原爆の記憶をデジタルで継承:「高校生平和会議」をアメリカで!クラウドファンディング開始

オバマ大統領が広島を訪れる今年、私たちは、日本の高校生をアメリカに派遣したい!と考えました。
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渡邉英徳です。デジタルアーカイブを活用した「日米・高校生平和会議」開催のためのクラウドファンディング開始のお知らせです。

5月27日、オバマ氏が現役大統領としてはじめて、広島を訪問します。歴史的なできごとであり、世界の人々が願ってきた「核兵器廃絶」への原動力となるはずです。被爆地である広島・長崎から世界へと視野を拡げ、「人類と核」の在り方について、考えるための絶好の機会です。

例えば「ヒロシマ・アーカイブ」に参画している広島女学院高の生徒たちは「オバマ大統領を私たちの高校に呼びたい!」という想いから「Project Obama」を立ち上げ、活動を展開しています。若い世代が、新しいかたちの平和活動をスタートしています。こうした若者たちのエネルギーは、インターネットを通して、世界につながっていきます。

私たち「ナガサキ・ヒロシマ・アーカイブ」チームはこの機に、広島・長崎の高校生をアメリカに派遣し「日米・高校生平和会議」を開催したい!と考えました。会議の参加者は、日米の高校生、一般市民、そしてアメリカ在住の被爆者を想定しています。

会議では、原爆資料をまとめたデジタルコンテンツ「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」を活用します。

人々の興味を惹きつけ、理解をたすけるデジタルツールを軸にして、高校生と市民、被爆者が一つのテーブルを囲み、原爆と太平洋戦争の歴史について知識を深め、議論する場を提供します。

これらの会議開催にあたって、アメリカのボストン・ニューヨークに高校生を派遣します。

  • 開催日:2016年9月19日〜22日(予定)
  • 開催地:ボストンおよびニューヨーク(予定)

会議においては、以下の内容を実施します。

  1. 米国在住の被爆者による講話会
  2. ヒロシマ・アーカイブ、ナガサキ・アーカイブの体験学習
  3. アーカイブに資料を追加する体験学習
  4. 被爆者・学生・市民によるディスカッション

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会議をとおして、日米の若者と市民が同じテーブルに付き、デジタルツールを活用しながら、原爆被害についての理解を深めていきます。このプロセスを通じて、国際平和に貢献する若い世代が生まれてくることを企図しています。

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この「日米・高校生平和会議」開催のためのクラウドファンディングを、オバマ大統領の広島訪問前日のきょう、開始しました。このクラウドファンディングでは、高校生と大学院生チューターをアメリカに派遣するための旅費、現地でのワークショップ開催のための費用、在米被爆者の招待費などを募ります。

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■デジタルアーカイブによるあらたな平和学習・継承のかたち■

「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」には、以下に示す特長があります。

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  1. 「点の学び」⇒「面の学び」:写真、証言などの資料を個別に閲覧していた、これまでの「点の学び」から、立体地図で全体像をながめつつ、原爆の実相に触れていく「面の学び」へ。アーカイブは、新たな平和学習・継承のためのツールです。
  2. 「行かないと学べない」⇒「いつでも・どこでも学べる」:いつでも・どこでも、アーカイブを通して、世界中の人々が原爆の実相に触れることができます。この点に世界中のメディアが注目し、新聞やテレビで、大きく取り上げられました。資料館などに「行かないと学べない」原爆の歴史を「いつでも・どこでも学ぶ」ことができるようになりました。
  3. 「受け身の平和学習」⇒「主体的な平和学習」:70年前の原爆投下に興味を持ってもらうことは、簡単ではありません。時代が移り変わるにつれ、これまで「受け身」で学んでいた、過去のできごとへの興味・関心は薄れていきます。アーカイブでは、若者たちが使い慣れたパソコンやスマートフォン・タブレットを使って「主体的」に歴史を学ぶことができます。

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私たちはこれらの特長を活かした「あらたな平和学習・継承」のかたちを提案しています。これらは「日米・高校生平和会議」においても活かせるコンセプトです。

■ワークショップで「記憶のコミュニティ」を形成する■

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「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」は、平和学習のツールとして大きな可能性を持っています。地元の広島・長崎では、アーカイブをもとに、被爆者と若者が手を取り合って活動する「記憶のコミュニティ」が生まれています。

広島においては、現地の高校生・被爆者、そしてアーカイブ制作者によるワークショップが継続的に開催されています。資料を閲覧する「受け身」の平和学習から、自らが主体となって記憶継承のいとなみに参加する「主体的」な学習へ、変化しつつあります。

昨年は、Makuakeのクラウドファンディングを実施し、集められた資金を活用して、長崎でワークショップを開催しました。高校生と市民、被爆者が一つのテーブルを囲み、アーカイブの活用について議論しました。

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■「ヒロシマ・ナガサキ」からアメリカへ■

オバマ大統領が広島を訪れる今年、私たちは、日本の高校生をアメリカに派遣したい!と考えました。若者による「日米・高校生平和会議」を、アメリカで開催し、原爆投下・太平洋戦争についての知識を共有して、理解を深めていこうとしています。

これまでに制作したアーカイブは、スター・トレック等で知られる日系人俳優、ジョージ・タケイ氏の番組「Takei's Take」で特集されるなど、アメリカでも注目されています。また、2016年5月にノースカロライナ州で開催された国際会議において展示発表し、好評を得ました。

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アメリカでのワークショップ開催に向けて、たしかな手応えを感じています。前回の記事もぜひお読みください。

今回のプロジェクトでは、日米の若者たちが議論を深め、特に若者たちによる原爆被害についての理解が深まり、国際平和に貢献する若い世代が生まれてくることを企図しています。

戦後70年の節目を超え、戦争経験者の記憶を未来に継承する必要性が問われています。また、オバマ大統領の広島訪問は、国内で生まれている新しいかたちの平和活動を、アメリカの人々に知ってもらえるチャンスです。

私たちの活動へのご支援のほど、よろしくお願いいたします。