクには抗酸化物質が詰め込まれていて、血圧の調整に役立つと考えられている。 (credit:LS9907 VIA GETTY IMAGES)
ホウレンソウ(13 of17)
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最近の研究で、豊富なビタミンKを含むホウレンソウ(青菜)を食べることは、加齢による認知機能の低下を防止する効果があるという。 (credit:RACHEL HUSBAND VIA GETTY IMAGES)
アボカド(14 of17)
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どうぞアボカド・トーストを作り続けてください。その素晴らしいフルーツはストレスを低減する効果があり、抗酸化作用のあるビタミンEも多く含まれる。 (credit:PATRIZIA SAVARESE VIA GETTY IMAGES)
リンゴ(15 of17)
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リンゴは、抗酸化物質を豊富に含む素晴らしい食品だ。リンゴの栄養をちゃんと摂取するために、必ず皮を食べるようにしてほしい。そこには多くの栄養素が含まれている。リンゴは食物繊維を含み、消化器官の健康維持や心臓疾患の防止の効果があるという。 (credit:JUPITERIMAGES VIA GETTY IMAGES)
アスパラガス(16 of17)
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アスパラガスの茎は、“抗酸化物質の母”といわれるグルタチオンを豊富に含む。それは心臓疾患や認知症、がんのリスクを低減する。また、アスパラガスに含まれる葉酸は、認知機能を支える効果があり健康な脳づくりをサポートする。 (credit:JUPITERIMAGES VIA GETTY IMAGES)
キムチ(17 of17)
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キムチやサワークラウト、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる善玉菌は、不安や憂鬱などの症状を抑制する効果があることがわかった。さらに良いことに、ほとんどのキムチにはニンニクを含まれるため、その強力な抗酸化物質も一緒に食べられる。ある研究では、キムチに含まれる善玉菌のひとつ、乳酸菌が結腸がん防止に役立つという。 (credit:RUNPHOTO VIA GETTY IMAGES)

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