「道頓堀で暴行」「わさびテロ」相次ぐ大阪の韓国人観光客トラブル、背景は

大阪を観光した韓国人観光客が様々なトラブルを報告し、日韓のメディアで大きく報じられるケースが相次いでいる。
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People walking on thefamous Dotonburi shopping street in Osaka, Japan.
visualspace via Getty Images

大阪の中心部にある繁華街の道頓堀で、韓国人観光客の男子中学生が暴行を受けたとして被害を訴え、大阪の韓国総領事館が他の観光客に注意を呼びかけ、大阪府警に対策を要請するなどの騒ぎになった。

韓国・SBSの報道によると、被害を訴えた少年(13)は、10月6日の夜に父親ら家族と道頓堀を歩いていたが「20代とみられる男に、いきなり腹を蹴られた」としている。男はそのまま逃走。日本語のできない少年と家族は翌日、領事と面会して被害を報告し、帰国したという。

SBSは「わさび嫌韓テロが起こった大阪で、韓国人旅行者を相手にいきなり暴行を受ける事件」と報道、韓国内で注目を集めた。

大阪の韓国総領事館は「道頓堀で我が国民が被害を受ける事例が受け付けられた」として「特に夜間の時間帯に訪れる方々は安全に留意をお願いします」と、ホームページで注意を呼びかけ、7日には道頓堀を管轄する大阪府警南署を訪れ、対処を要請した

南署の幹部は、ハフポスト日本版の取材に対し「必要な捜査は始めている」と明らかにした上で、「本件は領事館からの通報で認知した。被害者本人から聴取ができておらず、暴行の状況が詳しく分からないが、領事が本人と面会しており、根も葉もない話ではないと考えている」と説明した。

■激増する関西への観光客

大阪の寿司チェーン「市場ずし」で、外国人観光客にわさびを多く入れていたことが表面化して以降、大阪を観光した韓国人観光客が様々なトラブルを報告し、日韓のメディアで大きく報じられるケースが相次いでいる。市場ずしの件も、それに続く件も、大阪を旅行した人々が書き込むネット上のコミュニティーで「そういえば自分もこんな目に遭った」と書き込んだことが発端だった。

2015年の外国人入国者数

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円安などの影響で関西を訪れる外国人観光客は増加傾向だ。

関西空港からの入国者数

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特に韓国人の場合は中国や台湾の観光客と異なり、東京よりも大阪を目指す傾向がある。韓国の旅行価格比較サイト「Skyscanner」が実施した、2016年9月の旧盆の連休に行きたい観光地の人気調査で、東京(4位)や台北(2位)を抑えて1位に輝いたのは大阪だった。

日本の取材や観光のコーディネーターをしている韓国人女性は「京都、奈良など周辺に観光スポットが多く、短期間の滞在で多くの見どころを回れる。ショッピングやグルメも東京より価格が安く、LCCなど安い飛行機も充実していることが、韓国人に受けている」と話す。

先の大阪府警南署の幹部は、約10年前に南署に赴任したが「以前に比べ、この地域は目立って外国人観光客が増えたと肌で感じる」と認める。一方で「外国人が被害に遭う件数の増加傾向はみられない。今回の件も、外国人を狙った犯罪とはみていない」という。

ある韓国紙の東京駐在の記者は「韓国からの観光客が、特に大阪は急激に増えて、そのほとんどは日本語を話せない人たちの個人旅行。行く側も迎える側も、意思疎通が難しい相手に、何となく居心地の悪いものを感じているのではないだろうか。ここ数年の日韓関係の悪化で、お互いの国民に対する印象が必ずしもいいとは言えないことも、無関係ではないだろう」と推測する。

在阪企業などでつくる観光振興の公益財団法人・大阪観光局は「市場ずし」の問題を受け「大阪観光にお越しいただいたお客様が不愉快な思いをされたことはまことに残念かつ遺憾です」「すべての観光客の皆様に大阪観光を楽しんでいただけますよう、受け入れ環境の整備に尽くしてまいりたい」とコメントを出した。その後に続いたトラブルについても問い合わせたが「事実であれば残念。市場ずしの時に出したコメントに尽きる」と担当者は回答した。