「独身税の提案してない」かほく市の担当者が報道に憤る

公式声明や、かほく市ママ課のサイトは削除。なぜ?
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かほく市ママ課のスタートを伝える告知(かほく市公式サイトより)
かほく市

石川県かほく市の市民と財務省の官僚との意見交換会で、参加者が「独身税を提案した」という報道を、同市の担当者が否定した。9月4日、ハフポスト日本版の取材に対して明らかにした。

■北國新聞の報道とは?

石川県の地元紙「北國新聞」の記事がきっかけだった。石川県かほく市役所で8月29日、子育て中のママがまちづくりに参画する「かほく市ママ課プロジェクト」のメンバーと、財務省で予算編成を担当する主計官の意見交換会が開かれた。市内の30~40代の女性7人が参加したという。

同紙によると、ママ課のメンバーから「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」という質問があり、財務省の主計官は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べたという。

独身税の提案は、一般市民と官僚の意見交換会の席での発言に過ぎなかったが、ネット上では独身税をめぐって激しい議論となった。

■公式声明や、かほく市ママ課のサイトは削除

9月1日夕方、かほく市は以下のような声明文を公式サイトに掲載した

8月30日(水)の北國新聞朝刊に、ママ課が「独身税」導入を財務省へ提案したとの記事が掲載されましたが、「独身税」の提案等を「ママ課」及び「かほく市」は一切行っておりません。

しかし、同日夜にはこの声明は削除。同時に「かほく市ママ課」の公式サイトと、Facebookページも削除された。

一体何が起きたのか。かほく市総務部企画情報課の担当者に電話取材した。以下は、そのやり取りだ。

■かほく市の担当者「発言の一部を切り取られた」

——北國新聞は「かほく市ママ課『独身税』提案」という見出しで報じていますが、そうした事実はあったんですか?

いえ、そのような事実はありません。参加者から「子供を産む産まないは個人の選択で、いろいろな事情があると思うけど、結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いするという意見もある」という発言は記憶しています。その発言の一部を切り取られたというのが事実です。

——同じく北國新聞は財務省の官僚が「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と応じていますが、こうした発言はありましたか?

会議には同席していましたが、そういう発言があったかは、記憶がはっきりしていません。議事録や録音テープがないため、確認できません。

——北國新聞には記事の訂正を求めましたか?

具体的な内容は答えられませんが、市から記事について話はしました。

——記事が間違っているのなら、なぜ報道を否定する声明文を削除したのですか?

わずか2行ほどと簡単なものだったため後日、きちんと経緯を説明するものを出した方がいいだろうという判断で、数時間で削除しました。(声明文を)出したり、消したりしたことで憶測を招いた点はあったと思います.....。

——北國新聞から声明を消すように申し入れがあったからでは?

いえ、そうした事実はありません。市役所内での判断です。

——では、きちんとした公式声明はいつ出すのでしょうか?

まだ決まっていません。

——9月1日夜、同時期にかほく市ママ課の公式サイトとFacebookも削除されていますが、理由は?

ママ課に参加しているメンバーの個人情報が載っていて、ネット上で中傷されるなどの被害があったため、公開を一時停止しています。