袴田巌さん「拘禁症状が激しい」 姉の秀子さんが会見

1996年の「袴田事件」で死刑判決が確定した後、再審が認められて釈放された元ボクサーの袴田巌さん(78)の姉の秀子さん(81)が4月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した。
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中野渉

1996年の「袴田事件」で死刑判決が確定した後、再審が認められて釈放された元プロボクサーの袴田巌さん(78)の姉の秀子さん(81)が4月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、都内の病院に入院中の袴田さんについて「(拘禁反応)でおかしな行動を取る。私のことも分かるときとそうでないときがある」と話した。

拘禁反応とは、自由を拘束された状態が続いた場合に精神が不安定になること。袴田さんは、逮捕から48年間にわたって勾留された。検察側は再審開始決定を不服として、東京高裁に即時抗告している。

会見には、弁護団長の西嶋勝彦弁護士も同席した。「袴田事件を契機に、手続きがあいまいな再審制度を抜本的に改めていきたい」と述べた。

■気長に見守っていきたい

(秀子さんの発言)

巌は無事に私の元に帰って参りました。自由になったという認識は少しはあるのですが、ちょっと行動がおかしい。だんだん良くなっていくと思いますが、拘禁症状が一番激しいのかなとは私は感じております。

きょうも面会に行きましたけれど、やっぱり変なことをいたします。気長に見守っていきたいと思っております。

みなさまに応援していただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。

【質疑応答】(抜粋)

--巌さんは、おかしな行動をすることもあるということですが、どういう感じなのでしょうか。

現在は、私のことが分かったり、分からなかったりします。「姉だ」と言っても分かったり、「姉なんていない」なんてことを言ったりします。また、袴田巌であることを否定したりもします。そうかと思うと、素直に私たちのいうことを聞いたり。ムラがあるように思っています。

--状況が悪化したということがあるのでしょうか。

面会しているとき、変なことを言っていました。外に出て、多少良くなったかと思いましたが、相変わらず同じ状態です。

--報道の問題についてお尋ねします。巌さんを犯人だと決めるような報道がされてきましたが、いまだに検証が行われていません。どう考え、どうすべきだと思いますか。

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