Facebook "Here"とGoogle "Now"は何が違うのか

Facebookの「通知」とGoogle Nowはそれぞれに特有のデータベースをもっている。そこから生まれる得意不得意とはなんだろうか。
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TechCrunch

Googleは、誰があなたの友達なのか、 あななが誰とチャットしているか、どんなニュースが気になっているかを知らない。ちょうどFacebookが、あなたのメールに何が書かれているか、どこの地図を見たか、ウェブで何を検索したか、Androidスマホで何が起きているかを知らないように。パーソナルアシスタントを作ることに関して、両社には巨大だが非常に異なるチャンスがある理由はそこにある。

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役に立つか、楽しいか

Googleは、2012年にNowをスタートして大きく先行した。Nowには数多くの機能があり、主として客観的データに関わるものだった。例えばフライトの時刻や変更等ユーザーに関連のある情報をメールから引き出し、世界の最新ニュースを表示し、あるいは自宅から会社までの交通情報を逸早く教えてくれる。最新機能のGoogle Now On Tapは、ユーザーの他のアプリで起きていることに関する情報も引き出せる。

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Google Now On Tap

Google NowはGoogleの得意としていることをする:遍在するツール群から得た巨大データセットを解析して行動を起こせる情報を効果的に提供する。Googleの検索、メール、および地図における支配がこの潜在力を発揮させる。Nowはしばしば役に立つが、必ずしも「楽しい」とは言えない。

最近Facebookは、Messengerを使って人間の脳と人工知能のハイブリッドシステムに雑用を言いつけられる、Mというコンシェルジェ機能のテストを開始した。しかし今日(米国時間10/26)Facebookは、今彼らが持っている中で伝統的パーソナル・デジタル・アシスタントに最も近いと考えられるものを、通知機能の中に作った...ただし名前はつけていない。

しかし私にとって、これはFacebook Hereだ。それは、あなたの周りのすべて ― 人、場所、そしてあなたが気にかけている物事 ― を知るパーソナルアシスタントだ。

昨年私はこの機能の初期テストを行っているところを見つけ、当時それは友達リクエストタブの「ハイライト」セクションの中にあった。今日から、米国のiOSおよびAndroidアプリでは、徐々に通常の通知の下に次のようなカードが表示されるようになる。

  • 友達の誕生日
  • 友達の生活上の出来事
  • あなたのこれからのイベント
  • 今日のトップスポーツイベント
  • 今日のトップテレビ番組
  • トレンドの話題

そしてもしあなたがFacebookに位置情報履歴を見ることを許していれば、さらに次のカードを作れる:

  • 近くで人気のイベント
  • 地元の天気
  • 地元でシェアされたニュース
  • 友達が訪れたりレビューを書いた近くの場所
  • 近くの劇場で上映している映画

これらのカードのセットは、カスタマイズして好きなものを追加したり隠したり、どの通知を受け取るか等を制御できる。

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Facebook Hereは、Facebookが得意としていることをする:あなたのソーシャルグラフや経歴データや以前の行動を分析して、関連性のあるコンテンツを表示する。Facebookのソーシャルネットワーキング、フィード表示、およびモバイルメッセージングでの支配が、この潜在力を発揮させる。Facebook Hereは楽しいことが多いが、必ずしも「役に立つ」わけではない。

いずれ、Facebook HereとGoogle Nowは収束、競合するに違いない。すでに、最新スポーツ情報や近くのイベント等は重なり合っている。しかし、両者は相互に排他的なデータセットに依存している。現時点で両者が並行して、大いに人々の役に立っているのはそれが理由だろうと私は思う。

Facebook通知

しかしFacebookは袖の下にもう1枚、"Here" という名前を実にふさわしいものにするカードを隠し持っていた。Facebookのコンテキスト連動アシスタントは、iOSでもAndroidでも、人々がすでに多大な時間を過ごしている場所に組み込まれた:Facebookアプリ、正確にはFacebookの通知タブだ。

Google Now

Hereは、数億人の人々にとってオペレーティングシステムを越えた「ホーム画面」だ。そしてそれはFacebookの 「その他」アイコンの下に埋もれて忘れられた「近くの場所」や「後で読むために保存」機能等のオプションではない。Hereは、ユーザーがすでに取り付けれたように、写真にタグ付けされたか投稿にいいね!がついたかをチェックしている、あの通知タブの中にある。

この配置は、Facebook Hereが直ちに膨大な量の注目を欲びることを意味している。

これはGoogle Nowの、もっと控え目で〈必要な時に現れる〉スタイルが悪いと言っているのではない。その方がむしろ実用的であり、一方Hereは殆どが単なる娯楽だと言えるかもしれない。Nowは間違いなく、すでに人々の生活を便利にしている。あなたに割り込む能力を持ちながらも、Nowは様々な意味であなたの時間を欲しがらず尊重する。この効率性こそがGoogleの伝統だ。

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しかし、Hereの人の注目を吸い上げる潜在能力はFacebookの伝統だ。そしてもしFacebookが、Hereを人々の行動パターンに焼き付けることができれば、いつかその注目を、スポンサー付きカードやブランド付き情報で収益化できる日が来るかもしれない。

AppleとGoogleは、つつましく必要になるまで隠れているアシスタントを作った。Facbookは、AIが集めたコンテンツからなる声高で誇り高き第2のフィードを、人間が作った第1のフィードの隣に並べた。そしてHereは、あなたのすぐ目の前にある。

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

(2015年10月27日TechCrunch日本版「Facebook “Here”、Google “Now”」より転載)

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