北海道で予想される超巨大地震とは? 30年以内の発生確率は7〜40%

東日本大震災と同規模。400年前には高さ24mの津波が襲った可能性

北海道沖の千島海溝で、東日本大震災と同じ規模の超巨大地震が30年以内に起きる確率は、7%から40%になる。そんな調査結果を、政府の地震調査委員会が12月19日に発表した。

調査委の資料によると、マグニチュード8.8程度より上の超巨大地震が想定されるのは、十勝沖から根室沖にまたがる長さ300km以上の震源域だ。2011年3月11日に起きて東北地方を中心に甚大な津波被害を与えた東日本大震災のマグニチュード9.0と同クラスとなる。

以下、調査委の資料を元に重要な点をまとめた。

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超巨大地震が想定される場所(地震調査委の資料より)
地震調査研究推進本部

■400年前にもマグニチュード8.8の超巨大地震

千島海溝では日本列島のプレートの下に太平洋プレートが沈み込むことで歪みが蓄積し、プレートの境界部で巨大地震が繰り返し発生している。調査委は東日本大震災を受けて、周辺の地震発生状況を再調査した。

調査委は千島海溝を震源とするマグニチュード8.8の超巨大地震が、約400年前の1611〜1637年に発生していると明らかにした。文献などの記録は残っていないが、北海道東岸の堆積物は、根室から十勝地域までの沿岸約200kmで確認され、各地域で1〜4kmも内陸奥まで分布している。

調査委の資料では津波の高さを示していないが、北海道大の地震学者らは「最大高さ約24メートルの大津波が道東に押し寄せた」と計算している

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北海道火散布沼で観察される 17 世紀の超巨大地震による隆起を示す地層
地震調査研究推進本部

■平均間隔は340〜380年

こうした超巨大地震は、過去6500年間に最多で18回発生したと調査委は推定。平均間隔は340〜380年と考えられるが、前回の地震から、すでに380〜400年が経過している。そのため、マグニチュード8.8程度より上の超巨大地震が2017年から30年間に再び起きる確率を7〜40%としたという。

NHKニュースは、調査委の委員長で、東京大学地震研究所の平田直教授は「6年前の東北沖の巨大地震のような地震が起きる可能性が高く、津波などに十分注意してほしい」と話したと報じている。