インフルエンザでの試合欠場は悪いこと? 格闘家への出場停止処分に疑問の声【UPDATE】

インフルエンザで試合を欠場した格闘家が無期限出場停止処分となり、ネットで疑問の声が上がっています。
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Boxers Ryota Murata (R) of Japan and Gunnar Jackson of New Zealand battle during their middleweight bout at the Thomas & Mack Center in Las Vegas, Nevada November 7, 2015. REUTERS/David Becker
David Becker / Reuters

打撃格闘技イベント「RISE」は2月7日、インフルエンザで試合を欠場したスーパーライト級のHideki選手を、無期限出場停止処分にしたと発表した。欠場により試合自体がなくなった影響などを考慮したと説明しているが、処分の是非をめぐりネット上で疑問の声などが上がっている。

イベントは、1月28日に後楽園ホールで開催された「スーパーライト級タイトルマッチ」。同級王者の裕樹選手と挑戦者で3位のHideki選手が対戦する予定で、この日のメインイベントだった。

格闘技ニュースサイト「バウトレビュー」によると、Hideki選手は、試合前日の計量をクリアした後、体調を崩した。40度以上の高熱が出て、インフルエンザと診断され、欠場。RISE側が対応を協議した結果、不戦敗となり、裕樹選手の初防衛が決まった。

試合がなくなった代わりに、裕樹選手はスーパーフェザー級王者の野辺広大選手と、3分2ラウンドのエキシビションマッチを戦った。

この日は前座を含めて全12試合を予定しており、タイトルマッチの中止は、3試合目が終わった後に発表された。RISE側が会場で、「関係者が(開場時間の)5時ぐらいまで出られるよう全力を尽くしたが、出られる状態ではないと判断し、中止にした」と説明したと、バウトレビューは伝えている。

RISEは2月7日、公式Facebook上などで、Hideki選手を無期限出場停止処分にしたと発表。ファンに謝罪した上で、「病気とはいえ、あくまでもプロとして自己管理不足であり、関係者に多大なる迷惑をかけた」と理由を説明した。

病欠や出場停止処分の是非をめぐり、Twitter上では様々な意見が飛び交った。欠場については、「ありえないことが!!!その試合だけを見に来たのに」と残念がる声が上がる一方、「予防接種してもかかるケースがあって難しい」と理解を示す意見もあった。

出場停止処分に対しては、「病気なのに、心配されるどころか、無期限出場停止処分なんて」「いくらなんでもむちゃくちゃだ」と疑問を呈する声が相次いだ。中には、「妥当は判断だ。1回興業ができないだけで経営が傾く」と、処分に賛同する人もいた。

ハフィントンポストは2月8日、RISEに電話したが、繋がらなかった。情報が入り次第、追記する。

【UPDATE】(2017/02/08 13:50)

■RISE担当者「対戦相手が報われないのはよくない」

ハフィントンポストでは2月8日午後、RISEの担当者に電話で話を聞くことができた。担当者は、インフルエンザによる欠場は初めてだったことを明かし、処分の理由として「対戦相手やお客様に迷惑がかかった」ことを挙げた。

処分に疑問を呈する声が出ていることに対し、「確かに不可抗力な部分もあり、線引きは難しい」としつつ、「まじめに準備に臨んだ対戦相手が報われないのはよくない」と妥当性を強調した。

処分の内容については、「無期限と聞くと重すぎるように聞こえるが、期間を設けないことで柔軟に対応できる」と説明。Hideki選手は、処分について告げられると、「分かりました」と話したという。すでに本人と復帰を前提に話をしている。

今後は方針として、「インフルエンザについて選手や関係者に対策をするよう促していく」と話した。

■関連画像集「インフルエンザにまつわるデマ」

インフルエンザにまつわるデマ
ウソ:インフルエンザの予防接種でインフルエンザにかかることがある。 (01 of07)
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ホント:このデマは消えることがない。ここではっきりさせよう。インフルエンザの予防接種からインフルエンザに感染することはあり得ない。\n\nなぜか? インフルエンザのワクチンは、死んでいたり、不活性ウイルスから作られており、それらのウイルスは熱を急激に上昇させる特性をそれ以上広げられないからだ。まれなケースとして、注射されたら熱が少し上がる人もいる。しかし、これはインフルエンザではない。医療の上ではよくあることだ。\n\n備考:インンフルエンザの予防接種が感染の原因となる可能性はないが、ワクチンを接種しないほうがいい人もいる。卵にアレルギーがある人々や、ギランバレー症候群を発症したことがある人々だ。\n (credit:Shutterstock)
ウソ:すでに予防接種をしている人は、インフルエンザに感染しない。(02 of07)
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ホント:残念ながら、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、注射した個所に絆創膏を貼り付けて感染を防ごうをしても、約60%保護されているだけにすぎない。ということは……その通り。予防接種をしても、インフルエンザにかかる可能性はある。アメリカの公共ラジオ放送局「NPR」によると、ワクチンの効果が出る2週間後までに感染する人もいるという。インフルエンザ関連の情報サイト「Flu.gov.」によれば、ワクチンは最も感染の拡大が予測されるウイルスを基に毎年作られるのだが、そのワクチンでは守られないウィルスに感染する。 (credit:Flickr:Vix Walker)
ウソ:抗生物質はインフルエンザに効く。(03 of07)
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ホント:はっきりさせておこう。抗生物質は細菌には効くが、ウイルスには効かない。インフルエンザも風邪も、ウイルスによって引き起こされる。事実、抗生物質は、ウィルスの感染と戦う善玉菌も殺してしまうことがあるので、インフルエンザが余計にひどくなる場合もある。\n (credit:Shutterstock)
ウソ:ウイルス性胃腸炎はインフルエンザA型である。(04 of07)
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ホント\" target=\"_blank\">Flu.gov.によれば、吐き気、嘔吐や下痢は、よく「ウイルス性胃腸炎」と言われるが、季節性インフルエンザの典型的な症状ではない。まず知っておきたいのは、季節性インフルエンザは呼吸器疾患である、ということだ。インフルエンザでも吐き気や嘔吐、下痢を伴う場合があるかもしれないが、主要な症状ではない。さらに言うと、大人より子供にそういった症状が出る。\n (credit:Shutterstock)
ウソ:若くて健康であれば、予防接種は必要ない。(05 of07)
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ホント:若くて健康な大人は、CDCが予防接種を最も強く勧める人々の中には含まれていない。勧めているのは、妊娠中の女性や65歳以上の人々、それに、特定の慢性的疾患がある人々である。\n\n若くて健康な人は、大抵、予防接種してもしなくても回復できる。しかし、必要はないと考えていても、予防するにこしたことはない。ワクチン注射をする人が増えれば増えるほど、インフルエンザを人に移す可能性は低くなる。それは、回りまわって、危険性が高いグループの人々の予防に役立つことになる。\n (credit:Shutterstock)
ウソ:上着を着ずに (あるいは髪が濡れたまま) 寒いところにいるとインフルエンザにかかる。(06 of07)
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ホント:おそらく、親や祖父母を寒い格好をしたらインフルエンザにかかると話しただろうし、シャワーを出て髪を乾かさないまま外に出るのは気分が良くないだろう。だからといってインフルエンザにかかることはない。インフルエンザにかかる唯一のルート は、ウイルスと接触することである。たしかに寒い中、外にいるときに起こるかもしれないし、インフルエンザの流行期は主に冬の時期だ。しかし自分が寒いからといってインフルエンザではない。\n (credit:Alamy)
ウソ:インフルエンザには治療薬がない。(07 of07)
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ホント:治療薬を望む人が求めるべきは抗生物質ではない。WebMDによると、タミフルとリレンザといったインフルエンザ用の抗ウイルス薬は即効薬ではない。それらは、インフルエンザにかかる期間を短くし、他人に伝染しにくくするためのものだ。\n\nしかし、多くの専門家が、タミフルの有効性を疑っている。より詳細なデータが公表されるまで使用しないように提案している専門家もいる。\n (credit:Shutterstock)


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