野々村竜太郎氏だけじゃない? 他の兵庫県議も「切手を大量購入」の指摘

兵庫県議の野々村竜太郎氏が、政務活動費から約176万円の切手代の交付を受けていたことが問題になったが、他の兵庫県議も2011~12年度に、最大144万円の切手代を交付されていた。

兵庫県議の野々村竜太郎氏が、政務活動費から約176万円の切手代の交付を受けていたことが問題になったが、他の兵庫県議も2011~12年度に、最大144万円の切手代を交付されていた。

市民団体「市民オンブズ尼崎」のメンバーでもある兵庫県議の丸尾牧氏(無所属)が7月9日、県庁で記者会見して明らかにした。

丸尾氏は、2011~2012年度分の県議の政務調査費(2013年度から「政務活動費」)を情報公開請求し、「切手代」として申請し交付を受けていた県議10人の名前と金額を公表した。2年間の交付額の合計は計400万4690円で、内訳は以下の通り。(敬称略)

原吉三(自民) 144万円

岩谷秀雄(自民) 121万1250円

梶谷忠修(自民) 65万2310円

伊藤傑(自民) 35万円

石井秀武(民主党・県民連合) 24万円

小田毅(自民) 7万2千円

立石幸雄(自民) 1万6千円

徳安淳子(無所属) 1万750円

黒田一美(民主党・県民連合) 1万380円

松田一成(公明党・県民会議) 2千円

丸尾氏によると、ほとんどが郵便局での購入で、野々村氏のように、そもそも切手を購入したかどうかも分からないケースはなかったというが、岩谷氏はすべてチケットショップでの購入だった。

また、原氏は2013年3月21日に全額144万円、伊藤氏は2013年3月25日に30万円、岩谷氏も2013年3月28日に全額121万1250円分を購入するなど、年度末ギリギリに大量に購入したケースも目立つ。

丸尾氏は「あくまで推論」とした上で「政務調査費(政務活動費)は月50万円を前払いで支給され、原則として領収書がなければ返還を求められる。このため、返還を嫌って切手を大量に購入したのではないか。実際に政務活動に使用したとしても、次年度に繰り越さずに使わなければルール違反になる」と指摘する。

ほとんどの県議が、自身の県政報告を選挙区の支持者らに郵送する費用として請求しているが、144万円を交付された原氏と徳安氏、黒田氏は「広報費」としてのみ申告していた。丸尾氏は「県政報告を1000通単位で発送することはよくあるが、切手を貼る手間がかかるので、郵便局に料金別納でまとめて依頼するのが普通だ。切手はあとからいくらでも換金が可能で、切手の領収書では使途を証明する資料にはならない」と話す。

丸尾氏は9日、梶谷忠修議長宛てに、政務活動費の見直しを求める申入書を提出した。野々村氏が領収書なしで300万円以上の出張旅費を交付されていたり、自宅近くのスーパーなどでクレジットカードによる費目不明の購入を繰り返し「事務用品」として交付を受けていたりした問題を受け、「視察・出張報告書の作成義務化」「使途のわかる立証資料の添付」などのほか、収支報告書のインターネット公開や切手の大量購入自粛などを求めている。

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野々村竜太郎県議の申告した出張日程
2013年4-5月(01 of16)
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【4月】\n兵庫県議会に登庁する「登庁調査」以外の日は、前年度から引き続き、東京と福岡に何度も日帰り出張している。4月17~27日は11日連続で、交互に東京と福岡への日帰り出張を繰り返している。\n\n東京への往復旅費は3万8610円、福岡へは4万1880円が支給されている。\n\n【5月】\n東京と福岡へは6月半ばで行かなくなり、入れ替わるように兵庫県内の城崎温泉と、兵庫県佐用町への出張が多くなる。城崎への往復旅費は1万5340円、佐用町へは1万1560円が支給される。\n\nなお、5月24日に佐用町へ出張したことになっているが、同じ日にJR大阪駅前のチケットショップで購入した切手220円分の領収書も申請している。佐用町と大阪は方向が逆で、同じ日に両方行こうとするとかなりの強行軍になる。 (credit:Taichiro Yoshino)
2013年6-7月(02 of16)
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【6月】\n県議会定例会が開会し、神戸に登庁する合間を縫って城崎12回、佐用9回の日帰り出張を強行している。一方でいずれも城崎温泉に出張した6月27日にJR大阪駅前のチケットショップで切手220円分、29日に神戸市内の県庁付近のチケットショップで切手1万2870円を購入したことになっているが、いずれも西宮市内から城崎温泉への最短ルート上から外れている。\n\n【7月】\n城崎12回、佐用9回の日帰り出張を繰り返している。6月25日~7月6日までは12日連続で城崎と佐用に交互に日帰り出張している。7月25日の城崎出張と同じ日に、JR大阪駅前のチケットショップで切手2万9860円分を購入している。 (credit:Taichiro Yoshino)
2013年8-9月(03 of16)
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【8月】\n日帰り出張は計16回とややペースが落ちている。8月29日は城崎への日帰り出張と同じ日に、JR大阪駅前と神戸市内の兵庫県庁近くのチケットショップでそれぞれ2万9860円、2万9790円の切手を購入している。西宮から城崎へ日帰り出張し、なおかつ大阪と神戸にも立ち寄るのは相当なハードスケジュールだ。\n\n【9月】\n9月2日の城崎温泉へ日帰り出張した日は、大雨で大阪方面と城崎温泉を結ぶ特急列車が夕方まで運休していた。特急の所要時間は片道約2時間半で、午後6時18分に城崎温泉駅を出る最終列車に乗って帰るのは極めて難しい。\n\n20日の佐用町出張時も、反対方向のJR大阪駅前のチケットショップで切手2万9830円を購入している。 (credit:Taichiro Yoshino)
2013年10-11月(04 of16)
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【10月】\n県議会の定例会が山場に入るが、合間を縫って城崎に11回、佐用に7回出張している。8~17日までは10日連続で交互に出向いている。佐用町に出張した17日は、JR大阪駅前のチケットショップで切手550円を購入してもいる。\n\n【11月】\n11月30日には西宮から京都への交通費を申請しているが、同じ日に京都市内で使われたとみられるタクシー運賃1930円分も添付されている。 (credit:Taichiro Yoshino)
2013年12月-2014年1月(05 of16)
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【12月】\n兵庫県北部は寒さが厳しくなる季節だが、城崎10回、佐用6回の日帰り出張を、県議会本会議の合間を縫って続けている。ちなみにこの時期、城崎温泉はカニ料理目当ての観光客でにぎわう季節だ。\n\n【1月】\n神戸市内の県議会への登庁が多くなっているが、それでも計10回、城崎と佐用へ交互に日帰り出張している。\n (credit:Taichiro Yoshino)
2014年2-3月(06 of16)
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【2月】\n次年度予算の審議が始まり、県議会への登庁が多くなる。2月7日の県議会臨時会で野々村議員は一般質問に立っているが、県庁内への質問通告や回答作成を巡るやりとりに直前まで時間を割かれる一般質問の、前日と翌日に城崎へ日帰り出張をしている。\n\n【3月】\n次年度予算の審議の合間を縫って、城崎に12回、佐用に7回、日帰り出張をしている。3月27日と28日は城崎に2日連続で日帰り出張している。 (credit:Taichiro Yoshino)
野々村氏の主な行き先・関西(2013年度)(07 of16)
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(credit:Google Inc. )
野々村県議の釈明会見(08 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(09 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(10 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(11 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(12 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(13 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(14 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(15 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)
野々村県議の釈明会見(16 of16)
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政務活動費を使った195回の出張について釈明会見する野々村竜太郎氏=1日、兵庫県庁 (credit:時事通信社)