大阪府知事VS新潟知事の法廷バトルが勃発 発端はあの問題だった

Twitter上の応酬だったのがついにリアルの場へと発展
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松井一郎・大阪府知事(右)と米山隆一・新潟県知事
時事通信社

大阪府の松井一郎知事が、新潟県の米山隆一知事のTwitter上の発言で名誉を傷つけたれたなどとして、米山知事を大阪地裁に提訴していたことが1月18日、明らかになった。米山知事がこの日、自身のブログで公表した。

ブログによると、提訴は2017年12月6日付。松井氏は米山氏に対し、損害賠償として550万円の支払いを求めているという。

ブログの公開を受けて、松井氏も18日昼、大阪府庁で記者団の取材に応じ、提訴を認めた。

Twitterで人を馬鹿にしたようなことを言うからね、彼も今はもう公人なんだから、公人として不特定多数の皆さんに事実でないことを掲げて、人を馬鹿にするということをやれば、それに対して、きちっと反省していただく。

地方自治体のトップ同士が法廷の場で争う異例の裁判。発端は、大阪の高校を舞台に起きた生徒の頭髪黒染め問題だった。米山氏のブログなどから経緯を紹介する。

大阪府立高3年の女子生徒が2017年、生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう教諭らから指導されて精神的な苦痛を受けたとして、府を相手取り、約220万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

原告側は訴状の中で、学校側から、生まれつき金髪の外国人留学生でも規則では黒染めさせることになると言われたとも説明していた。裁判は今も続いている。

このニュースに対し、国際政治学者の三浦瑠璃さんがTwitterで次のように反応した。

これに対し、米山氏もツイート。頭髪黒染め問題にからんで府立高の「責任者」として松井氏の名前を挙げ、続けて松井氏が代表を務める政党「日本維新の会」にも言及した。

三浦氏は「松井知事は府立の学校を全て調べて欲しいと言っていますよ。断定する前にまず松井知事がどうなさるつもりなのか、三浦はどういう意見を表明したのか調べたらいかがですか?」と米山氏に慎重な発言を求めた。

だが、米山氏は「ニュースで見る限り、府は生徒の訴えに対して生徒指導は『適法だ』と主張しており、つまり松井さんはそういう考えだと理解するのが普通」などと答えた。

ここにきて松井氏が「参戦」。次の様にツイートした。

すると、米山氏は「どこにも松井さんとは書いていない」と返した上で、「状況上誰かは言わずもがな当然松井さんもご存知と思います」などとツイート。指摘したのは松井氏ではなく、日本維新の会前代表の橋下徹氏だったと暗に示唆した。

橋下氏は当時、衆院選直後に「衆院選総括と代表選なしに前に進めない」などとツイートした同党所属の丸山穂高衆院議員(大阪19区)と対立。「代表選を求めるにも言い方があるやろ。ボケ!」とTwitter上で激しく反発していた。

その後、米山氏は再び頭髪黒染め問題について言及。松井氏が行政上、府立高の最終責任者であり、生徒が訴える訴訟についても責任があるとした。また、黒染めという生徒指導については、松井氏が「適法」と主張しているとも述べた。

これに対し、松井氏も反論。米山氏が指摘した維新の会の体質については否定し、黒染め問題についても「適法なんて一言も言っておりません」とツイートした。

米山氏はブログで、松井氏が提訴したことについて「自由の一環」としつつ、「現時点での所感」を述べた。まとめると次の通り。

・ツイートで指摘したのは松井氏のことではないので名誉毀損にはあたらない

・仮に松井氏のことだと受け止める余地があったとしても、再三Twitterで否定しているため、最終的には誤読の余地はない

・仮に誤読の余地が残ったとしても、誤読された内容自体は松井氏や日本維新の会に対する正当な論評であり、言論の自由の範囲内で不法行為には当たらない

米山氏は「私の主張は、日本国の公正な司法手続きにおいて、適正に判断されるものと理解」とも述べており、裁判で争う姿勢だ。