日本初のクリスマスツリーはドイツからやってきた ツリー発祥の地、ドイツでのクリスマスの楽しみ方

クリスマス・イブまであと2日!クリスマス気分を一層盛り上げてくれるツリーは、日本のクリスマスにも欠かせない。日本で初めてクリスマスツリーが飾られたのは江戸時代末期、ドイツ人の手によるものだという。そんな情報を“こっそり”教えてくれたのは「」で、ドイツの子供たちがクリスマスプレゼントを二度もらえる理由やブラックサンタの正体などを紹介してくれたドイツ大使館居候ネコさん()...
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エアフルト(テューリンゲン州)のクリスマスマーケット

クリスマス・イブまであと2日!

クリスマス気分を一層盛り上げてくれるツリーは、日本のクリスマスにも欠かせない。日本で初めてクリスマスツリーが飾られたのは江戸時代末期、ドイツ人の手によるものだという。そんな情報を“こっそり”教えてくれたのは「プレゼントが2度もらえる! 大使館ネコに聞くドイツのクリスマス」で、ドイツの子供たちがクリスマスプレゼントを二度もらえる理由やブラックサンタの正体などを紹介してくれたドイツ大使館居候ネコさん(@neko_blog)。Twitterでも人気の居候ネコさんに、今回はドイツの伝統的なクリスマスの過ごし方やクリスマス料理などを聞いた。

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ドイツ大使館居候ネコさん。ろうそくの秘密は本文後半で


――日本初のクリスマスツリーはドイツ生まれなの?

そうニャんだ=^_^= 1860年、日本との修好通商条約を結ぶために来日したプロイセン王国(まだドイツじゃなかったんだ…)のオイレンブルク伯爵が、滞在先の公館でクリスマスツリーを飾ったんだよ。それが日本で初めてのクリスマスツリーだと言われているよ♪
実はクリスマスツリーはドイツが発祥の地なんだニャ=^_^=

クリスマスツリーの原型は、北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭りで使われていたモミの木。冬でも青々と葉が茂るモミの木は、ドイツ人にとって生命力の象徴で、冬至のころに部屋に置き、長く厳しい冬を乗り切る精神的な支えにしていた。それが、クリスマスに飾られるようになったという。

今年も、ドイツ大使館にも立派な本物のモミの木を使った立派なクリスマスツリーが飾られているニャ=^_^= お星さまやハートのオーナメントがとってもすてき♪これは、東北のお母さんたちの手作り。オーガニックコットン製品の製造過程で出る残布を活用して作られたんだって。2年前に大使館職員がみんなで寄付金を集めて買ったんだよ。

■ツリーはイブに買いにいって飾り付け

日本ではクリスマス前に飾られるツリー。しかし、ドイツでは用意する時期がちょっと違う。

ドイツでは12月24日のクリスマス・イブにモミの木に飾り付けをするんだニャ。もちろん、モミの木は本物。事前に用意しておく場合もあるけど、24日朝にモミの木を買いに行くこともあるよ。広~い農場にずら~り並んだモミの木の中から、自分で選んで切って持ち帰るんだ。

ツリーは1月6日の「三王来朝の日」(イエス・キリストの誕生を聞いた三賢者が祝福しに来た日)頃まで飾られているよ。

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クリスマスツリーを探して


居候ネコさんの話をふまえ、ドイツ大使館の2等書記官ドミニク・ボーネンさんにクリスマス・イブの日の過ごし方を詳しく聞いた。ボーネンさんの家のクリスマス・イブは、毎年モミの木の買い出しから始まる。家族が集まるクリスマスに「いかに良いツリーを選ぶか」は重要な仕事。ボーネンさんは「『今年のツリーはいいね』とか『サイズがぴったりね』などと、みんなにジャッジされるんです。ツリー選びは失敗できないから、気合いが入ります」と明かす。

ツリーにはライトやキャンドル、手作りした物や各家庭で受け継がれたオーナメントも飾られる。木製のオーナメントやクリスマス装飾品のほとんどが、ドイツ東部エルツ地方の職人による伝統的な手作り玩具。各地で開かれるクリスマス・マーケットでも様々な種類のオーナメントが売られている。

――クリスマスが終わるのが1月6日なら、始まるのはいつ?

クリスマスの4週間前の日曜日(今年は12月1日)から12月25日までを「アドヴェント」と呼んで、クリスマスに向けての準備をするよ。

子供たちが好きなクリスマスのイベントの一つが「アドヴェンツカレンダー」。これは、12月1日から25日までの数字が窓になっているカレンダーで、毎日1枚ずつカレンダーを開けて「クリスマスまであと何日♪」って指折り数えて楽しみにするんだ。最近の子供たちには窓の中にチョコレートが入っているものが人気だよ。

アドヴェンツカレンダーには色々な種類があるけど、大好きなバイエルン・ミュンヘンのアドヴェンツカレンダーをもらったときは、大興奮したニャ~♪=^_^=

アドヴェントが始まる前に各家庭でまず用意されるのが「アドヴェンツクランツ」。リースに4本のロウソクを並べた飾りで、各家庭で手作りされることが多い。クリスマスからさかのぼって四つ前の日曜日に1本目のロウソクに火をともし、日曜日ごとに1本ずつ点灯していき、クリスマスまでの気分を盛り上げていく。

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アドヴェンツクランツ

居候ネコさんもTwitterアイコンのアドヴェンツクランツのろうそくを日曜日ごとに点灯していた。12月22日は第4アドヴェント。最後のろうそくを灯したとTwitterで報告している。

■クリスマスのお袋の味はクッキー

――ドイツではクリスマスにどんな料理を食べるの?

ドイツのクリスマスに欠かせない食べ物と言えば、どこの家庭でも作られるクッキー! レープクーヘン、シュペクラティウス、ヴァニレ・キップフェール、フロレンツィーナー・・・ 形もツリーや月、星など、い~っぱい種類があるよ。

ドイツのクリスマス・クッキーは「プレッツヒェン」と呼ばれていて、今はスーパーで、簡単に作れるキットも売られているけど、多くの家庭では、お母さんがオリジナルのレシピを持っているんだ。まさにドイツ人にとって「おふくろの味」だニャ=^_^=

クリスマス・イブの24日は、朝からツリーの準備や飾り付け、教会へ行くなど忙しい。夕食の準備も朝から始まる。クリストキントからのプレゼントを開けたら、家族そろってディナーを楽しむ。クリスマス・イブに食べる伝統的な食事は、コイ料理やソーセージ、ポテトサラダ、オイルフォンデュなど。

クリスマスの祝日の25日には、クリスマスの代表的な料理のガチョウのローストや赤キャベツの酢漬け、クヌーデル(ジャガイモ団子)を楽しみ、近くの親戚を訪ねたり、近所を散歩したりして、静かにゆっくり過ごすという。

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■クリスマスマーケットの楽しみ方

――日本でも最近よく見かけるクリスマス・マーケット。ドイツのクリスマス・マーケットは有名だね。

ドイツのクリスマス・マーケットの定番は、レープクーヘン(ハチミツが入ったシナモン風味のクッキー)やシュトレン(レーズンやナッツが入ったドイツの菓子パン)、焼きアーモンド、寒さ厳しいドイツで身体を温めるのにぴったりなグリューワイン(香辛料と一緒に温めた甘いワイン)など。う~ん、美味しそう!今スグ行きたいニャ。

ドイツでは毎年200万人が訪れるというニュルンベルクの「クリストキンドレスマルクト」が有名だね。日本でも、東京や札幌、大阪などで開かれているから、本場のクリスマス・マーケットをぜひ楽しんで欲しいニャ~=^_^=

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ドレスデンのクリスマスマーケット

アドヴェントの期間中、ドイツ各地でクリスマス・マーケットが開かれる。クリスマス風の飾り付けをした屋台がずらりと並び、街も華やかなイルミネーションに彩られて幻想的な雰囲気に包まれる。クッキー型やツリー用オーナメントなどのクリスマスの必需品から、良い香りの煙を出す煙出し人形、くるみ割り人形、クリッペ(イエス・キリストの生誕の様子を人形で表したもの)といった伝統的なものまで、様々な商品が売られている。

ステンドグラスを使ったオーナメントやキャンドル、仕掛けが施されたクリスマスピラミッド(台に取り付けたロウソクに火をともすと、ロウソクの炎の熱で起きた上昇気流によって、上段の羽や天使などの人形がゆっくり回転する装飾品=写真下)など、職人による手が込んだ商品も多い。

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クリスマスピラミッド

ドイツ観光局によると、大都市だけでも2500以上のクリスマス・マーケットが開かれ、世界中から多くの観光客が訪れる。日本でも、東京・六本木、横浜、札幌、大阪、名古屋などで開かれている。本場ドイツのクリスマスの雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。

☆日本で開催中のドイツ・クリスマスマーケット☆

12月24まで、11:00~21:00 大通公園2丁目「さっぽろホワイトイルミネーション」、札幌駅前通地下歩行空間

12月25日まで11:00~21:00 六本木ヒルズ大屋根プラザ

12月25日まで11:00~22:00 横浜赤レンガ倉庫イベント広場

12月25日まで、久屋大通り園久屋広場(名古屋・栄)

12月25日まで、梅田スカイビル・ワンダースクエア

12月25日まで、博多駅前広場

【ドイツ大使館居候ネコ プロフィール】

ボクは緑あふれるドイツ大使館の敷地内にこっそり住み着いたネコ。名前はまだニャい。ツイッターの「Miau!」はドイツ語の猫の鳴き声。誰かいい名前つけてくれないかな、と思っているけど・・・まだ誰もボクに気づいてないみたい。

好きな食べ物はグミ。実はサッカー・ブンデスリーガ「バイエルン・ミュンヘン」の大ファン!内田篤人選手や長谷部誠選手、岡崎慎司選手ら多くの日本人も活躍するブンデスリーガをいつも注目。ブログではつい試合解説に熱くなってしまうニャ=^_^;=

大使館では毎日いろいろなことがあるよ。「ドイツ大使館ネコのきまぐれブログ」やTwitter(@neko_blog)でボクが見たドイツ大使館の様子をこっそり教えてあげるから、みんな見てね! 大使館のFacebookでもドイツに関する情報を発信しているよ。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています
ヨーロッパ伝統のクリスマス・マーケット10選
ポーランド、ヴロツワフ(01 of10)
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古くから交易・金融業で知られるヴロツワフの町 では、毎年この時期になるとシフィドニツカ通りから旧市街へかけて、伝統のお菓子やオーナメンツはもちろん、手作り石鹸や皮・ウール製品を扱うお店など、様々な屋台が軒を連ねます。ここでしか味わうことのできないオスチペク(羊のミルクから作られたスモークチーズ)や、ハンガリーやリトアニアといった近隣諸国の郷土料理を楽しむこともできます。冷えた身体を温めるにはグジャニエ ッツと呼ばれるホットワインがおすすめです。 (credit:trivago )
ベルギー、ルーヴェン (02 of10)
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ベルギーの首都、ブリュッセルから列車で20 分ほどに位置するルーヴェンは学生で活気ある街です。旧市街の中心に位置するラデウズ広場と、ヘ ルベルト・ホーフェルト広場には約140もの屋台が立ち並び、毎年10 日間で約50万人の人が訪れます。伝統的な木製のクリスマス雑貨や、ベルギー西部を代表するスペキュロスと呼ばれるお菓子 など、ベルギーのクリスマスを満喫することができます。ビール好きには、すぐ側にあるアルトワ醸造所のクリスマス限定ツアーも見逃せません。 (credit:trivago )
オーストリア、ザルツブルグ(03 of10)
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モーツァルトゆかりの地、ザルツブルグのクリスマスマーケットは煌びやかなライトアップと美しい音楽が訪れる人を魅了します。この街を象徴する大聖堂前のドーム広場と、隣接するレジデンツ広場にまたがるようにして、伝統工芸品や焼き菓子など様々な出店が並びます。さらに、ブラスバンドの演奏やクリスマスキャロルのアンサンブルが会場に華を添えます。鮮やかなイルミネーションに彩られ、甘い焼き菓子の香りに包まれたマーケットをグリューワイン片手に楽しんでみませんか? (credit:trivago )
スウェーデン、イェーテボリ(04 of10)
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スウェーデン西部のイェーテボリにあるリセベリという北欧最大のテーマパークは、この時期になると華やかなクリスマスマーケットに変貌を遂げます。会場では、本物のトナカイがソリを引いて 歩く姿や、焚き火など本場クリスマスならではの風景を目にすることができます。芸術品や工芸品を集めたコーナーには、お土産にぴったりのアイ テムが揃っています。ポリカグリースと呼ばれる縞模様のキャンディーや、魚の燻製といったスウェーデン名物も味わうことができます。 (credit:trivago )
オーストリア、ウィーン(05 of10)
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1294 年から続くウィーン市庁舎前の伝統的なクリスマ スマーケットは、その鮮やかなライトアップやおとぎ話のような雰囲気から「アドヴェントの魔法」と呼ばれています。このマーケットの楽しみの一つは、1 から24の数字がふられた市庁舎の窓で、12 月1日からクリスマスイブまで毎日1つずつ開き、カウントダウンが行われます。また、市庁舎内では子供を対象にしたクッキーやキャンドル作りの体験教室や、無料のコン サートが開催されるなど、子供から大人までが一緒に楽しめる企画が数多く用意されています。 (credit:trivago )
ドイツ、ニュルンベルグ(06 of10)
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ドイツ、ニュルンベルグの「クリストキントレス・マルクト」は世界一有名なクリスマスマーケ ットと言われ、毎年200 万人以上の観光客が訪れ ます。シンボル的存在でもあるクリストキントは2年に1 度、地元の女の子の中から選ばれ、白と金色の華やかな衣装を身にまとい様々な場に登場します。ところ狭しと並ぶ屋台も世界最大級。名物のニュルンベルガーソーセージはお忘れなく。 職人の街で造られたクリストキントの置物や、幸運のシンボルと言われるプラム人形も必見です。 (credit:trivago )
オランダ、マーストリヒト(07 of10)
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「マジカル・マーストリヒト」と呼ばれるこのクリスマスマーケットは、ドイツとベルギーの国境にもほどちかいオランダ、マーストリヒトの中心 部、フライトホフ広場で行われます。煌びやかに彩られた敷地には、マーケットともにスケートリンクや巨大な観覧車が出現。高さ60メートルの観覧車からは、光に包まれたマーストリヒトの街をパノラマで眺めることができ、ロマンチックな夜を演出します。また、オランダ名物のポッフェルチェスやクロケットを食べずには帰れません。 (credit:trivago )
ドイツ、ハンブルク(08 of10)
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ドイツ第2の都市、ハンブルクでは数多くのマ ーケットが開かれます。中でも、市庁舎前のマルクトが最大で、商業性よりもアート性を重視しているのが特徴です。南チロル地方の手工芸品を始め、数多くの芸術品が並びます。毎週日曜にはクリスマス・パレードが開催され、トナカイや妖精などに仮装した人々が市内を練り歩きます。マルクトの後は、この時期に行われる有名オペラや、クラシックコンサートの特別公演を楽しむのも良いかもしれません。 (credit:trivago )
フランス、ストラスブール (09 of10)
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クリスマスツリー発祥の地として知られるフラン ス、アルザス地方のマルシェ・ド・ノエルは 1570年から続くフランス最古のクリスマスマーケットです。カテドラル広場を中心に街の数箇所にアルザ ス地方特有の木組みの出店が建ち並び、伝統的な工芸品やオーナメント、アルザスワイン、ブレデレと呼ばれるアルザス地方特産のビスケットを楽しむことができます。クレベール広場に飾られた、本物のもみの木にデコレーションがされた巨大クリスマスツリーも要チェックです。 (credit:trivago )
イタリア、メラーノ(10 of10)
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標高3000 メートル級の山々に囲まれた北イタリアのメラーノは、夏は避暑地として、冬は温泉保養地として人気のリゾートです。この時期になると、町の中心を流れるパッシリオ川沿いにはいくつもの屋台が並び、まるで絵に描いたようなクリスマスの風景を目にすることができます。カトリ ック教徒が多いイタリアでは、クリスマスは1年で最も重要な日。派手すぎず、どこか温かみのあるこのマーケットで、本場のクリスマスを体験して見てはいかがですか? (credit:trivago )