補助のない(訪問型)病児保育は地方で成り立つか

12年間訪問型病児保育を運営してきた身として、辿り着いた結論があります。
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名古屋で訪問型病児保育をしたい、という団体から呼ばれ講演をしてきました。

これまで多くの団体さんから、「うちの地方でもフローレンスのような訪問型病児保育をやりたい」という申し出がありました。

また、申し出なく勝手にパクられたケースも多々あります。

12年間訪問型病児保育を運営してきた身として、辿り着いた結論があります。

【補助なしの訪問型病児保育は大都市モデル】

それは、フローレンスの訪問型病児保育は、大規模都市(東京・大阪・名古屋等)モデルなので、それ以外のところでは成り立たない、ということです。

フローレンスがノウハウを提供した中で、事業として成立・成長しているのは、大阪のNPO法人ノーベルのみ。

その他の類似事例のほとんどは失敗しています。

また、自分達でやっても思いますが、病児保育を強く必要とする共働き夫婦の実数が、ある一定値を超えなければ、補助金を入れないで成り立たせることはできないのです。

【地方で成り立たせる方法】

では地方中小都市に道はないのか。

つい最近、その可能性が出てきました。

それが、「企業主導型保育による病児保育室×訪問型モデル」です。

昨年から内閣府がスタートした企業主導型保育。これは自治体とは関係なく保育所を開園でき、補助も認可並に(ただし東京並ではない)もらえる制度です。

この企業主導型保育には「病児保育加算」というものがあり、病児保育つきの保育所を作れます

センターとなる病児保育室をこの制度を使って作り、そこに訪問型を独自に組み合わせ、施設に送迎していくモデルであれば、地方でも十分成立するでしょう。

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【国はどうすべきか】

厚労省は病児保育については、長年無策であり続けてきました。

厚労省の補助がつく病児保育室は、結局自治体の委託事業であり、自治体のやる気に左右されますし、小児科しかできないモデルなので、広がりようがありません。

内閣府の企業主導型保育の病児保育加算を活用しつつ、本丸厚労省は「病児保育バウチャー」を自治体に関係なく利用者が申請できるようにしていくことが、成りたたせるためには不可欠です。

いずれにせよ、待機児童問題の次は、保育人口が増えるのだから、必然的に病児保育ニーズが広がります

政策担当者の方々には、分かりきったことには、先手を打って対策して頂きたいと思います。

(2017年4月24日「駒崎弘樹オフィシャルサイト」より転載)