プリンセス駅伝の血だらけタスキリレーに青学大・原晋監督「私だったら止める」

「レースそのものが、成り立ってませんよね」
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青学大・原晋監(2017年01月03日撮影)
時事通信社

ゴール直前で走れなくなり、這って次の選手にタスキを渡した女子駅伝選手をめぐって議論が起きている。

10月21日に福岡県で開かれた第38回全日本実業団対抗女子駅伝の第4回予選会「プリンセス駅伝 in 宗像・福津」。初出場となった岩谷産業の飯田怜選手がゴール直前で走れなくなり、膝を血だらけにしながら這ってゴールまで進んだのだった。

この様子について、ネットでは「なんとしてでもタスキを繋ぐ姿に感動した」という声のほか、「なぜ止めないのか?」とか「救急車を呼んだほうがいい」など、監督に対する批判の声も上がった。

■「私だったら止める」

箱根駅伝を4連覇した青学大・原晋監督は22日、TBS系「ビビット」に出演。「私だったら止める」と述べた。原監督は、「これは、私だったら止めるでしょうね」とコメント。「タスキ渡しまで、まだまだ、3〜400メートルありましたので。レースそのものが、成り立ってませんよね」などと答えた。

しかし、原監督は、選手を止めるのは「最終的には監督判断となる」としながらも、コース全体が42.195kmと長いのに対し、飯田選手の担当した2区が3.6kmと短い区間だったことを挙げ、「短いので、こういったトラブルが発生するということが、大前提として想定されていない」と指摘。レース続行の判断に理解を示した。

■飯田選手のチームの監督は、レース中止の意向だった。

日刊スポーツによると、岩谷産業の広瀬永和監督は、各チームの指導者が集まる監督室で飯田選手が倒れたときから、大大会役員に「(レースを)やめてくれ」と伝えていたという。

しかし、途中棄権の意図が主催者側を通じて選手の元に届くまでタイムラグが生じ、コース上の役員に伝達したときには、飯田選手がゴールまで15メートルの位置にいた。コース上の役員は、動いている飯田選手を見て「見守ってしまった」のだという。

広瀬監督は、「あの状況をみたら、どの指導者でも止める」と述べていた。