「遺伝子組み換え食品、使いません」アメリカの人気ファストフード店が宣言した理由とは

アメリカで人気のメキシコ料理のファストフード・チェーン「チポトレ・メキシカングリル」は、店舗で提供するすべての食べ物を「GMOフリー(遺伝子組み換え食品を使っていない食品)」にすると発表した。
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アメリカで人気のメキシコ料理のファストフード・チェーン「チポトレ・メキシカングリル」は、店舗で提供するすべての食べ物を「GMOフリー(遺伝子組み換え食品を使わない食品)」にすると発表した。

チポトレはすでに4月27日から、GMOフリーの食べ物だけを提供している、とニューヨーク・タイムズ紙は報じている。これは、大手レストランチェーンとしては初めての取り組みだ。

チポトレの共同CEOを務めるスティーブ・エルス氏はニューヨーク・タイムズ紙に次のように語っている。「今回の決定は『ファストフードのイメージと食べ方を変えたい』という私たちの目標実現に向けた取り組みの一つです。短時間で調理するからといって、必ずしも保存料や増量剤、安定剤、人工着色料、香料で加工された安い原材料を使わなければいけないというわけではありません」

チポトレのGMOフリーに向けての取り組みは数年か前から始まっており、2013年にはレストランチェーンとしては初めて、食材に遺伝子組み換え食品が含まれるかどうかをメニューで全面的に開示した

また、2014年にハフポストUS版に寄せたブログの中でエルスCEOはこう述べている。「遺伝子組み換え食品が持つ可能性は、良く言えば『まだ確認されていない』、悪く言えば『非現実的』です。これまで人間が食用としてきた植物や動物は、人類とともに何千年もかけて進化し、私たちに欠かせない栄養を提供してきました。人間はそれと引き換えに、責任をもってそれらの植物や動物を大切に育ててきたのです。人類の歴史の中で育んできたこの素晴らしい関係を、今後も持続させていくための力になりたいとチポトレは思っています」

CNNマネーによると、チポトレは豚肉と鶏肉については、まだ「遺伝子組み換え飼料」を食べて育った豚や鶏の肉を使っているそうだ。しかし大豆油はGMOフリーのヒマワリ油や米ぬか油にかえるなど、その他の遺伝子組み換え食品を含む食材はすべてメニューから消えたと、チポトレは述べている。

エルスCEOはCNNマネーに次のように語っている。「これまでのファストフードモデルを過去のものにしてしまおうと思っています。昔ながらの方法で調理した栄養のある食べものを、誰もが手軽に食べられるようにしたいのです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司/ガリレオ]

チポトレについて知られていない6つの事実
フランチャイズ店はない(01 of06)
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ほとんどのファストフード店は、直営店もあるが多くはフランチャイズ店だ(たとえばマクドナルド従業員の9割はフランチャイズ店勤務で、同社は従業員の平均賃金を公表していない)。しかしチポトレでは、すべての店を同社が所有・経営している。\n\nPhoto Credit: Chipotle\n
1日に10万個のアボガドを消費する。(02 of06)
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シンガーソングライターのジェイソン・ムラーズが経営する農場でつくられるアボガドも含まれている。\n\nPhoto Credit: Thinkstock \n\n
雇用の基準が高い(03 of06)
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従業員に求める基準は高く、働き続けたいと考える従業員も多い。\nチポトレは、従業員の入れ替わりが非常に少ないことで有名だ。\n\nPhoto Credit: David Sundberg\n
BGMにこだわっている(04 of06)
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各店舗で流す音楽は、DJのクリストファー・ゴラブが毎月作る500曲あるプレイリストから選ばれている。\n\nPhoto Credit: iStock/ Thinkstock\n\n
広告も自家製(05 of06)
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チポトレの規模だと、広告代理店を使わない企業は非常に珍しい。しかしチポトレは社内で広告を制作しており、小さな農場の価値を訴える動画広告などで有名になっている。\n\nPhoto Credit: Chipotle \n
インテリアデザインは、CEOの友人が担当(06 of06)
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エリスCEOの大学時代の友人ブルース・ゲスウェルが、店内のテーブルや椅子などをデザインしている。店内に飾られているマヤ文明風の彫刻も彼の作品だ。350ドルから900ドルで購入することもできる。\n\nこのほかについては、こちらを参照。\n\nPhoto Credit: David Sundberg\n

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