漫画家の蛭子能収(えびす・よしかず)さん(67)が、初の人生相談の著書「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)を出版した。
「群れるのが嫌い」という蛭子さんが、独特の緩い文体と語り口で、長崎から上京して漫画家として成功した苦労話などをちりばめながら、独自の人生観を披露している。
週刊誌「女性自身」に2014年6月から連載しているコラム。漫画雑誌「ガロ」連載時からのファンだったという編集担当者が「ある意味、人生相談に最も適さない」と依頼したという。「40年で1億円は損した」という競艇に絡めて回答するパターンが多いが、「蛭子さんにしてはいいこと言っている」との感想も編集部に寄せられるという。
蛭子能収のゆるゆる人生相談
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Open Image ModalQ:この4月から働き出しましたが、意欲もなくて…。蛭子さんのように、自由気ままに生きていたいんですが、どうすればいいですか?(22歳、会社員)
A:仕事で輝くという人生は変。
人は、競艇場で輝くために働くんです。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋 (credit:蛭子能収)
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Open Image ModalQ:ひとり暮らしの私はパチンコ依存症で、給料の半分は使ってしまいます。どうしたらやめられるでしょうか?(63歳、パート)
A:やめることはないですね。
仕事だと思って、パチンコを極めればいいんですよ。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋\n (credit:光文社)
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Open Image ModalQ:浮気性の夫に悩まされています。(39歳、主婦)
A:あっ、これはあなたに魅力がないからです。
離婚した方がいいですよ。しっかりお金をもらって。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋 (credit:蛭子能収)
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Open Image ModalQ:結婚前から上司と不倫を続けています。やっぱり上司とは別れるべきでしょうか?(31歳、会社員)
A:人は自由だし、どんな人生を歩んでもいいんですから。
ただ旦那にバレたとき、離婚するのか土下座して謝るのか、その覚悟は決めておいた方がいいかもしれません。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋\n (credit:光文社)
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Open Image ModalQ:もう表裏のある姑とは生活できません。(43歳、主婦)
A:いっそのこと「早く死んでくれ」と祈ってみるのはどうですか。
そして心の中で優位に立っていればいいんですよ。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋\n (credit:蛭子能収)
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Open Image ModalQ:わが家の子どもたちが、野菜が大嫌いです。(32歳、専業主婦)
A:子どもに嫌いなモノを食べさせるなど、親として失格です。
オレは息子や娘に、無理やり嫌いなものを食べさせたことはありません…というよりも、なにが好きな料理かさえ知りませんでした。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋 (credit:光文社)
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Open Image ModalQ:母は「亡くなったら海へ散骨してほしい」と。(47歳、主婦)
A:オレも死んだら、遺灰は競艇場にまいてもらおうかな…。いや、それは選手に悪いですね。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋\n (credit:蛭子能収)
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Open Image ModalQ:鼻が丸いのがコンプレックスです。(27歳、会社員)
A:美人の基準は変わっていくんですよ。だから鼻が丸いほうが美しいとされる時代まで待てばいいんです。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋 (credit:光文社)
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Open Image ModalQ:今の職業に夢を持てません。(25歳、ウェブデザイナー)
A:「やりがい」はたぶん、職業を変えるより、今の仕事を真面目にこつこつやっていれば、いつか見つかるようなものなんじゃないでしょうか。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋\n (credit:蛭子能収)
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Open Image ModalQ:あがり症で、緊張した場面になると、思うように言葉が出なくて失敗ばかり。(27歳、会社員)
A:恥をかいたっていいじゃないですか、人からどう思われようと。
「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)より抜粋 (credit:光文社)
6月23日にあった、ハフィントンポストなどとの主なインタビュー内容は、以下の通り。
――人生相談のコーナーを担当してほしいと言われて、どう思いましたか?
「週刊文春」で伊集院静さんがやっているのをよく見るので、えーっ、俺で大丈夫なのかなあ、と。ま、仕事だし、仕事はとりあえずあまり断らない主義なので。2カ月に1回ぐらい、担当者が持ってくるんですが、あ、連載なんですか、これ。へー。毎週出てる?本当に?
ですよね。でも、あんまり深く考えないようにして答えるようにしています。一応、真剣には考えるんですけどね。でも答えがあまり真剣に見えたらどうしよう、とも思う。
全然覚えてません。すみません。(本を開いて)…あれ、俺、こんなこと言った覚えないよ!いや、怖いわ。カットしてほしい。
――もう出版されてますが…。悩みは本人にとっては真剣ですよね。
本当に真剣なんでしょうか。もし真剣だったら申し訳ないですね。意外と簡単に答えてるんで。たぶん「どうせ蛭子さんだから、こんなのでいいや」って感じでしょうけどね。
――本当に自分で書いているんですか? もしかしてゴーストライター?
そうですね。自分がしゃべったことを編集さんが書いているだけです。自分で書けば、もうちょっとよくなったんですけどね。何しゃべったか覚えてないけど。
――相談を見ていて、世の中、みんな生きにくさを抱えてるんだなと思ったりしません?
もう、なんで人生を他人に相談してくるんだろうなと思う。そんなのは誰が見ても困っちゃうと思うんですよね。回答はない、自分で解決するしかないのにな、と思う。人に相談するんじゃなくて自分で解決しろよ、と思うんですか。
ないですね。全部自分で相談します。人がわかるわけないし。俺は頼まれてやってるだけだから。こんなこと相談しても一緒なのになあ、と。
正直、ありますね。でも仕事なんで、一応、お金もらってるんで。相談は…なるべくしないでほしい(笑)。
――まあ、みんな、悩みを抱えて誰かに相談したいんだと思うんです。そんな世の中の人たちに人生相談者として言いたいことは?
もし切実に悩んでいる人は、俺でなくて、伊集院さんに頼んでほしい。俺は軽い方で行きたいと思います。以上!