お金で動かない人を動かすには?──ふんばろう東日本支援基金 西條剛央氏 × 鎌倉投信 新井和宏氏 対談

2015年6月、「いいチームをつくりましょう」をテーマに講演会が行われた。
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2015年6月、「いいチームをつくりましょう」をテーマに講演会が行われた。

登壇したのは、昨年の「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した日本最大級となる被災地支援のボランティア組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を設立、運営した早稲田大学客員准教授の西條剛央氏。そして、個人投資家の資産形成と社会の持続的発展の両立を目指す鎌倉投信

のファンドマネジャーである新井和宏氏、コーディネーターは経営コンサルタントで「人と経営研究所所長」の大久保寛司氏が担当した。終了直前には「ほぼ日」の糸井重里氏が登壇し、会場を盛り上げた。

いいチームをつくるうえで、彼らの経験や考えを、私たちはどのように役立てばいいだろうか。

おカネだけでは幸せになれない

新井氏が仲間と鎌倉投信を立ち上げたのは、リーマンショック後の2008年。当局から運用の免許を取るまでの間、半年間以上、本社屋となる鎌倉の古民家の再生をしながら、15年間ほど金融機関にいて何ができたのか、そして、自分はこれから何ができるのかを考えたという。

「私が悩んでいるときに、法政大学の坂本光司先生が書いた『日本でいちばん大切にしたい会社』という本に出会いました。その本を読んで、考えが180度変わりました。それまで私がやっていたことは金融工学。実は、その反対側に重要なことがあると感じたのです。社会自体は数式ではすべてを解明できません。目的と手段を取り違えた瞬間に大きな誤解をしていたのです」

そこで、新井氏は、ほかの運用機関にできないことを考えた――おカネだけでは幸せになれない。皆さんの心が豊かになって初めて幸せになれる、私は幸せを個人投資家に届けたい――新井氏はリターンの定義を変えることに気付いたのである。

鎌倉投信のリターンは、「資産形成(お金)」のほか「社会形成」「お客様の心の形成」、この3つでお客様へのリターンが決まる。事業性と社会性、どちらが欠けても今の企業は存続できない。では、新井氏が会社に投資するとき、何を見ているのだろうか。

「それは理念です。時代は事業性から社会性にシフトしています。会社は時代に合わせて変わり続けなければなりません。所詮、会社も人がやっています。完璧な会社などありません。だから、合言葉は、いい会社をふやしましょう、ということです。いい会社に投資しようではありません。いい会社になろうとしている経営者を応援するつもりです」

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登壇した鎌倉投信ファンドマネジャーの新井和宏氏は、その仕事ぶりがNHKの人気番組『プロフェッショナル』で放映された後だったため、注目度抜群。ちなみに視聴率は7.4%(再放送を含む)だった。(録画等を含めれば)約1千万人近い人が観ていた計算になり、今も鎌倉投信には多くの問い合わせが寄せられているという

大事なことは気持ちを伝えること

西條剛央氏は、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動を振り返りながら、次のように語った。

「2011年3月11日、そこで人生が変わりました。私はもともと学者で構造構成主義をやっていました。それまでは学問をぼちぼちやっていればいいと思っていました。ところが、震災後に自分の無力さを感じました。学者なので、情報を整理したり、記事を書くことをしたりはしていましたが、無力感が拭えない。何もできないことが悔しかったのです。そこで、自分が今まで求めたことがない大きな力を求めたのです。ただ、お金もないし、たいしたこともできない。それでもできることを目指して、現地にいきました

西條氏の専門である構造構成主義とは、本質論、つまり、物事の一番大事なポイントを捉える学問のことだ。ノウハウでは汎用性がない。震災で役立ったのが、構造構成主義から導いた「方法の原理」だった。それはどういう方法がよいかは状況と目的を抜きに考えられない、というものだ。逆にいえば、方法の有効性は常に目的と状況に応じて変わる、ということになる。西條氏の目的は被災者のサポートをすること。そこで、現地の状況を見据えながら、西條氏はボランティアのメンバーを集め、いかに運用するかを考えた。

「メンバーを集めるために必要なのは、情報を伝えることではありません。大事なことは、情報ではなく、気持ちを伝えることです。チーム作りも同じです。そして、オーソドックスに言われている方法が機能するとはかぎらない。まず状況と目的を見据えていかに機能する仕組みを作るのか。そのために必要なことを考えました」

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企業のメンターとして著名な大久保寛司氏が、鼎談を始めるにあたり次のように語った。

「思いやり、やさしさ、他人によくしたい。でも、思いだけでは何事も実現することはできません。大事なことは行動と知恵です。だからこそ、目の前のものから何かを感じ取っていただきたい。そのために必要なのは"自分の思い込み"を可能なかぎりなくしていくことです。自分の観点から"評価"するのではなく、まずはそのまま聞いて、受け入れる、感じることが大事なのです」

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心理学者にして最大級のボランティアプロジェクトのファウンダー、幸せを基準に投資するファンドマネジャー、そして人を見るプロフェッショナルである経営コンサルタントの3人の鼎談を早速、見ることにしよう。

「状況」と「目的」は常に変わる。大事なのは方法ではなく"前に進むこと"

大久保:まず西條さんの言う構造構成主義、その「本質」とは一体何でしょうか。

西條:簡単に言えば、本質とは"物事の最も重要なポイント"のことです。「方法の原理」でいえば、そのポイントとは、「状況」と「目的」という二つによって成り立っています。

とくにチームでは「状況」と「目的」が変わったから、「こうしよう」というやり取りができることが一番大事なのです。そうでなければ、一人ひとりがこうすればよいのにというものがあっても、前例に縛られてしまい、組織としては実現できない。良いチームもつくれなくなってしまうのです。

大久保:私なりにいうと、例えば、大阪に行きたいことが「目的」だとすれば、どんな方法で行くべきか。新幹線か飛行機か。方法はたくさんあるけれど、そのときの「状況」としてお金がなければ、乗り物に乗れません。また「状況」によって「よい方法」は異なってくるということです。しかし、ときに人は新幹線か飛行機かで揉めてしまうということが起こる。しかしここで一番大事なことは大阪まで行くことです。前に進むことなのです。世の中には方法論の段階で揉めて、ずっと止まっている人が多いということが問題なのです。

ただ、組織として目的を実現する。その根源にあるのは、おそらくリーダーの人間性だと私は思います。その人間性はどう育まれるのか。新井さんはどのような幼少時代をお送りになられたのでしょうか?

どんな人間も肯定されたい。だから「肯定」で人は動く

新井:私が今やっていることは、実は親父とそっくりなんです。実家は畳屋でした。あまり裕福ではなかったにもかかわらず、親父はお金にならない仕事をやめませんでした。例えば、養護学校の仕事などがそうです。母が身体障碍者で小児麻痺を患っていましたから、そのせいかと思っていたらどうも違う。単純にお金のことを考えてないんです。でも、だからこそ、人に好かれたと思います。

そんな親父がトラックにひき逃げされ、働けなくなりました。私が小学校5年生のときです。一家の大黒柱が働けなくなったことで、私は親父に体を貸すように仕事を手伝い始め、高校では中学の家庭教師、大学では夜学に通いながら監査法人で中小企業のコンサルティングをやっていました。振り返れば、出会った人たちが私のことを「なんとかしてあげたい」と思ってくれた。その応援があったからこそ、今があると思っています。

大久保:新井さんの周りの人たちが「こうしてあげたい」「世話してあげたい」と思ったところが大事ですね。そこが本質なんです。なぜ人は新井さんの面倒を見たいと思ったのか。西條さんは、どう思いますか?

西條:新井さんは多くの方に愛される方だったということだと思います。愛の本質は何か?それは「肯定と応援」です。すべての人間に共通していることは、どんな人間も肯定されたいということです。

もちろん「こんな自分はイヤだ」と自己否定したくなるときもあるかもしれませんが、そのときはつらく、モヤモヤしている。本当は肯定したいし、されたいはずなんです。だから「肯定と応援」の力が強い人に人は集まってくる。否定ばかりしている人からは去っていく。新井さんが多くの人に肯定、応援されたのは、新井さん自身がもともと肯定応援する力、つまり「愛」の実力が高かったからなのではないでしょうか。

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5%は許容する。それがチームの「知恵」

大久保:では、新井さんから見て、東日本大震災時における西條さんのミラクルな仕事ぶりはどうでしょうか? 命令系統もインセンティブもない中で、各ボランティア集団を動かし、被災者のサポートを効率的に行いました。むろん方法論、仕掛けはあったのでしょうが、私は、それ以上に何かがあったと思うのですが、いかがでしょうか?

新井:一つめに大事なことは、誰がしゃべるのか、ということだと思うんです。西條さんがしゃべるから、そこに意味が発生した。同じことを言っても、ほかの人なら違っていたでしょう。そしてもう一つが、究極の組織づくりとして、権限移譲して、しっかりメンバーを信じたことです。

西條さんは、さらに信じることをしながら同時に、共通した言語、つまり、本質を徹底的に共有することに時間をかけています。これはもう経営と同じなんです。むろん任せれば失敗するリスクを抱えます。そのとき西條さんは、その5%は許容しようとします。これが普通はできないんです。とくに金融機関はできない。1%でもリスクがあれば、ヘッジしようとする。5%は許容してもいいので前に進むというのが、本質だと思います。

大久保:私はその5%は「知恵」という感じがしています。パーフェクトは絶対無理です。どんなに成功してもネガティブに捉える人もいます。そこに足を引っ張られて、進まなくなるのは非常に愚かな話です。西條さんはその5%をどう考えますか?

メールでのネガティブな表現は絶対にダメ!

西條:組織にとっては、ミスをしないこと、失敗をしないことが目的ではありません。パフォーマンスを最大化することが組織の目的のはず。そうであれば、なぜミスをゼロにすることばかりに目を向けるのか。または批判をまったく受けないことに足をとられ過ぎるのでしょうか。

実は人間というは、100人中95人に褒められても、残りの5人にけなされると、そちらに引っ張られてしまう。それくらい強いバイアスがかかってしまうのです。なぜなら人間の本質は肯定されたいからです。だからこそ、リーダーは「これでいいんだよ」と言ってあげることが大事なのです。自分だって5%どころではないミスをしまくっています(笑)。でも、誰かに助けてもらっている。もし自分が100点ばかりとっていて完璧主義、減点主義なら、他人にも同じことを求めたかもしれませんが、私はそうではなかったことが幸いしたのかもしれません。

大久保:西條さんのチームで随所に光るのは「知恵」なんです。良いチームをつくるには、良いことだけを言ってもダメなんですね。大事なのは人が付いてきてもらえるような自分の在り様を実現すること。そこが問われるのです。

良いことを言って、うまく進まないと周りが悪いと考える人がいます。なぜできないのか。「その人が言うから」です。組織の中で信頼されるような生き方ができ、ある程度の結果を出さないかぎり、やはり発言は認められないのです。基本は"誰が言うのか"が大事なのです。

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そしてもう一つ、西條さんがチームをつくるときは、メンバーを複数のチームに所属させて、ワンチームにしていないんです。これは、すごい知恵なんです。ボランティアのチームであっても、ワンチームなら垣根ができて、足の引っ張り合いは現実に起こるんです。それはなぜか。相互の理解が進んでいないからです。でも、いくつかのチームに足を突っ込んでおくと、ほかのチームの状況もわかる。状況がわかれば、誤解は生まれません。ここからチームワークのクオリティーは一段と上がるんですね。

さらに言えば、メールでネガティブなことを言うのは絶対に良くない。なぜかといえば、メールのほうがナマで言うより、100倍強く伝わるからです。しかも、それがそのまま残ってしまう。転送される可能性もあります。「おまえ、バカだよな」と、メールで受け取ったらどうでしょう。強烈に不愉快です。言ったほうは愛きょうでやっていても、ネガティブな言葉は何百倍のエネルギーとなって、相手に伝わってしまう。

西條さんは『人を助けるすんごい仕組み』の中に「トラブルを減らすための7ヶ条」として書いてあるように、それをさせないようにしているのです。方法や仕掛けがあっても、こうした知恵がなければ、チームは動かないのです。

ところで、西條さんがボランティアを集めて、最初に徹底したこと、一番重要視したこととは何でしょうか?

リーダーの想いをほとんどの組織は浸透できていない

西條:やはり何のために支援活動をするのかということです。目的は「現地の方々が自立した生活を取り戻すためのサポートをすること」です。支援することだけが目的になると過剰な支援になってしまい、自立する気持ちを妨げてしまうことになりかねません。

私の発想はいつもそうなのですが、"結果としてうまく進む条件を整えるにはどうすればいいのか?"と考えるようにしています。すべての人に教えることはできません。でも、自律的に進んでいくための条件を整えることはできる。そうすれば、適宜調整は必要にしても、目的に向かって動いていくものです。

大久保:理念は、ある意味、チームの中心の軸ですね。基本の判断軸、そして、何のためにということです。これを西條さんは徹底した。新井さんが言われたように、想いや理念を最初に共有することは経営と同じなのですが、実はほとんどの経営の現場ではできていません。リーダーの想いをほとんどの組織は実行できていないです。実情は、徹底できてないことが徹底しているのです(笑)。

その意味で、長野のユニーク企業である伊那食品はすごいです。「明日からこうやろうと言えば、明日から全員できているよな」。そう社長が部下にさらっと言うんです。これはとんでもないことです。工場は全国にあります。伝わる層ができているんです。普通の会社は伝わる層がないから伝わらない。でも、伝わらないのは、伝わらない状況になっているだけの話で、あまり難しい話ではないんですね。

ところで、新井さんはファンドマネジャーの仕事をするうえで「お金」だけでなく、「社会」「自らの満足」といった3つのリターンを考えたいたそうですが、なぜそうしたことを考えられたのですか?

「生かされた」と思った瞬間「この命をどう使うのか」考えた

新井:病気をして気づいたことです。仕事ではたくさんの報酬をもらって満足していたのですが、病気をして初めて考えされられたのです。そのとき「やはり自分は金融には合わないんだな」と思ったんです。とくに思ったのは、「人の幸せとは何だろう」ということでした。

病気で会社を辞めざるをえなくなったときに、同僚から「新井さん、よかったね」と言われたんです。「なぜ?」と思ったのですが、次に続けてこう言われました。「新井さんの体は正常なんだよ」と。その後、びっくりしたのが、別の同僚が突然死するんです。クルマを駐車した直後だったそうです。私はそのことを聞いた瞬間、「生かされた」と思いました。だからこそ、「この命をどう使うか」を考えるようになったのです。そうすると人は考え出すんです。

大久保:真心が先にある人は金融が嫌いな人も多いようです(笑)。新井さんの鎌倉投信の中心にある想いとは何でしょうか?

新井:私がこれまで金融をやってきた中で、当初「個人のお客様は化け物だ」と言っていたんです。どういうことかといえば、私たちは世界で最高の投資技術を持っている。その技術を提供しようと思っているのですが、個人のお客様は銀行や証券会社の名前だけにお金を払い、技術料を払うつもりはまったくない。私たちからすれば、個人のお客様は何を考えているかわからない。だから、化け物に見えたのです。

でも、会社を辞めて、普通の人になってみると、自分たちが化け物だったのです。要は普通の個人のお客様から選ばれるような金融商品がなかったのです。そこに気付いたことが大きかったと思います。

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お金の中心にあるのは「欲」。組織の中心にあるのは「想い」

大久保:新井さんたちが鎌倉投信を立ち上げたときは、「それでは絶対に失敗する」と金融の世界ではボロクソに言われたそうですね。でも、それは金融の世界にいるからで、外の世界に出れば、それが普通だった。自分のいる世界が変わると、見え方はまったく違ってくるんですね。私の理想はスタンスをなくすことです。これはもちろんできません。ただ、スタンスをなくしたときに、いろんなものが幅広く見えてくるのではないかと思っています。

西條:私はMBAコースで教えているのですが、MBAの学生でもおカネのことだけを考えている人はほとんどいません。まずリーマンショックで、幸せの軸足はおカネではないのではと気づいたのが大きいと思います。そして東日本大震災では、家族がいることが当たり前ではないことに気付かされた。痛みとともに私たちは成長させられているような気がしています。

大久保:鎌倉投信の中心にあるのは「真心」だと思います。通常、お金の中心にあるのは「欲」です。欲が展開していくと、どうなるのか。欲が拡大していくだけなんです。欲というノドの渇きは、永遠に満たすことができない。それが欲の世界です。新井さんの鎌倉投資という会社の中心にあるものも、西條さんの活動の中心にあるものも、「想い」です。

そもそもすべての組織の中心には想いの展開があるのです。どういう想いを持っているのか、その想いはどこを目指しているのか、その想いのパワー、エネルギーはどれだけあるのか。もっと言えば、その想いはどう知恵を付け加えることができるかによって、まったく結果が変わってくるわけです。その意味で、人を見るとき大事なのは、発言していない、見えないところに本質があるんです。それを発言から、くみ取れるようになると本質が見えるようになります。見えないものを見ようとしないと本質は見えてこないのです。

ところで、本日は糸井重里さんが会場にいらっしゃっています。ご登壇願います。お二人にメッセージをお願いできればと思います。

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いいチームをつくることは自分の命を活かすことにつながる

糸井:突然ですみません(笑)。震災の年に、みんなから「会わせたい人がいる」というメールをたくさんもらったんですが、そのうちの一人が西條さんでした。見た通り、二枚目なのですが、私は二枚目が嫌いなんです(笑)。我慢して会ったんですけど、そこはまあ弱点だけど、しょうがないかと思って、ずっと付き合っています。本質のところは二枚目じゃなかったので(笑)、よかったなあと思っています。

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新井さんは二枚目の西條さんが「会わせたい人がいるんです」というので、NHKの『プロフェッショナル』が放映される前のいいタイミングでお会いしたんです。ご著書はすぐに読んで、とっても面白いと思いました。

投資という見方で物事を見るというのは、その価値とは何なのかという見方でもあると思うんです。これは今一番面白い。投資の見方として、社会性の点数が何点なのか、利益をどれくらい出せば適正か、総合的に見ていくことで、企業の背筋も伸びる機会になりますし、「ほぼ日」も新井さんに投資されるような会社にならなければと思っています(笑)。

あとはどうでもいいことですが、一つは、チョッキを脱いだ西條さんを見たい(会場爆笑)。もう一つは、新井さんは"さだまさし"だ、ということです(同爆笑)。

大久保:これで着地が決まりました(笑)。今日のことをきっかけに輪を広げていって、いいチームをつくっていきましょう。いいチームをつくることは、世の中を良くすることです、そしてもっと大事なのが、自分の命を活かすことにつながることになる、そう思っています。

(執筆:國貞文隆/撮影 尾木司)