「姦通罪」韓国で62年ぶり廃止 もう不倫現場に警察官が踏み込まない

配偶者以外と関係を持った男女を処罰する「姦通罪」(かんつうざい)が、韓国で制定後62年ぶりに廃止された。
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Park Han-Chul (top C), the chief judge of South Korea's Constitutional Court, delivers judgment on the government's petition to disband the Unified Progressive Party (UPP) in Seoul on December 19, 2014. South Korea's nascent far-left political party was disbanded in a rare decision by the court which stigmatised it as a pro-North Korean group. AFP PHOTO / POOL / JUNG YEON-JE (Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
JUNG YEON-JE via Getty Images

配偶者以外と関係を持った男女を処罰する「姦通罪」(かんつうざい)が、韓国で制定後62年ぶりに廃止された。

聯合ニュースによると、韓国の憲法裁判所は2月26日、韓国の刑法で規定された姦通罪について「憲法違反」とする決定を下し、同罪は即時、失効した。決定は、9人の裁判官のうち7人が賛成し「国民の性的な自己決定権と私生活における秘密の自由を侵害する」とした。一方で少数意見の2裁判官は「善良な性道徳を守り、婚姻と家族制度を保障する効果がある」と反対した。

韓国の憲法裁判所は過去に4回、姦通罪を合憲と判断しており、直近に合憲判断が下された翌日の2008年10月31日以降、姦通罪で起訴されたり有罪が確定したりした5000人以上が救済対象となる。

日本では戦前、結婚相手以外と関係を持った女性やその相手を2年以下の懲役とする「姦通罪」が、旧刑法で定められていた。韓国では日本の植民地だった1912年、朝鮮刑事令が制定され、姦通罪については日本の刑法の規定をそのまま適用していた。日本では1947年の日本国憲法施行後、女性の不貞のみを処罰対象とした姦通罪は、男女平等を定めた新憲法に違反するとして廃止された。しかし韓国では1953年6月、女性だけでなく男性も処罰対象とする姦通罪が刑法に盛り込まれていた

ハフィントンポスト韓国版は、姦通罪の廃止で何が変わるのか?とするQ&Aを掲載している。以下はその抜粋。

Q 不倫が助長されませんか?

A もう不倫しても刑事罰は受けませんが、民法には離婚請求が可能な「不貞行為」が明記されています。

Q ドラマみたいに、不倫現場に警察官が踏み込むことはなくなるのでしょうか?

A もう捜査機関が不倫自体に介入することはできません。捜査機関を使って離婚訴訟の証拠を集めることもできなくなります。

Q すると、どうやって配偶者の不貞を立証するのですか?

A 姦通罪の処罰対象は直接の性行為ですが、民法の不貞行為は姦通罪よりも広く認定されます。夫婦の信頼が崩れた状態を立証すればいいのです。通話記録やメッセージなどで十分に証拠と認められます。

Q 女性を保護する仕組みがなくなったことになりませんか?

A 昔は離婚相手が姦通罪で有罪となれば、慰謝料の額や財産分与にも大きく影響したため、「姦通罪は女性を保護するしくみ」とも言われました。しかし今や姦通罪で処罰されること自体が激減し、ほとんどが執行猶予つきの判決です。逮捕・起訴は例外的となり、略式起訴が増えたため、「女性を保護する」可能性も顕著に減少しています。

Q 慰謝料の額に影響はありますか?

A 姦通罪で処罰されたり職場を解雇されたりした場合、民事訴訟では「二重処罰の禁止」のため、慰謝料を減額する傾向がありました。姦通罪がなくなり、慰謝料は増額されるとの見方があります。一方で不貞行為が刑法上の不法行為でなくなったため、慰謝料支給の根拠が弱まるとの見方もあります。

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