「生徒のスマホ中毒を教師が受け入れる」2015年、テクノロジーがもたらす教育の変化とは

2014年は、教育テクノロジーにとって最大の年だったと言えるだろう。しかし、本当にすごいことが起きるのはこれからだ。
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編集部注:Joe Mathewsonは、学習プラットフォーム、Fireflyを14歳の時に設立した。

昨今の教育技術の躍進は目覚しい。EverspringUdemyといった企業への多額の投資もあった2014年は、教育テクノロジーにとって最大の年だったと言えるだろう。しかし、本当にすごいことが起きるのはこれからだ。2015年には、このめまぐるしい分野に何がおこるのだろう?

テクノロジーが教室の一部になる

もちろん教室には何十年も前からパソコンが導入されているが、2014年には、多くの学校が教育と学習の一部として、ごく自然に取り入れるようになった。多くの学校が様々な製品やサービスを試行するにつれ、教師や生徒たちはテクノロジーの可能性への関心を高めていった。

次の年は、各教育機関が意志を統一して、今後数年間の導入方針を固めるときだ。そうすれば、テクノロジーは学習プロセスを補足するものではなく、教育の本質的な部分になっていくだろう。

クラウドが真価を発揮する

クラウドベースのテクノロジーは急速に普及している。しかし、教育分野はこの機会を利用することに関して他の分野に遅れをとっている。今年は、教育関係者がようやくその潜在力を活用しはじめるだろう。文書の保管、ウェブメールの管理、その他クラウドベースの学習管理システムを始めとする教室に特化したサービスが利用され始める。学校自身が予算を管理するようになり、自治体が予算削減を図るようになれば、多くの学校がクラウドソリューションへと移行していくだろう。これによって大幅に出費が軽減され、学校はテクノロジーよりも教育に専念できるようになる。

高まる要求

多くの教育者が、つながった教室のためのテクノロジーを使うようになると、より一層洗練されたソリューションへの要求が高まってくる。

実際、多くの教師は日常生活で、極めて効果的だが容易に使えるウェブツールに慣れている。今後彼らは、学校でも同じ環境の導入を訴え、教育を既成の消費者向け製品に無理やりあてがうことを拒むようになる。

生徒の携帯電話は禁止ではなく受け入れる

スマートフォンは、人々の交流のしかたを根本的に変えた。最近の調査によると、多くの人々が1日に100回あまりメールをチェックしているという。教師たちは若者たちの行動様式を認識しているが、この波に逆らうことは不毛であり、生徒たちがこれほど感情移入している道具の使用を禁止することは、逆効果である。

英国で行われた教室内で生徒にモバイル端末を与える実験によると、彼らの学習意欲、集中度、成績は向上した。今後同様の結果が増えてくれば、より多くの教師が、モバイル機器を禁止するのではなく活用するようになるだろう。

キュレーションが重要になる

英国のニック・ギブ教育大臣は最近、学校における教科書の「ルネサンス」を提唱した。たしかにインターネットは、紙の書物に対して厳しい戦いを仕掛けており、動きの早い分野に関する最新情報を届けている。しかし私は、この結果何十年にもわたって書物が提供してきた編集や 情報収集の重要性が見直されるだろうと考えている。

優れた編集者の権威は、生徒がどのコンテンツを信じるべきかの判断を助ける。 溢れかえる情報が生徒たちを溺れさせようとする2015年には、一つの真実が決定的な意味を持つことを、多くの人々が認識するだろう。これは、印刷書物の復活を意味するのではなく、デジタルで提供される知識に対する新たな敬意の発見である。

親はテクノロジーで子供の情熱を補う

親は子供の学習や発達の進展を、オンラインで見ることを要求しつつある。2015年の熱心な親たちは、学習、研究、そして宿題に役立つあらゆる教育テクノロジーを知り、利用することに専心するだろう。。

しかしテクノロジーの導入は、子供たちが心から魅せられる方法でなされることが重要だ。このためには、子供たちが何に最も関心があるか ― プログラミングであれ詩であれ ― を見極め、その関心事を見るための新しいレンズを与え、想像をかきたてるコンテンツを探求させることが何よりの方法だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

(2015年1月4日TechCrunch Japan「2015年、教師は生徒のスマホ中毒を受け入れる」より転載)

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