外国漁船による違法操業への対応

昼夜を問わない無許可漁船等外国漁船の取締りは、肉体的・精神的に負担が多く、漁業監督官の事故や怪我の発生が懸念されます。
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日本は世界第6位の排他的な経済水域を持っています。しかも、日本列島周辺の太平洋北西海域は世界の三大漁場の一つと言われています。このような我が国周辺水域や遠洋水域の漁業取締りを実施するために、水産庁では、本庁及び全国6か所の漁業調整事務所及び内閣府沖縄総合事務局に漁業取締船と取締航空機を配備しています。

しかし、外国漁船による違法操業の事件が後を絶たない状況が続いています。2015年の外国漁船拿捕件数は韓国6件、中国3件、台湾3件の計12件になっています。外国漁船に対する立ち入り検査の件数は同じく111件。外国漁船によるものと見られる密漁漁具の押収件数は21件などです。

現状、水産庁は官船7隻、用船37隻の合計44隻体制で取り締まっています。5年前までは官船6隻、用船32隻体制でしたから、改善はなされているものの、まだまだ十分な体制とは言えません。一方で、尖閣諸島周辺では漁船のみならず公船も来ていますし、昨年問題になった小笠原のサンゴの密猟などにも対応しなければなりません。

経済事犯であるという前提ですから、漁業取締船に乗り込む漁業監督官の職務権限、装備は不十分です。一部の漁業監督官は司法警察職員に任命され、逮捕状執行などができますが、装備はヘルメット、防刃ライフジャケットなどの防具だけです。

2013年に初めて外国船を拿捕したのですが、無許可操業の中国船は停船命令に従わず、着船して職員が乗り込んだところ逃走。その船を追いかけたわけですが、中国船に取り残された職員はまさに命がけでした。昼夜を問わない無許可漁船等外国漁船の取締りは、肉体的・精神的に負担が多く、漁業監督官の事故や怪我の発生が懸念されます。

危険が伴う外国漁船等への立入検査や違法設置漁具の回収に際して、現行法で十分ではありません。改正が必要ですが、まずは、警察権を有する海上保安庁との連携を密にしていかなければなりません。

その上で、悪質、巧妙化、広域化している外国船の違法操業に対し、たとえば漁業監督官が複数名乗船できる人員を確保することなど安全運航に必要な予算と人員の確保など緊急に環境整備を図るべきです。私たち政治家は、このように地味ながら重要な政府の仕事にもしっかりと目配りしなければなりません。