まちづくりをバージョンアップする覚悟はあるか

過疎った町や村の活性化が全国津々浦々で取り組まれていますが、全国に「過疎」のまちっていくつあるんでしょうか?
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過疎った町や村の活性化が全国津々浦々で取り組まれていますが、全国に「過疎」のまちっていくつあるんでしょうか?

調べてみたところ、全国には1719もの市町村があり、約45%の775が過疎市町村とされているみたいです。私の生まれ故郷である北海道では、179市町村あるうちの143市町村(21市、110町、12村)が過疎市町村。なんと約80%!

過疎によって医療や介護、福祉などの労働集約的な産業においては満足にサービス提供を行き渡らせることが難しくなりますので、生活へ大きな打撃を与えてしまいます。そのような産業分野で働く人は、大抵その勤務先の市町村に住むことになりますので、自身にとっても満足にサービスを受けられないような市町村は敬遠され、「満足にサービスが提供できない→人が集まらない→もっと満足にサービスが提供できない...」と負のループが市場原理とともに顔をのぞかせます。

■地域の衰退は古参が幅をきかせるから?

誰しも居心地がいい空間には居たいものです。mixiなどのSNSだって、サービスの変化や他のSNSの攻勢によって、より居心地のいいSNSへと引っ越しが始まります。ほかにはこういう原因もあるのではないでしょうか?「古参が幅をきかせるから」という。

あたかも長年住み着いた人が悪いみたいな表現になっていますが、別に「老害だ!」なんていいたいワケではありません。バッキバキのSkrillexが流れる道玄坂のクラブハウスに米寿を迎えたばかりの杉田辰之助(仮名)さんが入りやすいかどうかを想像してみると、そうでもないなと分かるわけです。

緊密的なコミュニケーションを強いられる土着的な性質ゆえに、しがらみも邪魔をすることだってあります。ひとつのまちのなかにはいろんな組織・立場がありまして、ちょっと挙げてみるだけでも役場、議会、商工会、農協、漁協、観光協会などなど...。さらに地縁・血縁なども重なり、さらにさらに人口が少ないので一人で何役も担っているケースが多々あり(例:議員 兼 観光協会長 兼 旅館経営 など)、スクラムを組んだソーシャルグラフがしがらみを生み、それが利益分配をがんじがらめにし過疎の打開策の推進を妨げていることもあるかもしれません。

■成功体験に固執しないこと

ゆるキャラ、B級グルメ、ご当地アイドルなどの成功事例を追っても、競争が激化して市場は盛り上がりますが、おいしいところを持っていくのはゲームの親だったり、上位数%の限られたプレーヤーという世界です。

過疎が進んだ町は人口が少ないニッチなウェブサービスのようなものなので、マスを狙わずに一定数のファンや移住者を集めるような施策を打つべきではないでしょうか。独自のコンテンツで、多くの人を惹き付けている事例があります。例えば徳島県神山町ではサテライトオフィスプロジェクトがあり、光ファイバーを完備してIT企業を多数誘致。同じく徳島県の上勝町では「葉っぱビジネス」で料理のつまものとして使う葉っぱを出荷。雇用と税収入を生むなど、立派な事業として成り立っています。北海道ではニセコ町が積極的な海外対応を進め、海外からのスキー客で賑わっています。おしのびでケネディ駐日米国大使が訪れるほどの人気です。

変わらないために、変わり続けないと。維持とは「維持させようとする力が働く」から維持できるものなのです。伝統を隠れ蓑にして新しいことに取り組まない姿勢だったり、失敗を恐れて言い訳がしやすい成功事例ばかりをなぞったりではいけないと思います。サービス利用者である市民には失敗を許容する姿勢も求められるのですが。

ヤフーだってPC時代の成功体験に固執せず、スマホ時代へ向け「10倍挑戦して5倍失敗して2倍成功する」「異業種最強タッグ」「未踏領域への挑戦」などのキャッチフレーズを掲げました。これに似た地域活性のベタな言葉がありますよね。「若者、バカ者、よそ者」という言葉が。若者のような行動力、バカ者のありえない発想、よそ者の第三者的な冷静な視点が、成熟しきって腐敗に進む分野においては普遍的に求められるのです。

ほっといても売れるようなバブルの時代をいつまでも引きずっていてはいけません。産業構造だってどんどんと変化していっています。成功体験に固執しないで(「既得権」に言い換えてもいいかもしれませんが)、過疎による不具合を解消するためにも、従来の取り組み方の思考をバージョンアップができる「覚悟」をもって行動にうつしだせるかどうかが、サステナビリティをもったまちづくりができるかのターニングポイントになるはずです。

ご当地グルメの祭典 B-1グランプリの画像集
B-1グランプリ/浪江焼麺太国のなみえ焼そば(01 of15)
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ご当地グルメの祭典「第8回B―1グランプリ」でゴールドグランプリに輝いた、浪江焼麺太国(福島県浪江町)のなみえ焼そば=10日午後、愛知県豊川市 撮影日:2013年11月10日 (credit:時事通信社)
B-1グランプリ/1位に選ばれた浪江焼麺太国(02 of15)
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ご当地グルメの祭典「第8回B―1グランプリ」で、ゴールドグランプリに輝き喜ぶ浪江焼麺太国(福島県浪江町)のメンバーら=10日午後、愛知県豊川市 撮影日:2013年11月10日 (credit:時事通信社)
B-1グランプリ・売れる「なみえ焼そば」 (03 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「第6回B―1グランプリ」で出展された福島県浪江町の「なみえ焼そば」を買い求める来場者(兵庫・姫路市)撮影日:2011年11月13日 (credit:時事通信社)
B―1グランプリ・グランプリの八戸せんべい汁 (04 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「第7回B―1グランプリ」でゴールドグランプリを受賞した、八戸せんべい汁研究所(青森県八戸市)の「八戸せんべい汁」=21日午後、福岡県北九州市 撮影日:2012年10月21日 (credit:時事)
B-1グランプリ・浪江町の「なみえ焼そば」(05 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に出展した、福島県浪江町の「なみえ焼そば」=20日、北九州市 撮影日:2012年10月20日 (credit:時事)
B-1グランプリ・「なみえ焼そば」を販売する出展者(06 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「第6回B―1グランプリ」で、福島県浪江町の「なみえ焼そば」を販売する出展者(兵庫・姫路市) 撮影日:2011年11月13日 (credit:時事)
B-1グランプリ・「なみえ焼そば」4位に(07 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「第6回B―1グランプリ」で4位となり、表彰される福島県浪江町「なみえ焼そば」のPR担当八島貞之さん(左手前)と出展者ら(兵庫・姫路市)撮影日:2011年11月13日 (credit:時事通信社)
B-1グランプリ・石巻焼きそば (08 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に出展した、宮城県石巻市の「石巻焼きそば」=20日、北九州市 撮影日:2012年10月20日 (credit:時事)
B級グルメ・「甲府鳥もつ煮」が優勝 (09 of15)
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B級ご当地グルメ日本一を決める祭典「第5回B―1グランプリ」で、ゴールドグランプリに選ばれた甲府市出品の「甲府鳥もつ煮」(神奈川・厚木市) 撮影日:2010年09月19日 (credit:時事)
B級グルメ・優勝の「甲府鳥もつ煮」(10 of15)
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B級ご当地グルメ日本一を決める祭典「第5回B―1グランプリ」で優勝して金色のはしを掲げる、「甲府鳥もつ煮」(甲府市)を出品したメンバー(中央)ら。同左は神奈川県厚木市の小林常良市長(神奈川・厚木市)撮影日:2010年09月19日 (credit:時事)
B-1グランプリ・表彰を受ける「ひるぜん焼そば」出展者ら (11 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「B―1グランプリ」で1位に選ばれ、表彰される岡山県真庭市「ひるぜん焼そば」の出展者ら(兵庫・姫路市) 撮影日:2011年11月13日 (credit:時事)
B-1グランプリ・2位の「津山ホルモンうどん」 (12 of15)
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B級ご当地グルメの祭典「第6回B―1グランプリ」で2位に選ばれ、表彰される岡山県津山市「津山ホルモンうどん」の出展者代表(兵庫・姫路市) 撮影日:2011年11月13日 (credit:時事)
全国の「ご当地グルメ」集結(13 of15)
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全国の「ご当地グルメ」が集結したB―1グランプリ。グランプリを獲得した「横手やきそば」をはじめ、多くの店に行列ができた(秋田・横手市) 撮影日:2009年09月20日 (credit:時事)
「B―1」優勝の富士宮やきそば (14 of15)
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B級ご当地グルメ日本一を決める祭典「B―1グランプリ(GP)」で2連覇を達成した「富士宮やきそば」(静岡・富士宮市) 撮影日:2007年06月03日 (credit:時事)
B級グルメGP(15 of15)
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B級ご当地グルメ日本一を決める祭典「B―1グランプリ(GP)」に出品された静岡おでん(静岡・富士宮市) 撮影日:2007年06月03日 (credit:時事)
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「くまモン体操」を見学される両陛下(01 of13)
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マスコットキャラクター「くまモン体操」を見学される天皇、皇后両陛下=2013年10月28日午前、熊本県庁 (credit:時事通信社)
くまモン展を見学される両陛下(02 of13)
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マスコットキャラクター「くまモン」の展示を見学される天皇、皇后両陛下=2013年10月28日午前、熊本県庁 (credit:時事通信社)
「くまモンMINI」(03 of13)
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パディントンベア(右)と一緒に、独BMWの特別仕様車「くまモンMINI」を披露するくまモン=2013年7月11日、英オックスフォード (credit:時事通信社)
くまモンとパディントンベア(04 of13)
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7月11日、英オックスフォードにある独BMWの工場を訪れ、パディントンベア(右)の出迎えを受けるくまモン (credit:時事通信社)
山岸舞彩さんとくまモン(05 of13)
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「日経トレンディ」誌の「2013年上半期ヒット商品ベスト30」発表会でキャスターの山岸舞彩さん(右)と握手する「くまモン」=2013年6月3日、東京・赤坂 (credit:時事通信社)
優木まおみさんとくまモン(06 of13)
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JR東京駅の商業施設「東京駅一番街」の東京キャラクターストリート開業5周年を記念したPRイベントに登場した、タレントの優木まおみさん(左)と熊本県のご当地キャラクター・くまモン=2013年3月7日、東京都千代田区丸の内 (credit:時事通信社)
JALの機内食「AIRくまモン」 (07 of13)
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日本航空が6月1日から国際線欧米路線(一部を除く)で提供する熊本県のご当地グルメ「太平燕」を使った機内食「AIRくまモン」を手にする熊本県のPRキャラ「くまモン」=2013年5月30日、東京都大田区 (credit:時事通信社)
くまモンとみうらじゅんさん(08 of13)
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国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2013」で観光映像大賞特別賞「勝手に観光協会」のみうらじゅんさんと安齋肇さん。プレゼンターのくまモンとそろってポーズ=2013年5月30日、東京都内 (credit:時事通信社)
上半期ヒット商品ベスト30を発表 (09 of13)
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「日経トレンディ」誌の「2013年上半期ヒット商品ベスト30」が発表され、「ゆるキャラ」や「あまちゃん」などがランクイン。ゲストで登壇した福士蒼汰さんと山岸舞彩さんがそろって「くまモン」ポーズ=2013年6月3日、東京・赤坂 (credit:時事通信社)
くまモンがテディベアに(10 of13)
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熊本県のご当地キャラ・くまモンが独シュタイフ社の「テディベア」となって発売されることになった。熊本県庁では元祖のくまモンが試作品の「テディベアくまモン」とご対面、わが子のようにかわいがっていた=2013年5月10日 (credit:時事通信社)
くまモンとソラカラちゃんがお祝い(11 of13)
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開業1周年を迎えた東京都墨田区の東京スカイツリータウンに2013年5月22日、熊本県のご当地キャラクター「くまモン」が県のPRとお祝いに駆けつけた。東京スカイツリー公式キャラクターの「ソラカラちゃん」にダンスを披露する一幕も。 (credit:時事通信社)
人気のくまモン、今度は大空へ(12 of13)
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熊本県のご当地キャラクターくまモンが、ソラシドエアの新型機(ボーイング737-800)のデザインに採用され、就航記念セレモニーが行われた。その名も「くまモンGO!」で、26日から羽田-熊本便などに1年間就航する=2013年3月26日、東京・羽田空港 (credit:時事通信社)
くまモンが東京でファン感謝デー(13 of13)
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「ゆるキャラグランプリ2011」でグランプリに輝き、感謝イベントを開催した熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」(東京・港区)=2011年12月18日撮影 (credit:時事通信社)