その政策は本物か? 各党の本気度がわかる4つの数字【衆院選2014】

女性の活躍や岩盤規制の打破などを掲げて衆院選を戦う各政党。その政策を数字から分析する。
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Mats Persson via Getty Images

12月14日に投開票が行われる第47回衆議院議員選挙は、475の議席をめぐって1191人が立候補した。各党が掲げる看板政策と、立候補者のデータなどを比較してみると、その本気度が透けて見えてきた。

■女性の活躍? 女性候補者16・6%

立候補者のうち女性は198人で、全体の16.6%だった。前回2012年の225人より27人減少した格好だ。

政党別に見ると、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%程度とする」と政権公約(マニフェスト)に明記した自民党は11.9%(42人)で、1割をわずかに上回ったに過ぎない。茂木敏充選対委員長は「比例代表の全ブロックに女性候補者を擁立している」と積極登用を強調するが、小選挙区でみると、立候補者283名のうち女性はわずか22人の7.8%となった。

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女性の候補者が少ないのは、前回の衆院選で大勝したことが一因だという。候補予定者がいない「空白区」が少ないためで、自民党関係者は「男性の前職を退けて女性を擁立するわけにはいかない」と説明した。

政党別に見ると最も割合が多いのは共産党で25.1%。新党改革が25.0%と続くが、候補者の一定割合を女性にする「クオータ制」の研究を始めた民主党は14.6%と、目標とされる30%の半分以下だった。

■岩盤規制打破? 新人候補、349人減

前職や元職の候補者が大勢いることは、新人候補者の大幅減少にもつながった。今回の新人候補者は604人と、全体の50.7%で、前回衆院選の953人に比べて349人減った。

政党別に見ると、「この2年間で雇用等、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていきます」とマニュフェストに記述した自民党は、新人候補58人を擁立したが、候補者全体では16.5%しかいなかった。また、野党も準備が間に合わず、民主党は53人で26.8%。維新の会は32人で38.1%となった。

解散前議席が少ない政党は新人比率も高く、共産党がトップで97.5%(解散前8議席)、社民党88%(同2議席)、次世代の党58.3%(同19議席)と続いた

■世代間格差の是正? 平均年齢は52歳

立候補者の平均年齢は52.2歳となり、前回の50.4歳から上昇した。

最年少は平成元年生まれの味村(みむら)耕太郎氏(共産党、神奈川12区、1989年5月26日生まれ)で25歳だった。最年長は86歳のドクター中松氏(無所属、東京5区、1928年6月26日生まれ)。政党からの立候補では、世代間格差の是正をマニュフェストに掲げている次世代の党の石原慎太郎氏(比例東京ブロック、1932年9月30日生まれ)が82歳で出馬となる。

政党別で平均年齢が最も低いのは、「世代間で公平な積立方式の年金制度への移行」を基本政策としている維新の党で46.2歳。年金支給開始年齢の67歳以上などへ引き上げを批判する社民党が最も平均年齢が高く55歳だった。

■ICT活用? 民主党のフォロワー増えず

情報通信技術(ICT)などインターネットに関わる政策について、各政党が活発に情報を発信しているTwitterの状況から見てみると、情報通信に関わる公約を積極的にアピールしていない次世代の党が、ここ3カ月間で最も多くフォロワーを獲得し、約7700増やした。次いで「行政等の分野でICTの利活用を推進する」としている自民党が約2500フォロアーを獲得して7万3000以上とした。「通信サービスの開花を促す」とうたう維新の党は、3カ月前には党の公式アカウントはなかったが、新設後に2300フォロアーを獲得した。

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一方で、2月7日のツイートの後、11月15日までツイートがなかった新党改革は90フォロアーしか獲得していない。また、「成長戦略の中核に情報通信(ICT)を位置付け、地域での暮らしや防災・減災を含め、先進的な展開を図ります」と公約にうたう民主党は430フォロアーを獲得するにとどまった。

2014衆院選 各党の政策パンフレット
自民党 (01 of09)
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「今、アベノミクスの成果が、日本を確実に再生させています。」\nとして、経済政策の実績をアピール。「経済再生・財政再建」「地方創生・女性活躍推進・少子化対策」「暮らしの安全・安心、教育再生」「外交・安全保障」の政策を掲げている。\n\n (credit:自民党)
民主党 (02 of09)
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「熱く豊かな中間層の復活」のために、経済政策3本柱では「柔軟な金融政策」、雇用の安定、子育て支援、老後の安心な生活のために「人への投資」、グリーン、ライフ、中小企業などの「成長戦略」を掲げている。 (credit:民主党)
維新の党 (03 of09)
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既得権益を打破し実体経済を成長させるため「身を切る改革で財源を生み出す」のほか、「政治とカネに終止符」「脱公共事業バラマキの経済政策」「稼げる国へ、徹底した競争政策」「道州制は日本改革特区」「原発フェードアウトと自然エネルギー立国」「震災復興は地元目線」などの政策を掲げる (credit:維新の党 )
公明党 (04 of09)
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景気回復の実感を家計へ——。消費税率10%引き上げ時の軽減率を目指す。「地方創生」や「社会保障と教育の充実」「東日本大震災からの復興と防災・減災対策」「政治改革・行政改革」「安定した平和と反映の対外関係」の5つを重点政策に掲げている。 (credit:公明党)
次世代の党 (05 of09)
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主要政策の3つの柱として「次の世代にツケ回しをしない賢い国家経営の実現」「どの世代にも公平な社会保障制度の実現」「領土と主権を守る強い安全保障体制の実現」を掲げている。 (credit:次世代の党)
共産党 (06 of09)
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「対決、対案、共同」の共産党として、「消費税10%は、先送りではなく、きっぱり中止」「格差拡大のアベノミクスの暴走ストップ」「海外で戦争する国づくりを許さない 憲法9条の精神に立った外交戦略」「原発再稼働ストップ 原発ゼロの日本」「アメリカ軍の新基地建設を中止、基地のない平和で豊かな沖縄」という5つの主要政策を掲げている。\n (credit:日本共産党)
生活の党 (07 of09)
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生活の党は「生活者本位の国へ」として、「非正規雇用の是正と少子化対策で活力ある社会」「消費増税凍結と内需拡大で国民生活向上」「脱原発。新エネルギー政策へ転換し自然エネルギー立国へ」を掲げている (credit:生活の党)
社民党 (08 of09)
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社民党4つの約束として「アベノミクスによる生活破壊を許さず、拡大した格差を是正」「戦争できる国に向かう集団的自衛権行使は認めず、平和憲法を守る」「原発再稼働は認めず、脱原発社会の実現目指し再生可能エネルギーを促進」「TPP参加に反対し、農林水産業と地域社会を守る」を掲げている。 (credit:社民党)
新党改革(09 of09)
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新党改革は、「豊かな社会へ」と題した政策パンフレットの中で、アベノミクスの補強・強化で成長軌道を歩ませることと、原発のない豊かな社会を築くことなどを訴えている。また、消費税の増税については「経済状況を見て決めるべきで、今の経済状況下では、増税すべきタイミングではない」とした。 (credit:新党改革)

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