ロンドンでの人種差別が深刻なことが伝わる、バス内の激しい殴り合いの動画

「あんたがアフリカ系だかカリブ系だか知らないけど……」

イギリスでは6月24日の国民投票でEU離脱が決まった前後から、公共交通機関でのヘイトクライム(憎悪犯罪)が激化している。そんな中、ロンドンのバスで白人女性がカリブ系の男性を口汚く罵っている動画が注目を集めた。

この動画は、ロンドンのイースト・ダルウィッチとトラファルガー広場の間を走る29番系統の路線バスで、白人女性が通路を挟み2つの座席で、カリブ系とみられる男性に激しく罵倒している様子が映っている。撮影された日時は明らかではない。

男性が「本気か?」と聞いた後、「お前がクズ野郎だからだよ」と言う女性の声が聞こえる。

女性は続けて言った。「あんたがアフリカ系だかカリブ系だか知らないけど……」

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言い合いが殴り合いに変わる前、白人の女性が男性を罵っている

男性は最初面白がっているように見えるが、すぐに我慢の限界を超えた。

「ねえちゃん、俺が誰なのか説明してやるよ。俺はくそったれのイギリス人だ、わかったか」

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男性が女性をバスの外に押し出す前、2人は殴り合っていた

すると女性は2本の手すりにつかまってキックをしようと男性に向かっていこうとするが、背中から通路に転倒した。

男性は「俺に殴りかかろうとしてるのか?」と言い、こう続けた。「ふざけんな!」

その後、女性が男性の顔を平手打ちしようとして殴り合いが始まり、最後は男性が女性をバスの外に押し出した。

乗客たちは怖がり、バスの運転手に「止めて!」と言う声が聞こえる。

動画は、撮影している少女が「オーマイガー!」と叫ぶ声で終わっている。

ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

ヨーロッパの極右
フランスの国民戦線(01 of10)
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国民戦線は今回の欧州議会選挙で、反移民の方針を訴えて支持を集め、フランスで約25%の得票を得て24議席を獲得した。\n\nマリーヌ・ル・ペン党首は、同党の毒を抜き、ソフト路線に切り替えようと熱心に取り組んできた。彼女は、自身の父親であり党創設者でもあるジャン=マリー・ル・ペンにさえも矛先を向けている。そのジャン=マリー・ル・ペンは先月、「エボラウイルス」なら欧州の移民問題を「3カ月で」片付けてくれるだろうと発言したばかりだ。同氏はこれまでも、フランスの差別禁止法の下で何度も有罪判決を受けているほか、ナチスのガス室は「第二次世界大戦の歴史では些細なことにすぎない」という発言でも有名だ。 (credit:Getty Images)
ドイツ国家民主党(02 of10)
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ドイツ国家民主党(NPD)は、 欧州議会選挙で得票率1%を得て1議席を獲得。欧州議会に初進出を果した。同党は、基本政策として移民の受け入れ停止を訴えており、「シンティ・ロマ人ではなくお年寄りのための予算を」や「ボートは満員だ(移民を受け入れる余地はない、という意味)」というスローガンを掲げて選挙活動を繰り広げたほか、ヨーロッパは「白人のための大陸」だと公言してはばからない。また、ナチスの思想であった「国家社会主義」を垂れ幕に掲げて行進したこともある。人種差別主義ならびに反ユダヤ主義であると批判されている。 (credit:Getty Images)
ギリシャの「黄金の夜明け」(03 of10)
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ギリシャの超国家主義政党「黄金の夜明け」は、暴力的な行動で有名だが、選挙に備えて兵士用ブーツを脱ぎ捨て、スーツに着替えた結果、欧州議会で初の議席を獲得した。\n\n党の広報担当者はまんじの入れ墨を入れているほか、かなりの数の党員が、犯罪組織の一員だとして逮捕・服役中だ。また、ギリシャ国内のモスクやユダヤ教の礼拝堂シナゴーグ、墓地などには、同党のスローガンがなぐり書きされている。\n\n2012年5月に行なわれたギリシャ議会総選挙では、「けがれた国を一掃しよう」をスローガンに掲げ、「ギリシャ人限定」で食糧配布を行なった。党の広報担当者が議会で、『シオン賢者の議定書』(1900年前後に書かれたとされる「ユダヤ人が世界征服を企んでいる」という内容の書で、ナチスをホロコーストに導いたと言われている)の一節を引用して発言したこともある。黄金の夜明けは現在、ギリシャで第3位の政党になっている(日本語版記事)。 (credit:Getty Images)
真のフィンランド人(04 of10)
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フィンランドの反EU、大衆主義政党「真のフィンランド人」は、欧州議会選挙で予想したほどの結果をあげられなかったものの、2議席を獲得した。そのうちの1人ジェームズ・ヒールビサーリ議員は2011年、自身のブログに、イスラム教徒に関する発言を書き込んで罰金刑を受けている。また、もう1人は、フィンランド独立記念日を祝う舞踏会への出席を、「同性カップルは見るのも嫌だ」と言って断わっている。 (credit:Getty Images)
デンマーク国民党(05 of10)
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デンマーク国民党」は、27%近い得票率を獲得し、欧州議会の議席を2倍に増やした。党首は元介護士のピア・キェアスゴーで、ムスリムに対する差別的発言を繰り返している。\n (credit:Getty Images)
オランダの自由党(06 of10)
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オランダの「自由党」は、欧州議会で4議席を維持したが、党首であるヘルト・ウィルダースは、親EU政党が上位を占めた選挙結果にがっかりしているはずだ。同党首は、オランダへのイスラム系移民受け入れ全廃、ならびに現在オランダに住んでいるイスラム系移民の送還を訴えている。同党は、2010年のオランダ下院選挙で第3党になっている。 (credit:Getty Images)
ハンガリーの「ヨッビク」(07 of10)
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ハンガリーの「ヨッビク」(右翼青年協会)は、欧州議会で最も極右色を明確にしている政党のひとつだ。今回も2009年の欧州議会選挙と同様に3議席を獲得し、得票率は14.7%だった。同党は、ハンガリー在住ユダヤ人に対し、ユダヤ人名簿への署名を要求している。 (credit:Getty Images)
オーストリア自由党(08 of10)
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オーストリア自由党は、党の基本政策である反移民を訴えて議席数を大幅に増やし、全体のおよそ5分の1の票を集めた。欧州議会の議席数は2から4に倍増し、フランスの国民戦線と手を組む考えを示している。 (credit:Getty Images)
イタリアの北部同盟(09 of10)
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イタリアの「北部同盟」は、イタリアで6%の得票率を獲得した。同党に所属するある元欧州議会議員はかつて、「アフリカが偉大な人物を輩出したことがないのは、どんな百科事典を見てもわかる」と発言したことがある。 (credit:Getty Images)
イギリス独立党に負けたイギリス国民党(10 of10)
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ニック・グリフィンが党首を務める「イギリス国民党」(BNP)は、欧州議会の議席を失った。同党で唯一欧州議会議席を持っていたアンドリュー・ブロンズは離党していた。\n\nグリフィン党首は、イギリス国民党こそ本物の「人種差別主義」政党であり、イギリス独立党(UKIP:欧州連合からの脱退を主な目的としている)に投票した人は勘違いをしたのだと語っている。なお、Huffington日本語版過去記事では、イギリスの極右団体「イングランド防衛同盟」(EDL)の画像集も紹介している (credit:PA)

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

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