北朝鮮ツアー、アメリカ人はお断り 拘束の学生死亡で旅行会社が受け入れ中止に

北朝鮮ツアーを催行している旅行会社が、アメリカ人の受け入れを見直すと相次いで発表している。
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U.S. student Otto Warmbier bows at a news conference in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) in Pyongyang February 29, 2016. The U.S. student held in North Korea since early January was detained for trying to steal an item bearing a propaganda slogan from his Pyongyang hotel and has confessed to
KCNA KCNA / Reuters

北朝鮮が拘束・解放したアメリカ人学生が死亡した問題で、この学生が利用した中国の旅行代理店は6月20日、催行する北朝鮮ツアーでのアメリカ人の受け入れをやめると発表した

この旅行会社は、中国・西安の「Young pioneer tours」。同社のホームページによると、北朝鮮への格安ツアーを提供している最初の旅行会社として、韓国との軍事境界線の見学や平壌マラソン、ペクト山登山などのツアーを中心に催行している。

ガーディアンによると、アメリカ人学生のワームビアさんもこの旅行会社を通じて、北朝鮮に渡航。政治ポスターを盗もうとしたとして18カ月にわたって拘束された後、解放されたが昏睡状態に陥り、6月19日に死亡した。

ワームビアさんの死亡を受けて、旅行会社は6月20日、公式サイトに声明を発表。ワームビアさんや家族に哀悼の意を評した上で、アメリカ人旅行客の受け入れを見直すことを明らかにした。

当初北朝鮮について「世界中でもっとも安全な国のひとつ」と謳っていたが、「今の状況で、アメリカ人が北朝鮮に行くのはリスクが非常に高い」と判断。「このような悲劇を繰り返してはなりません」と、今後は北朝鮮ツアーへのアメリカ人旅行客の受け入れをしないことを表明した。

同じく、北朝鮮のツアーを催行する中国・北京の「Koryo」やアメリカ・ニューヨークの「Uri Tour」も、ワームビアさん死亡を受けて相次いで声明を発表。北朝鮮の対応を批判した上で、北朝鮮ツアーへのアメリカ人の受け入れを見直すと発表した。ニュースサイト「VOX」によると、年間800人以上のアメリカ人が北朝鮮に訪れているといい、影響が広がりそうだ。

「Young pioneer tours」の声明の全文は以下の通り

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オットー・ワームビアさんと彼を愛する人たちに哀悼の意を評します。

ワームビアさんの容体が回復し、本来の生活を取り戻すことができるよう願っていましたが、叶いませんでした。私たちは、未来ある若者の命があまりにも早く奪われてしまったショックで、動揺を隠せません。

ワームビアさんの死という衝撃的な出来事を受け、アメリカ人旅行客の受け入れ体制を見直すことにしました。北朝鮮におけるこれまでの拘束行為で、このような悲劇的な結果となったことはなく、私たちは対応に全力を尽くしています。

今の状況で、アメリカ人が北朝鮮に行くのはリスクが非常に高い。拘束されたワームビアさんへの扱いはおぞましいもので、このような悲劇を繰り返してはなりません。何度もワームビアさんや本人と連絡が取れる人への面会を求めましたが、全て拒まれ、彼は無事だと伝えられただけでした。

未だに、ワームビアさんの拘束時の情報は全く明らかになっていません。こうした事実や悲劇的な結果を鑑みて、今後アメリカ人向けの北朝鮮ツアーを催行をしないことを決めました。

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