記録的大雪の時、東京都は何をして、これからどのように対策していけばいいか

情報があふれる今だからこそ、重要な情報や正確な情報を公的機関が発表したり、避難や迅速な天候に対する対処を発表したりすることは、行政としても大きな役割と言えます。
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2014年2月7日から9日にかけて、全国的に大雪にみまわれたかと思ったら、その翌週の2月14日から15日にかけてはさらに記録的な大雪となった東京。

帰宅時間と重なったこともあり、交通機関の乱れや列車事故なども多発し、帰宅が難しかった友人が何人もいました。

大雪の状況や各種交通機関の様子などは、TwitterなどのSNSを通じて多くの人たちが投稿しており、ほぼリアルタイムで状況を把握することができる時代にもなりました。情報があふれる今だからこそ、重要な情報や正確な情報を公的機関が発表したり、避難や迅速な天候に対する対処を発表したりすることは、行政としても大きな役割と言えます。

都市のインフラを支えている組織だからこそ、普段のどのようなメンテナンスを行っていくか、平時の際の意識がこうした大雪などの状況に対しての姿勢が現れてきます。数十年ぶりの積雪となった東京では、東京都はどのような対策を行ったのか気になります。

■ 東京都の大雪に対する対策と情報発信を比較

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これは、2月15日早朝にキャプチャした様子です。東京都のウェブサイトを見ると、サイトでは雪に関する情報や対処方法などが記載されている様子は見当たりませんでした。かわりに、東京都総合防災部のTwitterの公式アカウントへの誘導があり、そちらに雪に対する情報発信がされていました。

Twitterのアカウント先にある東京都防災というアカウントでは、積極的に情報発信を行ないながら、警戒や注意を呼びかけていました。独自の投稿だけではなく、NHKニュースやtenki.jp、京王電鉄運行状況や小田急線運行状況のTwitterを公式RTするなど、交通機関の様子などをつぶさに発信している様子が伺えました。

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ちなみに、先日2月11日に東京都知事に就任した舛添要一氏のFacebookページも、就任してすぐに開設されましたが、最新の更新は2月14日に行った定例記者会見の様子で、再生可能エネルギーに特化した官民連携ファンドの創設、ソチ五輪への出張についてなどを言及した投稿のみとなっていました。

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あわせて、東京都庁広報課のFacebookアカウントも見てみると、最新の更新は2月13日で、恵比寿映画祭に関するお知らせでした。

広報課の運用ルールが設けてありましたが、そちらを覗くと(1)都民生活に密接に関連する情報(2)東京都の実施するイベント等の情報(3)広報東京都・東京都提供広報番組等のお知らせ などの情報を積極的にお知らせしていく、とのこと。(1)のと都民生活に関連する情報として、こうした大雪などの災害情報が広報課としては最適ではない、といった考えなのでしょうか。

ちなみに、先日の東京都知事選に関する情報も、こちらのFacebookページではお知らせされていないですね。運用ルールの中身をどのような選定にしているのか、とても気になります。

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次は、警視庁のウェブサイトを見てみると、雪に関するお知らせをサイトで見つけることはできませんでした。東京都のサイトでは、雪の情報はこちら、とTwitterのアカウントへの誘導がありましたが、警視庁のサイトからはそれすらもありませんでした。

しかし、警視庁広報課の公式Twitterアカウントからは、こちらの1投稿がされていたので、警視庁なりに雪への警戒を促す情報は出しているといえばだしているのでしょう。

別のアカウントをみてみましょう。警視庁警備部災害対策課の公式Twtiterアカウントをみると、13日から大雪への警戒の情報を発信し、その後も定期的な雪への警戒などを呼びかけており、災害課としてしっかりと任務に取り組んでいる様子が伺えます。

きめ細かな情報は、さすがだと感じさせますが、こちらの災害対策課へのTwitterアカウントへの誘導を、警視庁のウェブサイトや広報課のTwitterアカウントが積極的に呼びかけてもいいものだと思うのですが、警視庁内部であっても、横のつながりはうすいのでしょうか。せっかくのウェブサイトやSNSのアカウント運用も、互いにきちんと連携して市民に対して情報発信をしなければなんの意味ももたない、ということを考えた横断的な運用をしてもらいものです。

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警察をみたので、次は東京消防庁をみてみましょう。東京消防庁も、警視庁と同様に、サイト内に雪に対する対策を呼びかけるお知らせは特にありませんでした。

東京消防庁の公式Twitterアカウントをみてみると、警視庁の災害対策課と同様に、積極的に雪に対する警戒を呼びかけています。雪による交通事故や怪我なども多発するため、消防庁の方々もこの雪の中苦労しながら任務にとりかかっていたのだと思います。Twitterでも呼びかけていますが、少しでも多くの人たちの命を救うためにも、本当に緊急の方が消防車を利用できるようにみんなが考えて消防車を呼ぶことが大事になってきます。

また、東京消防庁のみならず、総務省消防庁の公式Twitterアカウントでも大雪に対する警戒を呼びかけていました。しかし、【全般気象情報】と題し、おそらくまとめて投稿したであろう投稿以外には、特に積極的な情報発信をしている様子はありませんでした。

Twitterの活用法一つとっても、総務省消防庁と東京消防庁とがもっと連携した情報発信を行うことで、より市民に届きやすい発信の仕方があるのではと感じます。

■ 有事の時のために平時になにができるか

今回のように記録的な大雪だけでなく、大雨や台風などの災害に見舞われる可能性は大きくあります。また、首都直下型地震の可能性もあると言われている中、東京の有事の際の対処法と、それに必要な情報発信をどのようにしていくかは、都政としても大きな課題ではないでしょうか。

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例えば、今回のように大雪によって消防車の活動に大きな影響を及ぼすことがあります。参考になる例として、会津若松市では防災に関する情報をオープンデータにする取り組みを行なっています。その中で、会津若松市にある「消火栓マップ」をオープンデータ化し、どこに消火栓があるかをマッピングする、という取り組みを行っています。大雪が降る会津だからこそ、雪が降っても消防活動が円滑にするために必要なサービス、ということでこうした取り組みを行っているのは、その地域ならではの課題解決の方法の一つです。

震災のみならず、台風や大雨、大雪などの気象に対してどのような対処法を行うか。その時に、行政が持っている情報をどのように活用するかが都政としても問われてきます。同時に、災害に関する情報発信一つとっても、Twitterでただ投稿するだけでは意味がありません。警察や消防、電力や水道関係各局との連携、河川や降雨情報による対策などを、予想外のことがあってはいけないように前もって準備し、広報し人々の生活を守ることが大切です。そのために、有事の時ではなく平時にどのような対策を行うかを都政は考えるべきではないでしょうか。

よく比較されるNYでは、ソーシャルメディアを普段からきちんと活用し、災害のみならずさまざまな分野にデジタルやテクノロジーを活用しています。(このあたりは、以前のブログに記載しているのでそちら参照)また、災害などに対応するために「ARE YOU READY NEW YORK?」という災害対策本部を置き、各種イベントの企画やガイドラインの設置などを行なっています。またガイドラインなどもウェブを通じてオープンデータ化することで、避難場所の可視化などができ、それらのデータをもとに民間がマッシュアップしてより市民に届きやすい形で加工することもできます。

■ 情報を「届ける」ことの重要性

あらゆるコンテンツや情報は、「つくる」だけではなくてきちんと「届ける」ことがこれからますます重要になってきます。公式に発表している、という建前だけでわかりにくくどこにあるのかもすぐにわからないような情報発信ではなく、きちんと私たち市民に届き、そして活用でき、安心安全で暮らせる生活を送るためのサポートを考えて、どういった情報発信やデータの運用をしていくかを考えなければいけません。

今回の雪の教訓とすべきことを踏まえながら、今後の東京都としての災害対策や情報発信の参考にしてもらえればと思います。東日本大震災も経験した日本において、「想定外」といったことが起きないよう、最新の注意を払った対策を普段から考えていかなければいけません。

みなさんも、改めて自分が住んでいる都市や地域が、どういったクオリティで普段からメンテナンスされているか、突発的な出来事が起きた時にどのような対処をしているのかをきちんと見ることも、自分の普段の生活や暮らしを考える上で大きな指標になるのではないでしょうか。

(2014年2月15日「being beta」より転載)